研究大会

第11回地域包括ケア推進病棟研究大会

【開会式】

仲井培雄 

皆さん、おはようございます。

1年ぶりの御無沙汰でした。

本日は、地域包括ケア推進病棟協会第11回研究大会へようこそお越しくださいました。

協会長を務めます仲井培雄です。開会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

このように盛大に第11回研究大会を開催できますことを、まずは御参加くださった皆様、それから、これから御登壇される講師の先生方、そして、本大会の準備に御尽力いただいた大会長の草場鉄周先生をはじめとする関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

さて、本年2025年度は、地域包括ケアシステムの構築と地域医療構想の実現における最初の重要なゴールであります。と同時に、2040年に向けた準備の年でもあります。私たち地域包括ケア推進病棟協会は、その実現に向けて、地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟の役割を踏まえて、機能を常に進化させてまいりました。

その一方で、人口減少、働き方改革に伴う医師不足と診療科のミスマッチ、看護師等の人材不足、人件費率の増加、患者受療行動の変化。そこに、海外情勢の不安や物価高騰、長期金利の上昇、頻発する激甚災害への対応など、我々医療機関を取り巻く環境はあまりにも厳しく、地域医療はまさに崩壊寸前という危機に瀕しています。2024年度の調査で約7割の病院が赤字という状況も、これを裏づけています。

このような中、2040年に向けたサービス提供体制のあり方検討、新たな地域医療構想の推進、DXを活用した社会保障改革、医師偏在対策、かかりつけ医機能報告制度の運用開始と、本当に矢継ぎ早に多くの国策が同時に進行しています。

来年2026年度は診療報酬改定も行われます。前回改定では、地域包括医療病棟が創設されて、増加する高齢者救急への対応を中心に、私たちの取組が地域医療においてより重要な役割を果たすことを求められました。

政府の「骨太方針2025」では、医療・介護などの人材確保に向けて、保険料負担の抑制努力を継続しつつ、公定価格の引上げをはじめとする処遇改善が明記されました。私たちは、この機を捉えて、質の高い医療提供と効率的な運営を両立させて、確実な人材獲得と経営改善へつなげていく必要があります。

高齢者が安心して暮らしを続ける地域をつくるには、地域包括ケアを推進する2つの病棟は欠かせないと思います。草場大会長は、大会テーマに「地域包括ケアを支える人材育成を目指して」を掲げました。これから行われる様々なセッションを通じて、2つの病棟における人材育成の好事例や課題、そして、未来に向けた提言が活発に討論されることを期待しております。

今後とも、一般社団法人としての役割を果たし、当協会の目的達成に尽力してまいりますので、引き続き御理解、御支援、御指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。

本日は誠にありがとうございます。

草場鉄周 

皆様、おはようございます。

ただいま御紹介いただきました、大会長の、北海道家庭医療学センターの草場鉄周と申します。

本日は、第11回研究大会にたくさんの方に御来場いただき、誠にありがとうございます。

今回の大会は、私、お引き受けしたときに、どういったテーマにするか大変悩みました。なぜかといいますと、私自身は実は診療所の運営というものを主としてやっており、我々の仲間たちが帯広にある病院で総合診療医として地域包括ケアの病棟に携わっている、そういった立ち位置でございますので、ある意味、主として診療所でやっている我々から皆さんに提供できるものはあるのかと考えておりました。そういった中で、今回、「人材育成」というテーマを選んで話を進められればなということで企画を練ってきたわけでございます。

制度は非常に重要ではございますけれども、制度の中で実際にケアを担うお一人お一人の職種の力の発揮が欠かせません。それがちゃんと連携することによってすばらしいケアが提供されます。これは病棟でも、あるいは外来、在宅医療でも同じだと私は考えて、準備を進めてまいりました。

今回は、大きな企画としては4つ考えました。

まず、基調講演。香取先生に「地域包括ケアの推進のための展望」ということで、少し大きなスパンで語っていただきますので、皆さんに視野を広げていただければありがたいなと考えてございます。そして、2番目の特別講演ということで、山城先生にお越しいただきました。山城先生については、また後ほど詳しく御紹介しますけれども、地域の中で総合診療医を育てるというお仕事をしていただきましたので、病棟の中で総合診療医が活躍できる時代をつくるという展望を皆さんと共有できればと思っています。そして、午後には、パネルディスカッションということで、診療報酬も絡めての話になりますけれども、今後この2つの病棟の歩んでいく方向性というものを政策的に議論していく場がございます。最後に、この人材育成にまさに直結しますけれども、多職種連携というものを地域の中でどうやって展開するか、どういった形で育てていくか、そういった観点のシンポジウムを用意してございます。

午前から午後、こういったような企画が進みながら、117もの演題を皆さんに出していただきましたので、口演とポスターセッションが同時並行で進んでいく。その中で皆さんに活発に議論をいただいて、非常に厳しい医療情勢ではございますけれども、明日に向けて元気が出るような、活力が出るような大会にできればなと思ってございます。

丸1日ということで、朝9時から夕方5時まで、多分あっという間に過ぎると思いますけれども、今日はすばらしい時間を皆さんにお過ごしいただければと思ってございます。

それでは、私の挨拶は以上とさせていただきます。

ありがとうございました。

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