医療介護関係者様向けよくあるご質問

各回答は回答時点までの要件や解釈であり、その後の改定において要件変更や解釈変更がなされたものもございます。その点をご了承の上参照してください。

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    施設基準

    関連した情報があれば教えて頂けると幸いです。

    疼痛コントロールには、「悪性新生物に罹患している患者」などの但し書きがありませんので、がん性疼痛に限定されているわけではありません。よって、「難治性皮膚潰瘍」や「重症褥瘡」に対する疼痛管理においても、疼痛緩和のための医療用麻薬が必要であれば、算定は可能となります。ただし、審査機関によっては、がん性疼痛以外の医療用麻薬の必要性について病名だけでは判断がつかず減点される可能性も考えられますので、患者の状態等、病状詳記を行うことをお勧めいたします。

    地域において急性期・在宅両面からのニーズが増えているなかで、看護配置を厚くし、看護職員配置加算取得を検討されていることへのアドバイスとのことで承りました。
    まず、今回の診療報酬改定で地域包括ケア病棟に対しては、特に高齢者救急の受入機能強化が求められ、在宅患者支援病床初期加算の点数が見直しされました。
    (改定前)介護老人保健施設から入院した患者の場合500点
    → (改定後)救急搬送された患者又は他の保険医療機関他医療機関で【救急患者連携搬送料】を算定し当該他医療機関から搬送された患者の場合580点(+80点)、それ以外480点(-20点)となりました。
    (改定前)介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から入院した患者の場合400点
    → (改定後)急搬送された患者又は他の保険医療機関他医療機関で【救急患者連携搬送料】を算定し当該他医療機関から搬送された患者の場合480点(+80点)、それ以外380点(-20点)となりました。
    看護師は、診療の補助やケア、多職種間と連携した在宅復帰へ向けての患者・家族への支援等の重要な役割を担っていると思います。今回の診療報酬改定において入院期間が、40日以内(地域包括ケア病棟入院料1だと+29点)と41日以上(地域包括ケア病棟入院料1だと-119点)に応じた評価に変更され退院支援はこれまで以上積極的に取り組むことが必要となります。もし、療養病床の5%減算がなされている状況であれば、それを解消できる様に、看護師の増員と共に救急搬送や自宅からの緊急の受け入れを可能にする体制づくりも、検討する価値はあると思います。
    地域ニーズと診療報酬改定の方向性は合致しており、ニーズに答えられるように看護配置を手厚くしようと検討することは間違っていないと考えます。
    看護師配置の増加で、看護職員配置加算(150点)の算定で収入増加を目指すことができます。
    更には必要に応じて、看護補助者の配置増加により、看護師とのタスクシェアで地域ニーズへの対応充実と看護補助者配置加算(160点)や看護補助体制充実加算1~3(190点~165点)の算定による収入増加も期待できます。

    しかし、人件費が増加しますので、費用に見合った収入が得られるか、最終的にご確認下さい。
    なお、救急搬送や緊急手術件数が増加して、高齢者救急に特化した地域包括医療病棟の届け出が視野に入るようでしたら、療養病床から一般病床に変更することが必要です。ご参考になれば幸甚です。

    地域包括ケア病棟の退院支援の担当者は、地域連携部門の看護師ないしは社会福祉士のどちらか1名か、両者(両職種)どちらが多いかは協会では調査していないので不明です。
    施設基準からでは
    地域包括ケア病棟入院料・管理料の施設基準において、入退院支援部門の設置と看護師と社会福祉士の人員配置が求められており、退院支援は入退院支援部門の看護師又は社会福祉士が担当することになります。
    また、地域包括ケア病棟入院料・管理料1・2については、入退院支援加算1(100床以上)の届出が必須となっています。(届出無の場合:90/100に減算)
    入退院支援加算の通知(一部抜粋)
    (5) 退院支援計画を実施するに当たって、入退院支援加算1にあっては、入院後7日以内に病棟の看護師及び病棟に専任の入退院支援職員並びに入退院支援部門の看護師及び社会福祉士等が共同してカンファレンスを実施する。(後略)とあり
    入退院支援部門の看護師及び社会福祉士の両者担当することになります。

    参考:2020年4月改定前までの施設基準では、専任の在宅復帰支援担当者1名以上配置
    (職種に規定は設けないが、社会福祉士のような在宅復帰支援に関する業務を適切に実施できる者)となっておりました。

    (令和5年度第7回入院医療等の調査・評価分科会令和5年9月14 日調査結果抜粋
    スライド№90)
    令和5年度第7回 入院医療等の調査・評価分科会 令和5年9月14 日
    https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001145874.pdf
    退院支援に取り組み実施者の調査結果が出ておりますので参考下さい。
    (どちらが多いかは調査結果でも不明です。)

    地域包括ケア病棟入院料 通則では
    地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料(以下「地域包括ケア病棟入院料等」という。)を算定する病棟又は病室は、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者等の受入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支える役割を担うものである。とあり
    通則に則り判断して頂ければ、年齢制限はないものと考えます。

    再入院することは可能です。但し、算定期間については以下のルールがございます。
    例も含めご説明いたします。

    入院基本料の算定ルールについて
    第2部入院料等 通則5には 
    第1節から第4節までに規定する期間の計算は、特に規定する場合を除き、保険医療機関に入院した日から起算して計算する。ただし、保険医療機関を退院した後、同一の疾病又は負傷により、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合には、急性増悪その他やむを得ない場合を除き、最初の保険医療機関に入院した日から起算して計算する。第3節に「A308-3地域包括ケア病棟入院料」がありますので、この通則の取り扱いとなります。

    留意事項(入院期間の計算について)一部抜粋
    退院後3ヶ月以上(悪性腫瘍、指定難病、特定疾患患者は1ヶ月以上)、同一疾患について、いずれの保険医療機関への入院や介護老人保健施設に入所していない場合、再入院した日が入院日(起算日)となります。

    例を参考に説明させて頂きます。
    例1.1回目の地ケア入院と2回目の地ケア入院が同一疾病の場合
    1回目地ケア算定日数10日 → 30日後に再入院 → 2回目地ケアは50日間算定可能

    例2.1回目の入院と全く異なる疾患で再度地ケアに入院した場合
    (計画的なものは不可。あくまでも急性疾患など予期せぬもの。いわゆる「入院期間が通算される一連の入院」ではないこと。)
    → 入院起算日をリセットし、再度60日算定可能。

    第3節 特定入院料  通則には 
    特定入院料は (中略) 1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。
    例3.
    ①一般病棟(転棟)⇒ 地域包括ケア病棟(入棟・転棟)⇒ 一般病棟(再入棟・転棟)   
    ⇒ 地域包括ケア病棟(再入棟)
    (再度地域包括ケア病棟へ転棟した場合、地域包括ケア病棟入院料は算定できない。
    この場合は特別入院基本料を算定することになります。)

     ②地域包括ケア病棟(転院)⇒ 他院の急性期病院(入院・転院)⇒ 自院の地域包括ケア病棟(再入棟) 
    (地域包括ケア病棟入院料は算定可能ですが、算定期間につては同一疾病か異なる疾病かによって算定期間が異なります。)

    ③地域包括ケア病棟(退院) ⇒ 一般病棟(入院・転棟) ⇒ 地域包括ケア病棟(転
    棟) 
    (地域包括ケア病棟入院料は算定可能ですが、算定期間につては同一疾病か異なる疾病
    かによって異なります。また、退院後3ヶ月以上(悪性腫瘍、指定難病、特定疾患患者
    は1ヶ月以上)、同一疾患について、いずれの保険医療機関への入院や介護老人保健施
    設に入所していない場合によっても算定期間が異なります。)

    1つ目の重症度、医療・看護必要度に関するお尋ねにつきましては、添付の資料1をご参照いただきたいと思います。
    ただし、この資料は今回の診療報酬改定前の内容であり、改定後の状況につきましては、当協会におきましては把握できておりませんので、ご了承願います。
    また、2つ目の創傷処置の算定に関するにお尋ねにつきましては、お見込みのとおりです。資料2をご参照ください。

    資料1 患者割合関係 (出典) 令和5年11月10日開催 第563回中医協総会資料から抜粋

    資料2 創傷処置関係  一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票(抜粋)

    200床未満の一般病床については、下記の「ア・イ・オ」のいずれか及び、「ウ・エ」のいずれかを満たさないといけないので、在宅療養支援病院の届出のみや救急外来の設置のみでは施設基準をクリアできません。
    したがって貴院の場合は、「ア」在宅療養支援病院又は「オ」訪問看護ステーションを同一敷地内に設置のどちらかの基準をクリアした上で、「ウ」救急外来の設置又は「エ」24時間の救急患者受入のどちらかの基準をクリアする必要があります。
    (参考)地域包括ケア病棟入院料の施設基準(抜粋)

    令和6年度診療報酬改定は6月1日より
    介護報酬改定は訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーションが6月1日より、その他のサービスについては4月1日より施行されます。
    従前(令和6年度診療報酬改定前)までは、介護老人保健施設は在宅等に退院するものに該当しない。ただし、介護老人保健施設の短期入所療養介護については該当する。(病院と特別な関係や併設老健の場合も含む)(全国老人保健施設協会からの回答)
    令和6年度診療報酬改定において、在宅強化型介護老人保健施設に入所した患者数の5割の数が新たに在宅等に退院するものの対象となりました。
    なお、詳しい算定方法については下記の通知をご参照下さい。
    ただし、併設や特別な関係については疑義解釈通知が出ておりませんので、カウントできるかどうかは今のところわかりかねます。
    (参考)地域包括ケア病棟入院料の通知を抜粋

    訪問によるリハビリテーション(以下リハ)の提供について、「訪問リハビリテーション」は一般的に「訪リハ」と呼ばれます。貴院の言われるところの「訪問看護ステーションからの訪問リハ」は、「リハ職による訪問看護(リハ職訪看)」と表現して、混同を避けたいと想います(表1)。貴院はリハ職訪看なので、そこに○をつけました。
    「在宅医療等の実績」にかかる要件変更においては、現行は別々の実績要件でした。
    今改定では現行オの介護報酬の訪問看護が削除されたのではなく、改定後のイやウの診療報酬の訪問看護に合算され実績件数に組み込まれました(下記表2)。
    したがって現行のリハ職訪看は、改定後はウに組み込まれました(下記表1)。
    そのため、現行のウとオで2つの実績を満たしているのであれば、改定後はウのみとなりますので、もう一つ別の実績要件が必要になります。貴院の取得要件に○を付けました。
    以下に、現行と改定後の実績要件の詳細を記しますので、ご参考にして下さい。

    (現行) ア,エ,カ(略)
    イ 当該保険医療機関において在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料又は精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)の算定回数が直近3か月間で 60 回以上であること。
    ウ 当該保険医療機関と同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する訪問看護ステーションにおいて訪問看護基本療養費又は精神科訪問看護基本療養費の算定回数が直近3か月間で300回以上であること。
    オ 当該保険医療機関と同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する事業所が、介護保険法第8条第2項に規定する訪問介護、同条第4項に規定する訪問看護、同条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同法第8条の2第3項に規定する介護予防訪問看護又は同条第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーションの提供実績を有していること。

    (改定後) 
      現行のウとオが合算され以下となりました
     ア 当該保険医療機関において在宅患者訪問診療料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定回数が直近3か 月間で 30 回以上であること
     イ 当該保険医療機関において退院後訪問指導料、在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居 住者訪問看護・指導料、精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)、指定居宅サービスに要する費用 の額の算定に関する基準(平成十二年厚生省告示第十九号)の指定居宅サービス介護給付 費単位数表(以下「指定居宅サービス介護給付費単位数表」という。)の訪問看護費のロ 及び指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十八年厚生省告示 第百二十七号)の指定介護予防サービス介護給付費単位数表(以下「指定介護予防サービ ス介護給付費単位数表」という。)の介護予防訪問看護費のロの算定回数が直近3か月間 で 150 回以上であること
     ウ 当該保険医療機関と同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する訪問看護ステーションにおいて訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問看護費のイ及び指定介護予防サービス介護給付費単位数表の介護予防訪問看護費のイの算定回数が直近3か月間で800回以上であること。
     エ 当該保険医療機関において在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定回数が直 近3か月間で 30 回以上であること。
    オ 当該保険医療機関と同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する事業所が、介護保険法第 8条第2項に規定する訪問介護、同条第5項に規定する訪問リハビリテーション又は同条 第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーションの提供実績を有していること。
    カ 当該保険医療機関において退院時共同指導料2及び外来在宅共同指導料1の算定回数が 直近3か月間で6回以上であること。

    表1 リハ職訪看と訪問リハの違い

    表2 実績要件 現行と改定後の比較

    お尋ねの内容は、今回の改定で新設された「協力対象施設入所者入院加算」に関する施設基準のことかと存じます。
     施設基準1(1)ウに記載のとおり、「患者が入院できる病床を常に確保していること。ただし、・・・入院させることが困難な場合は、当該保険医療機関が当該患者に入院可能な保険医療機関を紹介すること。」とされており、病床の指定等については明記されておりませんので、どの病床に入院しても構わないものと思われます。  
    また、参考までに当該加算と類似する在宅患者緊急入院診療加算等も同様の施設基準となっております。
    なお、詳しい内容については下記の通知をご参照下さい。

    (参考)「協力対象施設入所者入院加算」の通知を抜粋

    リハビリテーション

    下記のデータにつきましては地域包括推進病棟協会内にアンケート調査結果として掲載されております。

    「2019年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果」
    ホームページ内 2019年8月30日掲載
    https://chiiki-hp.jp/wp-content/uploads/2024/07/20190830_2019%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB.pdf

    お問い合わせ内容の全国平均データではありませんが協会独自でアンケートしております。
     ①地域包括ケア病棟の稼働率
    中央値 88.1% (34ページ掲載)

     ②地域包括ケア病棟のリハ実施率
       (リハ実施入院患者数/入院患者数全体)
    疾患別リハビリテーションのみは50%程度 詳細はホームページ参照
    (105ページ掲載)

     ③地域包括ケア病棟の一日平均リハ単位数
    中央値 2.3単位/日 (36ページ掲載)

    他協会アンケート調査結果として下記にも掲載されていますので参照下さい。

    ①地域包括ケア病棟の稼働率 
    2018.10.4 平成30年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果 スライド 28

    ②地域包括ケア病棟のリハ実施率
    2018.10.4 平成30年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果 スライド 29
    2017.8.24 平成29年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果 スライド 16

    ③地域包括ケア病棟の一日平均リハ単位数
    2015.11.25 平成27年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果 スライド 31

    当協会が推奨しておりますPOCリハビリテーションの介入には20分未満の短時間を特徴の一部として紹介しております。また、疾患別リハビリテーションの介入に加えてPOCリハビリテーション等を提供する場合は補完リハビリテーション、疾患別リハビリテーションに代えてPOCリハビリテーション等を提供する場合は代替リハビリテーションと呼称しています。
    貴院のように、疾患別リハビリテーションを届け出していないために、その介入ができない状況においては、代替としてPOCリハビリテーションで20分以上介入する場面もあると思います。
    しかし、当協会としては、原則的に疾患別+POCリハビリテーションの補完リハビリテーションによる介入を推奨しております。
    その理由は2点あります。
    1点目は近年地域包括ケア病棟において高齢虚弱multimorbidity(多疾患併存)患者が増えており、それに合わせて様々な疾患別・がん患者リハビリテーションが求められております。
    2点目は2020年の診療報酬改定において地域包括ケア病棟の全患者に対して入棟時にリハビリテーションの必要性の判断・患者説明が義務付けられました。
    その背景には当該病棟におけるリハビリテーション実施状況について、施設ごとのばらつきが大きかったこと、さらに医療的な状態は安定しており移乗・平地歩行・階段・更衣のADLについていずれかに一部介助や全介助のリハビリテーション対象であると推測される患者に対しても積極的に疾患別リハビリテーションが実施されていなかった、もしくは届け出ていなかったことが一つの要因と思われます。
    以上を踏まえ当協会としても、疾患別リハビリテーションの対象患者に対しては疾患別リハビリテーションの介入を前提としたうえで、補完代替リハビリテーションの取り組みを推奨しております。

    ※地域包括ケア推進病棟協会HP 「POCリハビリテーションのすすめ<https://chiiki-hp.jp/care/rehabilitation/4765>」参考下さい。

    貴院においても状況に合わせて代替リハビリテーションとしてのPOCリハビリテーションをご活用いただくとともに、施設基準上の疾患別リハビリテーション体制(心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、(Ⅱ)若しくは(Ⅲ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)又はがん患者リハビリテーション料)も含めた届け出をご検討いただければと思います。

    地域包括ケア病棟専従者登録者や非登録者が補完代替リハビリテーションを提供しても良いか、というご質問に対するお答は、「問題なく提供できる」となります。
    リハビリテーションに関する施設基準を遵守すれば、専従者の業務内容に関しては特に縛りなく、該当する病棟業務に専従することだけが求められます。

    少し詳しい話しを致しますと、「地域包括ケア病棟とは、急性期の治療を終えた患者や、何らかの理由で一時的な入院を余儀なくされた患者や直ぐに在宅や施設へ移行するには不安のある患者に対して、在宅復帰に向けて支援したり準備したりする病棟です(協会ホームページより抜粋)」。
    近年当病棟において高齢者の増加だけでなく、高齢虚弱multimorbidity(多疾患併存)患者や在院日数の短縮等々により、以前に比べると非常にお世話に時間がかかる中で、効率的かつ効果的な退院支援に向けての取り組みが必要となっているかと思います。
    その中でリハビリテーション専門職が担うことが期待される役割も大きくなっております。業務は総合的な評価、医師や病棟専門職との連携・情報共有、患者・家族指導など多岐にわたっていますので、限られた人員かつ個別の疾患別リハビリテーションだけでは非効率かつ十分に役割を果たすことが難しいと感じております。
    病棟専従者を中心としたリハビリテーション専門職が、当協会推奨の補完代替リハビリテーションを、地域包括ケア病棟において実践する事で、その役割を最大限発揮できるよう、参考となりましたら幸いです。

    POCリハを含むCARB(現在は補完代替リハビリテーションと呼称しております)は全国各地の医療機関で実施していると協会の方で把握しておりますので、実施については問題ないと理解しております。
    しかし、その運用方法につきましてはいささか注意が必要かと存じます。
    疾患別リハビリテーションありきで運用されていれば問題はございませんが、疾患別リハビリテーションの実績が無く運用されているのであれば医療監査等で指摘を受ける可能性もございます。
    まずは当協会が推奨しております運用方法(7月中に当協会ホームページ掲載予定)をご確認いただき、それに準じた形で実施されますようお願い申し上げます。

    ⓵疾患別リハビリを提供することが前提になります。そのうえで、全ての患者に補完代替リハビリを実施することは可能です。
    ⓶これまでの診療報酬改定の中で地域包括ケア病棟においてADL低下によるリハビリテーション対象と思われる患者が入棟しているのに、疾患別リハビリテーションが提供されていないと思われるデータが問題視されたことがあります。疾患別リハビリテーションを全く算定せずに補完代替リハビリテーションのみだとこのようなケースになりえますので、疾患別リハを提供しつつ、それを補完し、代替するリハとしてご活用ください。
    ⓷当協会HPアンケート・調査報告(2019.8.30「2019年度 地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果」)では地域包括ケア病棟において疾患別リハのみ、疾患別リハ+補完代替リハという組み合わせで運用していることや取り組みについて報告されていますのでご参照ください。(スライド№39~55)
    ⓸補完代替リハは、2014年度に地ケア病棟が創設された時に考案された、診療報酬上は評価されていないリハです。当時の医療課とのやり取りの中で、リハが包括算定とされた地ケア病棟において、介護施設で行われているような機能訓練やリハを医療施設でも行うというアイデアが生まれました。そして、認知症・廃用症候群のリハのあり方を熟考した結果、考案されたものがPOCリハです。同時に厚生局にも確認したところ、素晴らしい取組なので是非進めてほしいと言われました。
    また、下表はリハビリテーション医学教育推進機構が発行する「回復期のリハビリテーション医学・医療テキスト」から引用したものです。権威のある教科書に補完代替リハを初めて掲載して頂きました。これ以降、自信を持って、研究や普及啓発を行っています。

    POCの対象についてですが、もちろんSTにつきましても実施いただければと思います。
    同スライドにも記載されております補完代替のリハビリテーションは包括算定を活かして、
    時間・単位・場所に縛られないものであります。
    内容として疾患別リハビリテーションや摂食機能療法と重なる部分もあるかと思いますが、
    先のメリットを活かして行われるリハビリテーションの視点から行われる活動・支援は
    多岐に渡ると思いますのでぜひ取り組んでいただければと思います。
    1点だけ、スライドにある注意点を熟読いただければ幸いです。

    1つ目の回答ですが基本は疾患別リハビリテーションの指示に準じた運用を推奨しております。そのためリハ科医の必要はございませんが医師によるリハビリテーションマネジメントは必要となります。処方の内容として「頻度に関しては必要に応じて・適宜等」、また内容は「必要な場面で補完代替リハビリテーションの実施」など包括的な指示で幅広く対応できるようにしておくことで問題ないと思いますが、リスク管理などにつきましては具体的(禁忌事項や中止基準等)にあったほうがよろしいと思います。
    2つ目の回答ですが質問にあるような運用方法自体は可能です。ただし全患者が同様の運用をするなど患者状態に沿わない運用を維持していると、当局による何らかの介入が行われる可能性もありますので、その時の患者状態に合わせてリハビリテーションマネジメントを行い、疾患別リハビリテーションなど必要な介入方法をご検討いただくのがよろしいかと思います。

    疾患別リハビリテーションの処方が理学療法士のみ(もしくは作業療法のみ)のようなケースの場合、他のリハ職の介入をどう考えるかというご質問かと思います。
    まず補完代替リハビリに限らずですが、他のリハ職介入が必要となった時点で追加の処方をしてもらうというのが正式な処理かと思います。医師の指示として処方内容は介入職種、プログラム、介入量など指示を行うことが求められています。
    一方、補完代替リハビリは包括的な指示にて運用を行っても問題ありませんので、最初の処方に、例として「補完代替リハビリが必要な場合には理学療法士・作業療法士の介入をお願いします」のような文言を加えておき、必要時に補完代替リハビリを提供できるようにしておくことも体制として検討してみてはいかがでしょうか。

    各職種の領域による提案に関しては、病棟マネジメントの一環として大変素晴らしい取り組みかと思います。
    地域包括ケア病棟のように専従配置が求められており、病棟とリハ職が病棟の患者マネジメントを一緒に行っていく過程の中でそのような活動は必須だと思います。その活動自体は医師による処方までは必須ではありませんので問題ないと考えます。

    計画書につきましては、処方箋同様作成・説明・交付を推奨しております。
    補完代替リハビリにおきましても療法士が専門的知識に基づいた各療法を提供していると思いますので
    その介入と結果に対して説明責任があると考えます。
    書式に関しては特段決まりはございません。

    地域包括ケア病棟の施設基準の1 つに、「リハビリテーションを提供する患者について、1日平均 2 単位以上提供していること」が要件として求められています。地域包括ケア病棟に入棟している患者へのリハビリ実施状況について、当地域包括ケア病棟協会で2019 年度に実施したアンケートがありますので、ご参照いただきたく存じます。
    当協会が実施しました「2019 年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査【R1 年度調査】2019.08.30)」を添付しておりますが、その中のp36「2.-(12)リハビリテーション平均実施単位数」に、「中央値:2.3 単位/日 平均値:2.5 単位/日」の集計結果が出ております。
    その中のp105「1.基本集計」の中段に「・地ケア病棟の包括算定リハ実施の状況(n=1,151)」
    として、地域包括ケア病棟でのリハビリ実施率を集計しております。
    またp105 にも、「・疾患別・がん患者リハ 1日平均提供単位数」の分布として、詳細が示されています。疾患別・がん患者リハは半分弱の患者に実施され、1日平均提供単位数は、1~2単位と2~3単位が共に1.5 割前後と最も多い状況となっています。

    2014 年地域包括ケア病棟入院料が新設された当時、亜急性期入院料と比較してリハビリ提
    供量を推定した事がございました。(2014 年点数)
    地域包括ケア病棟入院料1(2558 点)+看護職員配置加算(150 点) :2,708 点
    亜急性期入院医療管理料2(1965 点)+リハビリテーション提供体制加算(50 点):2,015 点
    点数差 693 点÷175 点/単位(運動器リハ(Ⅰ)180 点と(Ⅱ)170 点の平均)=約4.0 単位
    地域包括ケア病棟1では運動器疾患リハビリで1 日平均約4.0 単位リハビリをしても持ち出し
    にならない。と推定しておりました。

    新型コロナ臨時的取り扱い

    新型コロナウイルス感染症の5類移行以前における地域包括ケア病棟での新型コロナウイルス感染症患者の入院に関するお問い合わせとのことですが、以下が回答となります。
    新型コロナウイルス感染症の患者を受入して治療を行う場合が基本となりますが、自院でクラスター等が発生して、コロナ受入病床等に転院させることなく自院で継続してコロナへの治療を行う場合でも、受入した場合と同じ内容で、コロナ特例の算定を行い請求することができます。
    令和4年12月時点の請求時点で、ベクルリー点滴を出来高で請求できたかどうかについてですが、5月8日のコロナ5類移行以前までであれば、入院基本料を地域包括ケア病棟で選択した場合は出来高算定不可、地域一般病棟で算定した場合は出来高算定可となります。
    ちなみに、5月8日以降は、地域包括ケア病棟であっても薬剤料は出来高算定可能となっております。

    地域包括ケア推進病棟協会HP(更新版)230428(5類移行後)地域包括ケア病棟における新型コロナウイルス感染症及び疑以症患者、回復患者の入院料や加算についてを参考にして下さい。

    地域包括ケア病棟からコロナ治療のため一般病棟に転棟し、コロナから回復後に再度地域包括ケア病棟に戻ることが可能かとのご質問につきましてですが、新型コロナウイルス感染症に係る特例的な措置としての通知は出ていないので、原則に則った従来道理の算定を行うことしかできません。
    地域包括ケア病棟入院料などの特定入院料は、通則に「1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。」とある通りで、一般病棟に転棟した後に地域包括ケア病棟に再転棟する場合は、地域包括ケア病棟入院料の算定要件に該当しない患者の算定方法(一般病棟等であれば特別入院基本料を、療養病棟等であれば地域包括ケア病棟入院料1・2、地域包括ケア入院医療管理料1・2の場合は療養病棟入院料1のIを、地域包括ケア病棟入院料3・4、地域包括ケア入院医療管理料3・4の場合は療養病棟入院料2のIを算定)となります。
    原則、上記となりますが地域包括ケア病棟入棟中コロナ陽性のため、コロナ病棟(一般病棟)へ転棟し、その後コロナ後遺症で地域包括ケア病棟に再転棟した場合、再度地域包括ケア病棟入院料を算定可能かどうか、一度当地の厚生局にご確認下さい。

    『①地域包括ケア病棟入院料を届出している場合は届出が不要で地域一般入院料を算定できるかと思いますが、診療点数を比較して高い方でレセプト請求してよいということなのでしょうか?』

    この、ご質問につきまして、
    令和5年3月31日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」のうち、
    4. 新型コロナウイルス感染症患者の受入れに伴う手続き等への柔軟な対応について
    「(2)特定入院料等を算定する病棟でコロナ患者の入院を受け入れた場合の特例について ① 新型コロナウイルス感染症患者を地域包括ケア病棟入院料等の特定入院料を算定する病棟に入院させた場合、医療法上の病床種別と当該入院基本料が施設基準上求めている看護配置等により算定する入院基本料を判断の上、当該入院基本料を算定できる。なお、入院料の変更の届出は不要である。」
    に記載がある通りで、一般病棟の場合、地域包括ケア病棟入院料か、看護配置等が同一となる地域一般入院料かは医療機関の判断にて請求が可能となっております。

    『②新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院を受け入れた場合」の算定は、院内で新型コロナウイルス感染症患者を入院させ、その後回復した後に、引き続き入院を継続する場合でも”回復患者の受け入れ”として算定は可能なのでしょうか?』

    このご質問につきましては、
    令和5年3月31日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」のうち、
    5. 回復患者の転院受け入れに係る特例
    ①新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた保険医療機関においては、当該患者について、いずれの入院料を算定する場合であっても、最初に転院した保険医療機関における入院日を起算日として60 日を限度として二類感染症患者入院診療加算の100 分の300 に相当する点数(750 点)を算定できる。
    ② ①に加え、新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた保険医療機関においては、最初に転院した保険医療機関における入院日を起算日として14 日を限度として救急医療管理加算1(950 点)を算定できる。
    となっており
    「新型コロナ感染症からの回復患者の転院を受入した場合」が前提となっておりますので、自院で治療していたコロナ患者が回復したのち、継続して自院で入院加療した場合には、当該項目条件には該当せず、二類感染症患者入院診療加算、救急医療管理加算の算定はできません。

    結論としては、2023.4.28ホームページで掲載されている一覧表の通りです。
    地域包括ケア病棟入院料算定の場合、算定できない理由については地域包括ケア病棟入院料以下告示より救急医療管理加算1は算定(包括)できないためです。
    なお、この点については厚労省にも確認し作成しております。

    参考:A308-3 地域包括ケア病棟入院料 告示(一部抜粋)
    注6  診療に係る費用(注3から注5まで及び注7に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、在宅患者緊急入院診療加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、データ提出加算、入退院支援加算(1のイに限る。)、認知症ケア加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算、第5節に掲げる看護職員処遇改善評価料、区分番号B001の34に掲げる二次性骨折予防継続管理料(ロに限る。)、第2章第2部在宅医療、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号J038に掲げる人工腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流及び区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)、第10部手術、第11部麻酔並びに除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、地域包括ケア病棟入院料1、地域包括ケア入院医療管理料1、地域包括ケア病棟入院料2、地域包括ケア入院医療管理料2、地域包括ケア病棟入院料3、地域包括ケア入院医療管理料3、地域包括ケア病棟入院料4及び地域包括ケア入院医療管理料4に含まれるものとする。

    コロナ患者と地域包括ケア病棟の対象患者に算定する入院料について、地域包括ケア病棟入院料で算定は可能と考えます。

    これまでのコロナに対する臨時的な取扱いにおいても、入院基本料あるいは特定入院料を算定している病棟にコロナ感染症患者が入院した場合、通常の患者は従来通りの入院基本料等での請求で、コロナ対象患者は臨時的な取扱いで定められた入院料および加算での算定が認められています。
    一般病床ベースの地域包括ケア病棟にて、一部病床に新型コロナ患者を受入した場合、
    「通常の地ケア対象患者については従来通りの地域包括ケア病棟の基準に基づいた算定」、「コロナ感染症患者については、地域包括ケア病棟入院料での算定か地域一般入院基本料のいずれかで算定」 とすることができます。
    地域包括ケア病棟を持つ病院で、一部にコロナ感染症患者を受け入れて、上記のように算定をしている病院は、これまでもいくつも存在しております。
    2023年5月8日から、新型コロナウイルス感染症が5類移行するのに伴い、コロナ患者に対する臨時的取り扱いの規定内容が若干修正されております。
    当協会ホームページに、5月8日以降の新型コロナウイルス感染症および疑似症患者等に対する入院基本料や加算等をとりまとめた一覧表を掲載しておりますのでご参照下さい。
    ●一般病床で地域包括ケア病棟入院料を届出している病院の場合で、新型コロナウイルス感染症を受入した場合の入院料や加算は以下の通り。
    (地域包括ケア病棟入院料で算定する場合)
    ・地域包括ケア病棟の特定入院料+2類感染症患者入院診療加算(250点)+2類感染症患者療養環境特別加算(個室:300点、陰圧室:200点)+在宅患者支援病床初期加算(300点、14日間)+2類感染症患者入院診療加算(250点):疾患別リハ実施時に併算定可+抗ウイルス剤の薬剤料のみ   ※その他の処置や検査等は包括となり、出来高算定できません

    (地域一般入院料で算定する場合)
    ・地域一般入院基本料(13対1)+2類感染症患者入院診療加算(250点)+2類感染症患者療養環境特別加算(個室:300点,陰圧室:200点)+2類感染症患者入院診療加算(250点):疾患別リハ実施時に併算定可+救急医療管理加算1(950点)×2+救急医療管理加算1(950点,14日間):高齢者施設等からの受入患者対象、入退院支援加算1・2届出医療機関のみ   ※上記は中等症Ⅰの場合。中等症Ⅱの場合は救急医療管理加算1×3となる。

    その通りです。
    地域包括ケア病棟に新型コロナウイルス感染症(疑以症)患者を受入した場合には、都道府県による受け入れ確保病床の有無に関わらず、新型コロナウイルス特例措置の加算が算定可能となります。
    以下にご参照頂きました当協会のホームページの「地域包括ケア病棟における新型コロナウイルス感染症および疑似症患者、回復患者の入院料や加算について」に、算定できる入院料・加算点数を表にまとめたものについて解説させて頂きます。
    地域包括ケア病棟に新型コロナウイルス感染症患者を受入した場合には、①元となる医療法上の病床が一般病床か療養病床か、②都道府県によるコロナ受入確保病床の有無
    の2点によって、算定できる入院基本料が決められています。
    療養病床がベースとなっている場合、都道府県による受入病床確保が無い場合には、一般病棟特別入院基本料では算定ができず、地域包括ケア病棟の特定入院料での算定のみとなります。
    一般病床がベースの場合は、地域包括ケア病棟入院料か地域一般入院料のどちらでも算定ができます。(医療機関の選択による)
    加算項目については、地域包括ケア病棟入院料か地域一般入院料で異なり患者の重症度によっても算定できる項目が異なりますので、詳しくは表をご参照下さい。
    地域一般入院料か地域包括ケア病棟入院料かいずれかの入院基本料を選択するに当たっては、出来高項目を算定できるかどうかが大きな違いとなります。
    地域包括ケア病棟入院料の場合、コロナ治療に必要な高額な点滴・薬剤や検査項目はほとんどがまるめとなって算定できないため、地域一般入院料で算定される病院が多くなっております。

    本件質問に関する事は、当時の筆頭医療課長補佐と確認作業を行って表の様な解釈となりましたので、ご了解頂ければ幸甚です。
    各厚生局のローカルルールもあるとは思いますが、コロナ診療が随分変化した現状では軽症は入院しない立て付けになっていますので、軽症かどうかを問うことはあまり意味がなくなってしまったと感じています。

    50人の入院患者の場合(3交代)
    50÷25=2   1日:2人×3=6人  1日必要勤務時間数:6人×8時間=48人時間
    48人時間/日 満たす人員配置が必要
    看護補助者(みなし看護補助者除く) 25対1 の配置となりますので 6人(最低)必要となります。

    日勤 2 3 5 6
    準夜 2 2 1 0
    深夜 2 1 0 0
    計  6 6 6 6

    貴院の地域包括ケア病棟をコロナ患者の受入病棟として運用することとなった点については、令和2年8月31日付の事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)」に臨時的な取扱いを行う項目や臨時的な取扱いの対象となる医療機関等が取りまとめられています(添付ご参照)。
    その中の、「1.(2)臨時的な取扱いの対象となる保険医療機関等の ①ア 新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた保険医療機関等」の記載があるものに該当すると考えられます。
    「2.(1)対象医療機関等に該当する場合は、・・・当該要件を満たさなくなった場合においても、直ちに施設基準及び届出基準の変更の届出を行わなくてもよいものとする。」から、新型コロナ感染症により、職員の欠勤により地域包括ケア病棟への職員配置が施設基準上求められる人員数を満たすことができない等でリハビリ実施が困難な状況であれば、実績要件を満たしていなくても良いこととなります。
    但し、その期間においては新型コロナ感染症で臨時的取扱いの対象となっている状況であることを証明できる記録を備えておくことが必要です。

    あと、当協会の「補完代替リハビリテーション(CARB)」についてご活用を検討頂き、ありがとうございます。
    補完代替リハビリテーション(CARB)は診療報酬には規定がなく、1日2単位以上のリハ実施としてカウントすることはできませんが、リハ点数が包括化されている地域包括ケア病床(病棟)の主に廃用症候群・認知症患者のADL向上に積極的に取り組むリハとして、当協会で推奨しているものです。
    患者が必要とするタイミングで時間・単位・場所に縛られることなく、柔軟に提供できるリハとなります。当協会が考える補完代替リハビリテーション(CARB)についての資料を添付していますので、疾患別リハと別時刻に併用できますが同時の実施はできないなど運用上の注意点にもご留意頂きながらご活用願います。

    「補完代替リハビリテーション(CARB)」に対するQ1~Q3への個別回答は次の通りです。
    (Q1への回答)包括的指示とは,患者の状態に応じて柔軟に対応できるよう、対応可能な患者・病態変化の範囲を明確にし,リハ職員が理解し得る内容であることなどの要件を満たした上で,リハ職員が実施すべき行為を一括して指示することです。

    (Q2への回答)ご質問に記載のある通りの記録内容で十分です。

    (Q3への回答)地域包括ケア病棟ではリハを提供する患者については疾患別リハを平均2単位以上の実施が求められています。地域包括ケア病棟を届け出る際には、地域包括ケア病棟入院料等のリハビリテーションの基準に係る届出添付書類(様式50-3)の提出が求められる上、適時調査でリハビリテーションの実施の有無を確認されますので、最低限の疾患別リハビリテーションの実績は必須です。数が少なすぎればその理由を問われると思います。そのため補完代替リハビリテーション(CARB)のみの実施では施設基準を満たせないと考えますのでご留意ください。

    療養病床がベースとなる地域包括ケア病棟にて新型コロナウイルス感染症患者を受け入れした場合、以下のいずれかの入院料によって公費を適用した請求ができます。
    1.地域包括ケア病棟入院料で算定する場合(患者の重症度にかかわらず算定可)
    地域包括ケア病棟の特定入院料+在宅患者支援病床初期加算(300点、14日間)+2類感染症患者入院診療加算(250点) が算定できます。更に疾患別リハビリを実施した患者には、
    2類感染症患者入院診療加算(250点)を併算定することができます。
    ただし、薬剤や処置等の出来高項目については包括となりますので、ラゲブリオ等の使用した薬剤の算定はできません。
    2.一般病棟 特別入院基本料で算定する場合(都道府県によるコロナ患者受入確保病床がある場合のみで、中等症以上の患者で算定可)
    一般病棟入院基本料のうちの特別入院基本料+2類感染症患者入院診療加算(250点)+救急医療管理加算(950点)×4(中等症Ⅱ以上は×6)+薬剤・処置等の出来高項目 が算定できます。更に疾患別リハビリを実施した患者には、2類感染症患者入院診療加算(250点)を併算定することができます。

    当協会のホームページに「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その 32)(その33)(その 34)の解釈について」として、取りまとめたものがありますので、そちらもご参照願います。

    地域包括ケア病棟からコロナ専用病棟に転棟させた患者を、再度地域包括ケア病棟に戻すことについてのご質問ですが、新型コロナウイルス感染症に係る特例的な措置の中に、そうしたケースでの通知は出ておらず 、原則に則った従来通りの算定を行うことしかできません。
    地域包括ケア病棟入院料などの特定入院料は、通則に「1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。」とある通りで、一般病棟などに転棟した後に地域包括ケア病棟に再転棟する場合は、地域包括ケア病棟入院料の算定要件に該当しない患者の算定方法(一般病棟等であれば特別入院基本料、療養病棟等であれば療養病棟入院料1)となります。
    尚、病名が異なる場合認められるケースも地域によってはあるようですので、当地の厚生局にご確認下さい。

    その他

    高齢化の進展による今後増え続ける高齢者の救急医療を受け入れ、体制の整備が喫急の課題となっており、高齢者救急の受け皿として「地域包括医療病棟入院料」が新設されました。
    当初は、「地域包括ケア病棟」でこれらの高齢救急患者に対応することが検討されていましたが、同病棟の看護職員配置が13対1であることから「難しい」などとする意見が出ていました。
    その基本的な考え方は「地域において、救急患者等を受け入れる体制を整え、リハビリテーション、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に担う病棟」というものです。
    高齢者全般の軽症・中等症等救急対応を主とし、三次救急医療機関等からの下り搬送受入(施設基準要件:15%以上)、院内転棟(施設基準要件:自院の一般病棟からの転棟割合5%未満)の規制を設け、早期の在宅復帰を目指す「高齢者救急の専門病棟」と言えます。
    看護職員配置は10対1で、同じく10対1である急性期一般入院料「2」~「6」からの転換や、重症度医療看護必要度が保持できない急性期一般1からの転換、地域包括ケア病棟からの転換も見込まれています。

    一方、地域包括ケア病棟は入院料の逓減制導入や介護施設との連携、救急患者の受入強化が盛り込まれ、急変した居宅や介護施設の高齢虚弱・かかりつけ患者を、いわゆるサブアキュート(軽度急性期)として受入れ、自院・他院のポストアキュート、在宅復帰支援を加えた3つの病棟機能を担います。これまで同様地域包括ケアシステムを支える重要な役割を担っている事には変わりはありません。
    機能の違いはあるもののどちらも高齢者救急の救世主としての役割りに期待されています。
    後期高齢者がさらに増える中地域包括ケアシステムを支える上で、地域包括ケア病棟や地域包括医療病棟は重要な役割を担う病棟です。組み合わせとしては急性期一般病棟と地域包括医療病棟のほか、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟との組み合わせ等も考えられるでしょう。
    いづれにしても地域の医療状況等を踏まえた中で自院の体制や他医療機関の動向など勘案してどのような患者を診るべきかしっかり対策を考えることが必要だと思います。

    参考までに
    地域包括ケア病棟協会では、2024年3月 「2024年度地域包括医療病棟に関する緊急調査」を行いました。 (2024年3月28日協会ホームページ掲載(会員専用ページ))
    調査結果では、地ケア病棟を有する病院のうち2024年10月までに転換すると回答したのは5病院、内3病院が急性期一般病床を有していました。
    転換しないと回答したのは48病院、検討中・未定は59病院でした。
    検討中・未定と答えた病院は、全身麻酔年間60件以上、救急患者受け入れ999件以下の病院が約9割を占めておりました。こういった病院では、地域での高齢者救急の状況を見極めつつ、全身麻酔の手術件数が維持できるならば急性期一般入院料を維持する一方、全身麻酔の予定手術件数が減ってきた場合は地域包括医療病棟へ移行することも考えられます。

    ご質問について2つの見解が考えられましたので2つ回答させて頂きます。

    1. 障害者施設等入院基本料44床のなかで、22床より多く地域包括ケア病床をもてるか
    ベースとなる入院基本料の範囲内であれば、特段上限の基準はなく、地域包括ケア病床にすることは可能です。
    (障害者病棟44床:地域包括ケア病床43床 非地域包括ケア病床1床でも可)

    2.障害者施設等入院基本料44床の病床数以上の地域包括ケア病床(45床以上)をもてるか
    前提として、入院料の施設基準届出の際に、平面図にて病棟および病棟ごとの病室・病床数や付帯設備の構造を明示した上で、許認可を得て運営可能となっています。
    以上より、地域包括ケア入院医療管理料のベースとなる障害者施設等入院基本料44床が、当該病棟で許可を得ている病床数の上限となりますので、43床が上限です。
    当該病棟で許認可を受けた44床以上の病床を利用したい場合には、当該病棟の病床数の変更について許可申請を行う必要があります。
    上記のような制限がございますので、障害者施設等入院基本料44床以上の増床をご検討されていらっしゃるのであれば、地域包括ケア病棟(44床)での届出もご検討されてはいかがでしょうか。


    当協会のスタンスは、「レスパイトケアは、障害者病棟や医療療養病棟、介護施設の本分であり、地域包括ケア病棟の主たる取り組みとは言い難い」としています。
    単なる介護のレスパイト入院が多いと、どうして介護施設に入れないのか、ショートステイ等利用できないかと言われかねません。

    レスパイトとは、一時的中断、休息、息抜きを意味します。
    レスパイト入院とは、常時医療管理が必要な方が在宅で療養されており、介護者の事情(病気や事故・冠婚葬祭・旅行など)や、介護者が肉体的・精神的な負担により疲れを感じた際に、期間を設けた短期入院の受け入れを行い、介護者の負担軽減(息抜き)を目指す仕組みです。

    入院加療として受け入れるには、医療依存度が高かく、入院加療が必要であることの根拠が示せればよいと思います。
    事例1~5の事例は、医療依存度が高く入院加療が必要である根拠は示せるかと思います。
    事例6.7の事例は、医療依存度が高いとは言い難く入院加療が必要であるとは言えないと思います。


    こちらの図で示しております①から③につきましては、地域包括ケア病棟がどのような機能を発揮しているかではなく、地域包括ケア病棟を届け出ている病院がどのような機能を持っているかについて言及しています。①急性期CM型は急性期一般病床以上の急性期病棟を届け出ている病院です。多くの病院では地域包括ケア病棟に入る患者は自院PAが主となりますが、2022年度改定でsc. SAや他院PAが増えると見込んでいます。また②PA連携型は、施設全体として実患者数の概ね半分以上が他院PA患者としていますが、地域包括ケア病棟では他院PAを受け入れている病院がほとんどですが、やはり2022年度改定でsc. SAを主に受け入れている病院も増えると予想しています。③地域密着型は①でも②でもないという定義で、主に日常生活圏域の軽症急性期患者を受け入れますが、急性期や地域一般病床を持っている場合は地域包括ケア病棟が自院や他院PAを、地域包括ケア病棟が最も急性期よりの病棟ならsc. SAが中心となります。
     地域包括ケア病棟を有する病院は、必ずこの①から③の3つのうちいずれかの病院機能を担っています。全病棟・病室が地域包括ケア病棟(病室)である④地域包括ケア病院は、機能ではなく、形態の分類になります。詳しく書くと形態分類は○a地域包括ケア病棟だけの病院と○b地域包括ケア病棟+他の病棟種別を届け出ている病院の2つに分けられます。したがって組合せとしては、○a①、○a②、○a③、○b①、○b②、○b③の6つになりますが、①は定義上急性期一般病棟が必ず存在するので○aにはなり得ません。したがって、○a②、○a③、○b①、○b②、○b③の5つが存在し、○a②、○a③が④に相当することになります。しかし、この様に分類するとかえって複雑になるので、①②③の機能分類と特殊型として④地域包括ケア病院の立て付けにしました。その上で④は機能的には②か③になるとしました。

    当協会では、厚生労働省が定義した地域包括ケア病棟の3つの役割(①急性期からの受け入れ、②在宅療養患者の受け入れ、③在宅復帰支援)と、ご参照頂きました当協会資料「地域包括ケア病棟の病棟機能と地域包括ケア病棟を有する病院の病院機能」(2019.8.30改定版)で、病棟機能と病院機能の2つの側面から類型化を行っております。しかし、現在当協会では以下の様に分類しています。①急性期からの受け入れ→ポストアキュート(PA)機能、②在宅療養患者の受け入れ→いわゆるサブアキュート(sc. SA)機能、③在宅復帰支援機能。2019.08.30のP9やP11の図と若干異なります。改定版は今後更新する予定です。
     今回のご質問は、「次の4分類(①急性期ケアミックス、②ポストアキュート連携型、③地域密着型、④地域包括ケア病院)が①から③と④の2つに分類しているが、①と②、③と④との分類するケースもありますか」との内容で、協会資料P15の「図11 地域包括ケア病棟を有する病院の3つの病院機能と地域包括ケア病院」で示した4区分についてのお問い合わせと理解しました。

    産科の入院料は自費であり、その設定は病院に委ねられております。また、「特別療養環境室」に対応しているなら病院として設定している差額ベッド料金も別途請求できます。
    日本全国においても地域差があり、最大20万円程度の開きがあるとも言われております。近隣の相場も参考にしながら料金設定されることをお奨めいたします。
    なお、地域包括ケア病棟入院料を自費請求される場合は、下記の点をご注意下さい。
     ・機能の異なる病棟で産科入院を受け入れた場合、人によって入院料に差異が生じます。
     ・帝王切開等に切り替わった場合、保険適応となり地域包括ケア病棟では検査料等が包括となります。(手術・麻酔は出来高請求可)
     ・地ケア病棟で産科をする場合には、重症度、医療・看護必要度は外れますが、看護単位は地ケア病棟のまま守る必要があります。
     ・在宅復帰率については、もしかすると厚生局によっては、入院料管理料1・2であれば7割を守らなければならないかもしれません。
      ご心配な点がございましたら管轄厚生局へお問い合わせいただくことをお勧めいたします。

    「2020年度の診療報酬改定で400床以上の病院に対し自院からの転棟率6割以上減算のルールが導入されましたが、次回以降の改定でさらに病床数の基準が下がるかどうかという見通し」については、2つの視点があると思います。
    1つ目は骨太方針2019や2019.12.19 全世代型社会保障検討会議 中間報告(案)に記載された「大病院を外来受診した場合に(中略)定額負担を求める制度について(中略)対象病院を病床数200床以上の一般病院に拡大する」という考え方が、地域包括ケア病棟を届け出ることのできる上限病床数400床に影響を与えるかどうか。
    同時に2019年度末までに地域包括ケア病棟を届け出ていた400床以上の病院において、自院からの転棟率6割以上減算のルールの病床数に影響を与えるかどうか。
    2つ目は以下の通知が出たので、統合・再編については400床以上はそのまま継続となるのかどうか。
    「地域医療構想調整会議において再編又は統合を行うことについて合意が得られ、許可病床数 400 床以上となった病院であって、次のいずれにも該当するものについては、地域包括ケア病棟入院料2又は4に係る届出を行うことができる」厚労省ホームページ
    <https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000641168.pdf>
    新型コロナウィルス感染症対策と地域医療構想との兼ね合いや 経済財政諮問会議・骨太方針2022 等の様々な要因があり、残念ながら明確にお応えできません。しかし、必要以上に改定のたびに病床時基準が変わる事のないように協会としては提言し続けたいと思います。

    地域包括ケア病棟の中で、緊急の入院や予定入院、急性期後の入院をそれぞれこういう比率にしなさいやこういう疾患が入ってはいけないという要件はございません。そのため、レスパイト入院や糖尿病教育入院、手術等の患者さんを沢山診ることも現状ではできます。しかし、この様な病院が増えてくれば、将来何らかの規制がかかることも考えられますので、レスパイト入院ばかりにならないよう工夫していただくと安心です。
    少し気になりますのは、単なる介護のレスパイト入院が多いと、どうして介護施設に入れないのだと、言われかねませんので、協会としては、医療必要度の高い方のレスパイトケアをうたっています。例えばインスリンを使っている、吸痰をかなり頻回にしなければならない、レスピレーターを使用しているといったような医療療養病棟でいう医療区分の高い患者さんなどを診られれば問題ないと考えます。
    また、中医協の資料の中にもありますが、特定入院料の病床機能上、地域包括ケア病棟は、急性期・回復期とは実線で、慢性期とは破線で結ばれていますので、医療必要度の高いレスパイトの方は慢性期の病床区分になると思います。
    以上より、他のポストアキュート機能やサブアキュート機能を増やす工夫をしつつ、安心して医療必要度の高い方のレスパイトを受けていただければと思います。

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