地域包括ケア病棟協会

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【シンポジウム2】第7回

 

    【シンポジウム2】

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    地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションへの取り組み

     

    【座長】
    仲井 培雄(地域包括ケア病棟協会 会長/医療法人社団 和楽仁 芳珠記念病院 理事長)

    【シンポジスト】

    合歓垣 洸一(医療法人社団 和楽仁 芳珠記念病院 リハビリテーション室副主任 作業療法士)
    春原 正志(医療法人 大誠会 内田病院 リハビリテーション部理学療法科長)
    小林 昂将(医療法人社団 大和会 多摩川病院 リハビリテーション部 主任)
    藤川 智広(社会医療法人 石川記念会 HITO 病院 リハビリテーション部)

    【討論】
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    【座長】

    ○仲井培雄 皆さん、こんにちは。

     それでは、最後のセッションになります。シンポジウム2「地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションの取組」について始めたいと思います。

     もしかしたらあまり聞き慣れていない方もいらっしゃると思うんですけれども、地域包括ケア病棟の補完代替リハというのは、主に生活支援型医療における廃用症候群、認知症モデルの疾患別・がん患者リハを補完し、代替するリハビリテーションというふうに思っています。

     まず、私から簡単なスライド説明を10分ほど提供いたしますので、よろしくお願いいたします。

     それでは、スライドをお願いいたします。

     地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションへの取組について、少し基本的な情報を押さえたいと思いまして、スライドを作りました。

     これは目次です。

     まず、リハビリテーションとは。

     「回復期のリハビリテーション医学・医療テキスト」によると、リハビリテーション医学とは、ヒトの活動を育む医学とされています。リハ診療は、まず検査や評価に基づいて活動の予後を予測し、リハ診断をします。次に、その活動の最良化を目指してゴールを設定しリハ処方を作り、リハ治療を行います。社会活動のリハ支援を行い、QOLを最大限まで高めることを目指すというものです。

     次に、石川誠先生から頂いたお言葉で、病棟のリハビリは24時間365日患者のそばにいる看護師がしていると教わりました。幾ら感謝してもし足りない。急逝された石川誠先生、この場をお借りして御冥福をお祈り申し上げます。

     リハに関する診療報酬の推移です。

     2000年回リハ病棟が創設され、2002年複雑・簡単から個別・集団になり、2004年亜急性期病床が創設され、2006年疾患別リハが設定され、2010年がん患者リハが新設され、2014年急性期病棟のADL維持向上等体制加算が作られ、同時に地域包括ケア病棟が創設されました。

     回リハ病棟の施設基準についてです。

     回復期のリハビリテーションを専門に実施するためにリハを提供すると理解しています。医師の専任常勤、複数の常勤POST、専任常勤の管理栄養士のストラクチャー評価と、様々なリハに関するプロセス評価、リハに関する実績部分のアウトカム評価があります。

     急性期一般病棟などにおけるADL維持向上等体制加算の概要です。

     専従のリハ専門職を配置し、急性期からの早期のリハビリの実施を促し、質や密度の高い介入を行っている病棟を評価します。入院してから14日間算定できますが、疾患別リハを始めると届出をできません。取組内容は、かなりリハマネ的な要素も含まれます。そしてアウトカム評価もあります。

     次に、地域包括ケア病棟の生い立ち。

     我が国の高齢化の課題です。高齢者の特性で医療が変わります。1990年代、団塊の世代がばりばり働いていた頃は多くの病気が治せていた頃ですが、団塊ジュニアが75歳以上になる2050年になりますと、多くの病気を治せなくなる頃になります。治す従来型医療と脳卒中モデルのリハから、治し支える生活支援型医療と廃用症候群・認知症モデルのリハへと転換が進みます。その際、サルコペニアや認知症、ポリファーマシーの有害事象などのリハビリ阻害因子を軽減する取組が必要となります。

     厚生労働省は2014年に、地ケア病棟の役割を、急性期治療を経過した患者及び在宅において療養を行っている患者などの受入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、地域包括ケアシステムを支えると定義しました。軽症急性期から回復期までの多彩な疾患を受け入れて、効率的なリハの提供と、60日の算定期間内に在宅復帰できるよう、多くの項目が包括算定となっています。

     地域包括ケア病棟の施設基準です。

     地域包括ケアシステムを支えるためにリハを提供すると理解しています。リハに関してのアウトカム評価はありませんが、ACPに取り組まねばなりません。200床未満は、入院料、管理料1、3を届け出られ、地域包括ケアの実績等が求められますが、200床以上、

    400床以上と、だんだんと病床数が多くなるにつれて様々な制約が増えていきます。いろんな多職種協働は加算で評価されます。

     5月届出までの地方厚生局データの解析資料から、地域包括ケア病棟を算定している病院は2,697病院、9万5,319床と、回リハ病棟を上回っています。

     次に、補完代替リハビリテーションです。

     地ケア病棟のリハに求められることは、ストラクチャーとして常勤のリハ専従者を1名以上配置すること、プロセスとして患者の入棟時に測定したADLスコアを参考に、リハの必要性を判断・説明・記録すること、プロセスとしてリハを提供する患者について1日平均2単位以上、疾患別・がん患者リハを提供していることであります。しかし、アウトカム評価はございません。

     地域包括ケア病棟の患者層は、軽症急性期から回復期を占めていますので、ここに書いてあるような多種多様なリハが主に取り組まれるべきものであります。しかしながら、疾患別リハ、がん患者リハ、摂食機能訓練だけが地域包括ケア病棟で診療報酬上取り上げられています。

     また、当協会調査により地ケア病棟と回リハ病棟を比較しますと、地ケア病棟のほうはPT、OT、STともに一床当たりの担当者は少ないです。また、脳血管リハが少なく、廃用症候群リハが多いという結果でありました。リハ診断、リハ治療、退院後リハ支援の段取りなどについて、リハ療法士にはリハ包括算定のもとで効率的な診療支援が期待されていると理解しています。

     地域包括ケア病棟の包括算定リハです。

     疾患別・がん患者リハと補完代替リハに分類されます。補完代替リハは、包括算定を活かし、時間・単位・場所に縛られません。POCリハ、集団リハ、院内デイ、自主練習指導、運動療法指導に分けられます。

     POCのポイント・オブ・ケアとは、療養中の患者の傍らを表します。OTは個別のADL訓練、PTは個別の廃用・褥瘡予防と機能回復訓練を行います。患者の傍らで個別に短時間、状況に応じてしているADLを訓練するものです。

     補完代替リハの注意点は、主治医が包括的指示として処方し、療法士が実施します。リハの記録は分単位で必要ですし、勤務時間として計算します。疾患別・がん患者リハと同時実施はできませんし、1日平均2単位以上のリハにも含められません。摂食機能療法やDPCから転室・転棟してくる患者さんは出来高リハですので、ここには含まれません。また、補完代替リハは診療報酬上規定されていない、当協会独自のリハ治療となります。

     補完代替リハを定義しました。

     ここに書いてあるようなリハを疾患別リハに加えて行っている場合は補完リハ、疾患別リハを行わないでこれらのリハだけを行っている場合は代替リハと呼んでいます。

     取組としては、補完代替リハは半分弱の施設で取り組まれていました。POCリハの取組は全施設で2割強、そのほか、自主トレと運動療法指導も2割を超えていました。

     これは地域包括ケア病棟の包括算定リハ実施の患者調査ですけれども、疾患別・がん患者リハの実績6割弱よりも、実際に提供されている地域包括ケア病棟の包括算定リハは、補完代替リハのみの5%が上乗せされまして、6.5割弱となりました。補完代替リハは1.5割弱の患者に実施されていました。

     POCリハをしてよかった点です。短時間、低負荷の介入、「できるADL」から「しているADL」へ移行、患者の普段の病棟での生活状況が把握できる、病棟他職種で介助方法が指導しやすい、これが5割以上。5割未満では、認知症者に介入しやすい、患者家族に伝達しやすい、疾患別リハにプラスして相乗効果が期待できる、疾患別リハを効率化できる、オンデマンドの介入、疾患別リハ担当者以外の視点が入るし、効率的に患者に介入できるというものであります。また、継続に必要なことは、マンパワーの充実と診療報酬上の評価、他職種の理解であります。

     次に、DPC病院における地域包括ケア病棟・病室のリハマネについて。

     DPCから自院地ケアへの転室・転棟は、転室患者はこれまでどおりDPCの入院期間Ⅲまで、転棟患者は2020年度から入院期間ⅡまでDPCを継続します。したがって、算定期間中、リハはずっと出来高になります。

     患者A、要介護度2、75歳女性、L1腰椎圧迫骨折の方が地ケア病棟に直接入院した場合、包括算定リハにはなりますが、Aと同様の患者B、DPC病棟から地ケア病棟に転棟してきた場合は、入院期間Ⅱまで出来高リハ、それ以降は包括算定リハとなりますので、この2人に差が出ないようなリハマネが必要となります。

     地域包括ケア病棟におけるリハを提供した患者の状況です。昨年の4月から9月までの間です。DPC対象の有無にかかわらず、1日平均リハは単位数は同等でした。前1年と平均を比較すると、DPC対象病院ではリハが0.5単位増加しましたが、DPC非対象病院ではほとんど変化はありませんでした。しっかりとリハマネができていると思われます。

     次に、新型コロナウイルス感染症対策。

     患者一人当たりの介入密度の変化は、昨年3月以前と比較して、4月以降はケア、リハ、栄養管理、薬剤管理の全てにおいて、コロナの入院患者受入れあるいは受入れなしに比べて10ポイント前後減っていました。

     コロナ禍の入院におけるリハは、訓練は休んだり、個室隔離した上でベッドサイドでPPEを使って対応するということが上げられますし、また、3つの密を避けるためになるべく病室・病棟でして、その担当する数を減らす。そして集団訓練はなるべくしない。また、濃厚接触を防ぐために、15分以内のPOCリハが有効かもしれません。

     コロナ患者の隔離中に遠隔リハが有用という報告が藤田医科大学から出ています。セラピストが、このようにアニメーションを使って患者を遠隔で指導いたします。1回20分ぐらいですが、体の動かし方がわかりやすい、安全に運動できるなど、双方に好評で有用性が期待されています。

     御清聴ありがとうございました。

    それでは、私の最初のブリーフィングが終わりましたので、続きまして各演者の発表をお願いしたいと思います。

     

    【講演 1 】
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    入院から退院までを効率的に支援するPOCリハの取り組み

    合歓垣 洸一(医療法人社団 和楽仁 芳珠記念病院 リハビリテーション室副主任 作業療法士)

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    ○合歓垣洸一 

    「入院から退院までを効率的に支援するPOCリハの取組」について発表いたします。

     芳珠記念病院作業療法士の合歓垣洸一です。よろしくお願いします。

     COIは、ありません。

     目次に示す流れで説明します。

     初めに、地域包括ケア病棟の包括算定リハビリテーションについて、次に、ほうじゅグループと当院の概要、当院のPOCリハビリテーションと情報共有について、最後に、当院で実践しているPOCリハビリテーションの実際について、動画などを用いて説明します。

     まずは、地ケア病棟における包括算定リハビリテーションについてです。

     会長もお示しいただきましたが、今回は、療養中の患者の傍らで行うPOCリハについて説明します。

     簡単なおさらいとして、地ケア病棟のリハに求められることをまとめました。

     地ケア病棟では、常勤のリハビリテーション専従者を1名以上配置すること、入棟時のADL評価を参考に、リハの必要性を判断・説明・記録すること。リハを提供する患者について、一日平均2単位以上提供することが求められます。

     このことから、地ケア病棟にはアウトカムは求められていませんが、専従者はリハビリテーションの視点から病棟患者全体のADLを把握して、リハの必要性を評価し、疾患別・がん患者リハビリテーション介入量の管理を行う必要があります。

     地ケア病棟の専従者の働きは、仲井会長がお話しされた、急性期一般病床で算定できるADL維持向上等体制加算と類似しています。

     次に、ほうじゅグループと当院の概要について説明します。

     当院は人口約5万人の石川県能美市にあり、地域を支える中核病院です。住みよさランキングも上位であり、医療・介護の需要は伸びることが予想されています。

     能美市において、中核となる医療法人社団和楽仁には、芳珠記念病院と介護医療院、訪問看護ステーションがあります。社会福祉法人陽翠水は、介護老人保健施設、通所リハ、通所介護、訪問介護、小規模多機能型居宅介護、養育や保育、地域ケア包括支援センター、配食サービスなどを担っています。これらをほうじゅグループと総称しています。

     当院の概要について。2021年1月時点の病棟編成です。一般病床200床のうち、急性期機能が中心の地ケア病棟と回復期機能が中心の地ケア病棟の2病棟があります。セラピスト数は62名で、12名はグループ内に出向しています。

     受入経路と機能別に見た患者の割合です。主にCOVID19疑い患者を受け入れる協力医療機関として地ケア病棟に7床の病室を構えたために、救急搬送の受入れが増えて、在宅等緊急受入れが42%と、ポストアキュートを逆転して一番多くなりました。

     当院の地ケア病棟の概要です。当院には地ケア病棟は2病棟あり、それぞれ病床機能報告の急性期機能として届け出ている4階病棟と、回復期機能として届け出ているB1階病棟があり、急性期機能の病棟では重症度、医療・看護必要度が高く、在院日数が短い傾向を認めました。

     リハ処方の有無と疾患割合です。どちらも7割から8割程度で、リハ処方なしでは白内障やトータルCS等の検査入院も含んでいます。回復期機能の地ケア病棟は、急性期機能と比べて骨折等の整形外科的疾患が多く、COVID19疑い患者を含む肺炎や泌尿器疾患、悪性新生物が少ない傾向にありました。

     また、参考として、当院の地ケア病棟リハ患者の運動FIM利得を、20年度の診療報酬改定前後で比較しました。当院では、改定前後の運動FIM利得や退院時の運動FIMは同等の結果となっています。また、地ケア病棟では、転棟・転室に伴い一部出来高期間が発生することや、COVID19の影響を考慮しながら必要な人に必要なリハを提供するため、リハマネジメントがより重要になってくると考えます。

     次に、当院のPOCリハビリテーションと情報共有について説明します。

     先ほどもお示ししましたが、当院の地ケア病棟2病棟のうち、急性期機能を持つ4階病棟では、PTによるPOCリハとOTによるPOCリハを実施しています。PT-POCリハは、地ケア病棟の施設基準上の専従登録者が1日2時間程度、不定期に実施しています。OT-POCリハは、病棟配属のOT5名のうち1名が日替わりで月から金まで、昼食前後のADLに直接介入しています。PT、OT、いずれの実施者も、疾患別リハも実施しています。

     回復期機能を持つB1病棟では、OT-POCリハを、病棟配属されているOT5名のうち1名のOTが日替わりで常駐し、早出勤務と遅出勤務で対応しています。なお、当日POCリハ担当のスタッフは、その日は疾患別リハを実施していません。

     このように、しているADL場面でのアセスメントを行いながら、病棟でのADLレベルを随時更新し、短い入院期間でのゴールを目指します。また、看護師・介護職は、回復期リハビリテーション病棟でのリハケアに相当するような介入も実施しています。

     続いて、OT-POCリハの説明に移ります。

     OT-POCリハは、ADLが自立していない患者を対象に、病棟でのADL場面に繰り返し介入を行います。また、ベッド周囲の環境調整や、病棟スタッフ、家族への介助方法指導、離床の誘導も行います。認知症患者においては、認知症患者の生活能力を維持・向上させるリハの原則にのっとり実践しています。期待される効果としては、疾患別リハ以上に実際の動作と家族や環境に直接介入を可能にし、自立度の向上に貢献できること、自宅での生活と介護に対する家族・患者の不安を安心に変えることができると考えます。

     PT-POCリハの対象者は、疾患により入院前に比べてADLが低下している患者、廃用症候群の患者またはその可能性がある患者です。実施内容は、ADL維持向上等体制加算と同様に、廃用症候群予防に早期介入、身体機能の低下予防や褥瘡予防のためのポジショニング、転倒転落に対する環境調整を多職種協働で推進します。期待されることは、予防理学療法としての効果です。

     次のスライドは、POCリハを導入する前の関係性を表したものになります。一般的には、疾患別・がん患者リハとケアの間でのカンファレンスによってADLの能力やその方法が共有され、病棟での実践を行っていきますが、「できるADL」と「しているADL」に乖離、いわゆるADLギャップが生じることはよく経験します。POCリハは、その乖離を解消する役割として両者の間に入り、病棟ADLに介入していきます。ここでは、しているADLの評価が重要です。

     なお、当院では、補完代替リハのうち、補完リハがほとんどです。疾患別・がん患者リハ担当者からは、POCリハ担当者に対してできるADLレベルと問題点の共有を行います。POCリハ実施者は、その課題の顕在化や環境調整、できる能力の拡大を図ります。そして、課題の共有やADLレベルの見直しを疾患別リハ担当者に返します。疾患別リハ担当者は、それをリハプログラムに反映します。リハスタッフとの協働においては、介入方法や環境設定の共有を行います。ケアスタッフも、「できるADL」に近いレベルで「しているADL」を実践するように関わります。

     POCリハで獲得したADL方法を生活の中に定着させていきます。ケアスタッフは、実用性や安全性、介護負担感、夜間の状況などのアセスメントをPOCリハスタッフに返していきます。そうすることで疾患別リハ担当者も生活場面での情報共有機会が増加し、三者の協働が推進されます。このように、疾患別リハとケアの間にPOCリハが入ることにより即時的にADLギャップを解消し、早期の退院が可能になると考えます。

     POCリハ導入前後の変化をまとめました。

     導入前は疾患別リハとケアのカンファレンスでADLギャップの解消を図っていましたが、導入後は両方を活かして共有しています。

     また、週間のスケジュールについて、導入前は、オレンジで示しているミーティングは、ADLの共有を疾患別リハ担当者のみで行い、黄色で示す整形外科やリハ科、脳外科といった医師を含むケースカンファレンス、緑色で示した病棟カンファや転棟予防ラウンド、早期・中間カンファレンスは退院支援の進捗状況や環境調整のためにリハや看護師、ライフケアワーカーなどで行っていました。加えて、ベッドサイドや病棟の生活場面での情報共有を行っていました。POCリハ導入後は、疾患別リハ担当者とPOCリハ担当者で行うPOCリハミーティングや朝礼で、ADLの共有を毎日実施するように変化しました。さらに、POCリハが病棟に入り込むことで生活場面での情報共有機会が増加しました。

     実際は、疾患別リハ担当者とPOCリハ担当者間でこのような情報共有シートを活用しています。疾患名や担当者、どのADL場面に介入してほしいか、目標やリスクを記入し、POCリハ担当者はこの用紙を持ちながら病棟での業務に当たっています。

     また、情報共有円滑化のため、ADLを視覚化した当院独自のピクトグラムをツールとして導入しています。看護師やライフケアワーカーが統一した介入ができるように、疾患別リハ、POCリハ担当者が目標と現状を見える化しています。また、環境設定の見える化をすることで、転倒転落の予防にもつながると考えています。

     さらに、当院は、リハ阻害因子を取り除く関わりとして、NST・認知症ケア・ポリファーマシー対策を行っています。情報共有の際も、ADLだけでなく、栄養、認知症ケア、薬の観点にも重点を置いて検討しています。

     次に、POCリハの実際について説明します。

     ADL介入時のPOCリハの主な視点を示します。疾患に応じたリスク管理としては、安静度や指示の把握、バイタルサイン、転倒リスクの把握、ADLの評価では、実際場面での自立度・介助量の評価、離床の拡大では、最大能力で実行するための機会の提供、環境調整では、転倒・転落予防と設備の選定、情報共有では、疾患別リハ担当者、看護師等との協働、家族への介助指導の検討などに着目して介入します。

     POCリハで介入するADLの主な項目は表のとおりで、主に介入することが多い項目、食事、排せつ、移動・移乗、整容について、今回は、先ほど示した視点を踏まえながら動画を用いてお示しします。

     まず、食事場面においては、この表のように分類して考えています。次に示す動画では、車椅子座位のポジショニング、体幹機能に伴うリーチ、机の高さや食具の選定が中心となります。

     食事場面のケアの様子です。70歳代の男性で、もともと右片麻痺、要介護3で、デイサービスを利用し、杖歩行を行っていました。今回は、転倒により右上腕骨骨折で入院となりました。左手スプーンで食事摂取をしていますが、仙骨座り、体幹はバックレストに寄りかかり左傾しています。また、机の高さが低く口元との距離もあり、器へのリーチ時に前方への体重移動が見られず、すくいにくい状況でした。

     次に、POCリハの介入の様子です。座骨への荷重と体幹前傾を促し、机を高くし、食器をすくいやすい器に変更することで自身での重心移動が可能となり、食べこぼしも減少しました。

     続いて、排せつの分類です。次の動画では、立位保持や移乗の際のステップができるかどうか、看護師が排せつ介助をする上での安全性や介助量、介助方法の共有が中心となります。

     排せつ場面のケアの様子です。症例は、90歳代の女性で、要介護4、もともと頸髄損傷で右片麻痺があり、小多居を利用、今回は右上腕骨骨折で入院となりました。立位保持は可能ですが、安全性を考慮し、看護師は2人介助で実施していました。このようにトイレ誘導の際には介助量が大きく、苦労している様子でした。

     POCリハの様子です。疾患別リハ担当者からの情報をもとに、立位保持と移乗の際のステップ練習を行いながら、患者のできる能力で実践します。リハケアを目指した看護師との協働の様子です。先ほどと同じ患者さんですが、POCリハと看護師と2人で実践しています。前半はPOCリハ担当者が行い、このように移乗やステップができるということを共有します。後半は看護師に実行してもらうことで看護師が自信を持ち、安心して実践できるように関わります。

     移動・移乗場面の分類です。今回は、病棟看護師より、右下肢免荷の患者さんに対する移乗方法の検討をしたいと依頼があり、POCリハで介入した様子を示します。2人介助の方法や食事、透析での離床、トランスファーボードの使用方法を踏まえて共有しました。

     移乗場面のPOCリハと指導の様子です。症例は、70歳代の女性で、要介護1、もともと透析通院を行っていましたが、外果骨折(免荷)となりました。このようにPOCリハが実践し、看護師に指導を行っています。

     次に、移乗場面のリハケアとして、今度は看護師の2人介助で移乗を実践しています。免荷中ですが、左下肢の支持を促しながらも、安全に離床できるようになりました。

     次に、整容の分類です。次の動画では、手引き歩行や立位での整容ができるように支援しています。食後の誘導や看護師へのリハケアも引き続き実践しています。

     整容・移動場面のケアの様子です。症例は、70歳代の女性で、左視床出血で入院されました。麻痺は軽度ですが、筋緊張の亢進を認めます。目標として、夫の手引き歩行で移動し、排せつや整容ができることとなりましたが、病棟では手引き歩行の介助量がわからず、車椅子を使用して洗面所に誘導していました。

     POCリハでは、手引き歩行で移動し、立位での整容を行っていました。洗面台の高さを調整しながら、動作がしやすい環境に設定しています。今後は自宅での環境も想定した介入が必要になってくると考えます。

     リハケアの場面です。病棟看護師へ実際の整容場面や移動場面を見てもらいながら、手引き歩行を指導しています。

     今回動画はありませんが、更衣動作の分類をお示しします。

     入浴に関してもPOCリハで実施することはありますが、一定の移動能力が獲得できた人を対象に実施しています。

     POCリハビリテーションの位置づけについて再掲しますが、動画で示した介入を実践しながら、生活場面での情報共有機会が増加し、三者が協働することで効率的な退院支援につながると考えています。

     まとめです。

     POCリハビリテーションは、病院や地域の特性に応じて疾患別リハを補完代替し、病棟全体に包括的に関わることができます。POCリハビリテーションを行うことで、「できるADL」と「しているADL」のギャップを効率的に解消することができます。地域包括ケア病棟では、多様な疾患に対して短期間で成果を発揮するため、POCリハビリテーションを活用しながら効率的な退院支援を行う必要があると考えます。

     以上で発表を終わります。

     御清聴ありがとうございました。

     

    【講演 2】
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    大誠会スタイルのPOCリハ~認知症に特化したPOCリハの実際~

    春原 正志(医療法人 大誠会 内田病院 リハビリテーション部理学療法科長)

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    ○春原正志 

    医療法人大誠会内田病院理学療法士の春原正志と申します。

     本日はこのような貴重な機会を頂戴し、誠にありがとうございます。

     今回は、リハビリ補完代替リハビリテーションの1つとして、大誠会スタイルのPOCリハを紹介させていただきます。

     今回お話しさせていただく内容は、大誠会グループの紹介、大誠会スタイルとPOCリハについて、POCリハの効果、その取組に対する工夫を中心にお話しさせていただきます。

     背面のイラストは、当法人の理念の木です。「地域といっしょに。あなたのために。」を軸として、認知症があっても、障害があっても、0歳から100歳まで誰でも住み慣れた場所で住み続けられるまちづくりを進めています。

     大誠会グループがあります群馬県は本州のほぼ真ん中にあり、沼田市は群馬県でも北部に位置します。そんな沼田市は、尾瀬国立公園、谷川岳、赤城山に囲まれた風光明媚ですてきな土地です。名物は、女性限定の天狗みこしや、おいしいりんごがあります。

     大誠会グループの紹介です。

     当院は、約20年前より身体拘束ゼロを掲げています。中央にある6階建ての建物が内田病院であり、上が老人保健施設100床、下が内田病院99床という構造となっています。また、病院と直結したサービス付高齢者住宅や認知症対応のグループホーム、徒歩圏内に有料老人ホームや特養、B型就労としてのりんご園。右奥に見えます当グループの第1弾地域共生型施設であるいきいき未来のもりは、保育園、学童、放課後デイサービス、児童発達支援、共生型のデイサービスが一体となり、交流しやすい施設となっています。さらに、左下に昨年の秋にオープンした第2弾地域共生型施設があり、温泉、レストラン、ウェルネス、カフェ、障害者のグループホーム等を運営するソナタリューがあります。

     当グループのある沼田市は人口約4万6,000人、高齢化率34%であり、高齢化が進んでいる地域となります。当地域での医療・介護・福祉のベースキャンプを目指しています。

     当院の地域包括ケア病棟の概要です。令和2年度のデータとなりますが、病床数は16床、平均年齢は84.5歳と高齢であり、入院患者のうち48.8%と約半数が認知症の患者さんとなります。また、そのうちの約7割が認知症自立度Ⅲ以上となっています。在宅復帰率は72.6%。認知症の有無に関わらず、70%以上は保てています。また、短期の検査入院や完全にADLが自立している方以外は、全ての入院患者にリハビリ介入しており、早期改善、早期退院を図っています。

     また、当院は重度認知症の患者さんも受け入れていますが、実際にはリハビリの効果への影響を大きく受けていません。こちらは、認知症の有無による比較です。認知症の有無にかかわらず、FIM利得は、認知症診断ありで3.3点、認知症診断なしは1.4点であり、有意差は認められませんでした。また、介入に関しても、基準の2単位に関わらず、必要な方には必要な分介入をしています。

     当グループの認知症ケアは、パーソンセンタードケアの考えを基本とした身体拘束ゼロと、脳活性化リハ5原則に基づいたケアを実践しています。身体拘束をしないことでBPSDの軽減と患者さんの活動性や自立度の向上を同時に図り、その結果として、ケアの効率化やスタッフの負担軽減、さらには患者さんに最も適した場所への退院を実現しています。この一連のプロセスを大誠会スタイルと定義しています。

     なお、脳活性化リハ5原則とは、快刺激、褒める、コミュニケーション、役割、エラーレスの5つを指します。

     大誠会スタイルのPOCリハとは、先ほど説明しました大誠会スタイルに加え、モーニングケアやイブニングケアのほかにも、時間や対象者を決めず、センサーコールが鳴った際や離床時に、お一人で移動する認知症の患者さんに対して、その方の行動に合わせた排せつケアや歩行を行うことを含め、認知症の方の行動に合わせた関わりが中心となっていることが特徴と思います。また、スタッフや時間を限定せず、職種限らず全スタッフが同様の対応をしているところも特徴と言えます。

     こちらが、実際に行っている様子です。約3分間の動画となりますので、御覧ください。

     こちらの動画は、スタッフコールが鳴り、通りかかったリハビリスタッフが対応しているものとなります。患者さんは御飯の時間と思い、起きたときの様子です。少し困惑、混乱している表情をしておりますが、難聴もあり、何度か繰り返し訴えの確認を行っています。患者さんより「お昼?」とスタッフに話しかけており、スタッフはまずは患者さんの訴えに耳を傾け、どうしてほしいのか質問しながら聞くことを心がけています。実際には昼食の時間を過ぎていますが、御本人さんは食事を取りたいこともあり、食堂へ誘導を開始するところとなります。

     こちらの患者さんは頸椎骨折や認知症の診断で入院され、頸椎カラーも装着していました。以前は車椅子レベルで起居動作から介助が必要でしたが、現在は病状も安定し、歩行補助具での移動が可能となっています。しかし、転倒リスクは高く、補助具の使用なしで歩く様子も見られ、センサーマットでの対応をしています。以前はリハビリの意欲が低い時期もありましたが、現在は自身で歩きに行くと、積極的に歩行練習を始めることも見られています。その際も積極的にスタッフは寄り添い、患者さんの活動を妨げないように心がけています。

     このとき、患者さんは食事へ意識が向いているため、まずはその訴えに沿って食堂へ誘導しました。食堂へ行くと、このようにほかの患者さんもいることで安心した様子も見られていました。食堂でほかの患者さんがいる環境や、付加食の摂取やお茶の摂取の促しを行うことで食事の訴えも落ち着き、その後リハビリ等へつなげることもできています。患者さんの訴えに耳を傾け行動することで患者さんも落ち着き、さらに、行動を制限しないことにより活動性の向上にもつなげられています。

     続いて、こちらの動画は、脳梗塞後で認知症のある患者さんですが、離床中トイレに行きたくなり動き始めたときの様子です。こちらも約3分間ありますので、御覧ください。

     この方はテレビを見るのが好きなため、普段は離床してデイルームにてテレビ観賞していることが多い方です。普段から尿意の訴えが頻回にありトイレ誘導を行っていますが、お一人では転倒リスクも高く、見守りから軽介助が必要な患者さんです。患者さんの状態により、動き始めた段階ですぐに声をかける方、車椅子操作は安定していますが動作時に介助が必要な方など、評価した上で声をかけるタイミングも意識しています。

     こちらの患者さんは、このように車椅子の操作は可能ですが、コントロールや操作は不十分であり、動きが止まってしまったり、状態が変わった段階で話しかけるようにしています。ここで少し止まってしまい困惑している様子が見られていますので、スタッフが駆け寄っています。後ろからの声かけとなってしまっていますが、先ほどと同様にどうしてほしいのか聞き、訴えに応じてトイレへ誘導しています。車椅子操作に関してはまだ不十分なため、トイレまで時間がかかってしまうために、現在は訴え時は介助にて誘導しています。

     この方は動作能力はあり行為等も可能ですが、依存的な部分もあるため、できるところは促しながら、自立へとアプローチを向けています。排せつの訴えが頻回ですが、安易におむつの使用やポータブルトイレの使用を促すのではなく、評価を行いながら、トイレ誘導の実施やできる動作は御自身で行ってもらっています。

     このように、突発的に起こる行動に対して、その場にいるスタッフが随時対応しています。認知症のある患者さんも積極的に離床を促すことで、自身の訴えを行動に起こすことができます。それに合わせてスタッフが対応することで、仮に身体機能のリハビリが行いにくい方でも、ADLの中で身体機能へのアプローチが行え、身体機能の向上につなげられています。

     こちらは、病棟に勤務するPT、OT、ST、全リハビリスタッフに依頼し、POCリハの実態調査を行ったデータとなります。当院独自に作成したチェックシートを使用し、毎日勤務時間内でのPOCリハとしての患者への関わりの時間を1分単位で記録し、集計したものです。関わりの項目としては、排せつや傾聴・会話が多い傾向が見られました。

     上のグラフは、入退院時でFIMを比較したものとなります。項目別で見ると、排せつに関わった患者数が最も多く、利得も最大を示しました。

     下のグラフは、1週間当たりのPOCの関わりの時間とFIM利得を示したグラフとなります。排せつ、歩行や、その他活動する上での見守りに関わることでFIM利得が高い傾向が見られました。本人の動作を妨げないことで起立・着座、立位の頻度が増加し、動作能力の向上につながっていると考えられました。

     スタッフコールの対応は多職種も行っていますが、動作能力では、日常生活の介助に対して知識の深いセラピストが行うことで、より効果的な関わりができていると考えています。しかし、その点に関しては、しっかりとまだ違いを示せるデータがありませんので、今後の課題として取り組んでいきたいと思っています。ただ、高齢かつ認知症を有する患者さんに対しては、大誠会スタイルのPOCリハは有効的であると示唆されたと思います。

     実際に行う上で効果的なADLの向上を見込むために、とても重要となることが情報共有です。関わるスタッフが不特定多数となるため、その方の特徴を把握し、「できるADL」と「しているADL」の差をなくす、BPSDに対する対応を統一することがとても重要となります。

     そのため、当院で工夫している点として、1つ目に、各職種が専属のフロアに属し、フロア内で物事が完結でき、多職種間での連携を取りやすくするために、フロア制を取り入れています。フロア制を取り入れることで、カンファレンスのように形式立てがなくてもすぐに情報共有ができるメリットがあります。2つ目に、リハビリと看護師を中心に、POCに関することを進めていくPOCリハ班を設置しています。この班を設置することで、多職種にも共有しやすくなっています。3つ目に、ADL表の活用や情報共有カード、介助のポイントやBPSDに対する対応のポイントの活用を行っています。これらをもとに情報共有を行っています。

     ADL表と情報共有カードは、次のスライドで説明いたします。

     こちらは、ADL表です。入院当日にセラピストが評価したADLの状態を記載し、ベットサイドに掲示しています。セラピスト間だけでなく、看護師や介護スタッフなど多職種で共有するために用いています。スタッフコールが鳴り不特定多数のスタッフが対応した際にも、こちらを活用することで身体機能のレベルが最低限把握でき、過介助を防ぐことにつながっています。状態の変化に応じて順次情報を更新しています。

     こちらが、もう1つの情報共有のカードです。こちらは離床時に主に活用しているもので、排せつケアに関する介助のポイントを記載しています。離床している際は排せつの訴えが多く聞かれることや、ADLの部分でも多く占めることから、特に重点を置いて対応しています。離床時がメインとなるため、車椅子や歩行補助具などに取りつけています。これを見ることで、先ほどと同様に過介助を防ぎ、患者さんの能力に合わせた対応につなげられています。

     また、POCリハとして、介入する際に大切にしている大誠会スタイルによるケアのアプローチをまとめたものです。認知症の患者さんの観察、ケアを通して、当院では4つのステップがあることがわかりました。まず、入院当初は環境の変化もあり混乱期から始まり、次に徐々に周囲を観測し始めるそわそわ期、そして環境に慣れ始めるふれあい期、最後に適応期という形に推移していました。

     それに対し、まずは信頼関係を構築し混乱を軽減し、次いで、できる能力や好きなことを探したり役割を探したりして、その役割を定着させたり、他者との交流を促すようなアプローチを行っています。

     それらの関わり方を脳活性化リハ5原則でまとめると、入院時は傾聴等で関係性の構築を図ることが多く、その後から徐々にADLへの介入につなげることが多くあります。周囲へ少しずつ関心を持ち始めるタイミングで、残存機能を見極めながらできることを提供しています。この際、ケアの基本原則として、自分がされて嫌なことはしないということと、どうしてほしいか聞くを徹底しています。

     以上、簡単な紹介ではありますが、大誠会スタイルのPOCリハの紹介とさせていただきます。

     以上となります。

     本日はありがとうございました。

     

    【講演 3】
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    院内デイへの取り組み~新型コロナ感染症流行前と現在~

    小林 昂将(医療法人社団 大和会 多摩川病院 リハビリテーション部 主任)

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    ○小林昂将 

    それでは、発表させていただきます。

     「院内デイの取組~新型コロナウイルス感染症流行前と現在~」、多摩川病院の小林です。よろしくお願いします。

     本日の内容です。まず、グループの紹介をさせていただきます。次に多摩川病院の紹介、3つ目に地域包括ケア病棟の取組、最後に新型コロナウイルス流行下での対応について簡単に御紹介させていただきます。

     まず、グループの紹介です。

     平成医療福祉グループは、「絶対に見捨てない。」という理念のもと、全スタッフが従事しております。現在、100以上の病院、施設を運営しております。1984年に徳島県の博愛記念病院から始まり、現在は東京、大阪をはじめ全国展開している状況です。病院・クリニック数は約26件、施設・学校数は86件という状況です。

     次に、理念である「絶対に見捨てない。」を守るための7つの約束を決めております。1つ目は、対応可能な患者さんの受入れを断らないこと。2つ目は、見て見ぬふりをしないこと。3つ目は、「患者さんにとっていいこと」は損をしてもやること。4つ目は、「絶対に見捨てないプロジェクト」を完遂すること、こちらは後ほど説明させていただきます。5つ目が、チーム医療の質を上げること。6つ目は、在宅生活にしっかり関わること。7つ目が、慢性期医療の発展のために取組や研究を続けることです。

     こちらが絶対に見捨てないプロジェクト、6つ掲げています。まず1つ目が、「口から食べる」を応援する。2つ目が、みんなにうれしい食事。こちらですが、管理栄養士や調理師、ドクターや言語聴覚士と、チームで協働して対応していっています。次に3つ目、身体抑制の廃止。4つ目が、「自分でトイレ」を応援する。こちらも、リハビリや介護士、看護師、ドクターと協働して実施しています。5つ目は、目的を持った離床。6つ目が、多剤内服をさせないです。こちらもチーム医療ですね。リハビリ、看護師、介護士、ドクターや薬剤師さん、そういった方たちと一緒に取組を実施しています。身体抑制と離床については後ほど、包括病棟での取組で御説明させていただきます。

     次に、リハビリテーション部の理念を御紹介させてください。

     「絶対に見捨てないリハビリテーション」ということで、私たちは、豊富な知識を追求し、確かな技術を研鑽し、絶対に見捨てない想いを胸に、リハビリテーションを提供しています。教育方針としては、社会人としての自覚形成に努め、医療人としての使命と専門職としての誇りを備えた、人間味あるセラピストを目指しています。

     次に、多摩川病院の紹介をさせてください。

     多摩川病院の施設基準です。脳血管リハⅠ、廃用リハⅠ、運動器リハⅠ、呼吸器リハⅠを取得しています。病床数は、回復期58床、地域包括ケア病棟49床、医療療養病棟60床です。居宅部門として、通所リハ、通所介護、訪問リハ、外来。こういった部門でリハビリスタッフが従事しております。

     多摩川病院は東京都調布市というところにあります。調布は水木しげるさんの第二の故郷と言われており、調布駅の周辺には水木しげるルードというものがあります。また、近くには味の素スタジアムなどもあります。

     次に、当院のリハビリテーションスタッフの内訳を紹介させていただきます。現在約70名弱のスタッフが勤務しています。性別割合は、女性、男性、半々です。経験年数も、幅広い年数のスタッフが在籍しております。年代に関しては、20代30代が多いです。

     令和2年度の診療報酬改定を簡単におさらいさせていただきます。入院医療についてですが、主な3つの機能をバランスよく発揮することができるよう、地ケアに係る実績や入退院支援等に係る施設基準を見直すとされています。

     当院では、入院料金1を取っております。実績部分として、自宅等から入棟した患者割合が1割5分以上、自宅等からの緊急患者の受入れは3か月に6人以上、訪問看護指導料等の算定回数が直近3か月で60回以上であることなどが求められます。

     令和3年6月現在の実績です。在宅復帰率は82.9%、リハビリ1日平均単位数は2.15単位、自宅等からの入棟割合は95.1%、緊急入院受入数、現在では9名と、問題なく稼働しております。

     次に、入院患者の疾患割合です。2019年から2021年のデータです。全患者783名の内訳です。脳血管疾患が18.1%、廃用症候群が61.3%、運動器疾患が20.5%となっております。当院の特徴としましては、廃用症候群で入院される患者の割合が高い傾向です。

     廃用症候群であれば、脱水、誤嚥性肺炎、尿路感染症などが多いです。運動器疾患であれば、骨折や骨折の術後、変形性膝関節症等が多いです。脳血管疾患では、脳出血や脳梗塞、呼吸器疾患では間質性肺炎や閉塞性換気障害、その他では、難病指定のパーキンソン病や脊髄損傷、多発性硬化症など、多彩な疾患が入院されております。

     次に、地域包括ケア病棟の取組を御紹介させていただきます。

     幾つかの取組がございますが、まず身体抑制の廃止、離床時間の拡大といったところを説明させていただきます。

     こちらのプロジェクト、身体抑制を廃止と目的を持った離床をというところで、こちらを完遂するために取り入れたのが院内デイの取組です。

     まず、身体抑制についてですが、臨床現場では、身体抑制をしてはいけないという原則をわかっていても、対象者の安全確保を目的にせざるを得ない状況を優先する事例も少なくありません。当院での多い使用理由は、転倒予防と徘回予防のために車椅子安全ベルトを使用していました。

     しかし、身体抑制を外すという前向きな考えをもって実施していきます。取組として、5つの段階を踏みました。まず、スタッフステーションに現在の抑制率と目標数値を見える化して、全スタッフに意識していただきます。入院時より、抑制の必要性を多職種と相談します。週1回抑制オフに向けてのカンファレンスを看護師、介護士、リハビリと検討していきます。いきなり外すことは事故につながる可能性もあるので、時間帯や場所を限定して抑制オフの評価をしていきます。この時間帯や場所を限定するといったところで、院内デイ、後ほど説明させていただきますが、そういったところで抑制オフを評価していきます。このように段階的に評価をして抑制オフを目指しています。

     離床時間の拡大です。こちらが院内デイの取組ですが、包括でのリハビリは1日40分程度であり、リハビリ以外の時間もなるべく活動していただく目的で、午前・午後の集団リハビリを毎日実施しております。午前は上肢、午後は下肢を中心とした体操です。食事の前に実施しますので、嚥下体操も同時に実施しております。また、集団リハビリ以外でも、午前・午後の作業活動を食堂にて提供しております。主に、ちぎり絵や貼り絵、DVD観賞などを提供しております。

     1日の流れです。左側が午前、右側が午後となっておりますが、9時半あたりから食堂へ離床していただき、作業活動を提供します。そのまま昼食まで集団リハビリ、作業活動をしていただきます。午後も、13時半から同様に夕食まで作業活動と集団リハビリに参加していただき、活動性向上を図っています。この1日の間の中で個別リハビリを実施しています。

     こちらが実際の集団リハビリ、離床促進の写真となっております。左側が集団体操です。棒体操や上肢の体操の風景です。午前は看護師、午後はリハビリといったように、交代制で実施しています。右側の写真では、看護師が作業活動を提供しております。塗り絵や貼り絵を共同で作成しており、他者との交流機会も増えています。

     こちらが作品の一部です。共同で作成した作品は病棟の廊下に掲示しています。

     離床を促し行動評価を行うといったところで、こういった院内デイの取組を実施して、抑制オフや離床時間の延長を目的に実施しております。

     次の取組です。リハビリとして実施した取組を御紹介させていただきます。

     当院の包括病棟では、個別リハビリ以外に取り組んでいるものがございます。Rehabilitative Intervention for Daily Living、いわゆるPOCです。こちらは、個別リハビリとは別に、毎日POCスタッフを配置しており、主に活動内容は朝夕の着替え、トイレ誘導、整容、口腔ケアなどをピンポイントで練習もしくは習慣をつけていきます。個別リハビリにて効果的なリハビリを実施し、集団リハビリで活動度を維持、POCスタッフにて「しているADL」の向上を図って退院支援をしていきます。

     しかし、POCの取組をいざ実施しましたが、どうしても対象者の選定に悩まされました。実際にはPOCに該当しない患者が多くいることを経験します。POCに該当する患者が1か月に2人や3人といった少ない時期もありました。背景には、当院の入院患者の多くは80歳代と高齢の患者が多く、そのため、認知機能低下や全身状態不良の患者、重複障害を有しており、慎重にリハビリを実施する必要性のある患者が多いこと、また、POCで実施する整容やトイレ動作、行為動作などがそもそも対象とならない患者が多いです。そのため、土台となる動作に着目しました。つまり、起居動作や座位保持、立位保持、歩行動作など基本動作に着目して、個別リハビリとは別で短時間のPOCを実施していきました。海外の例では、短時間のリハビリがADLや身体機能を改善する可能性を報告しています。

     また、先ほどは重症の患者などで対象から外れた方を紹介しましたが、逆に、能力が高く、ADLが自立されている患者も少なくないです。例えば、運動FIMが入院時で自立しており、整容やトイレ行為が自立している。レスパイトや検査入院の方もいます。そういった方には自主トレに着目しました。例としましては、歩行量を増やす、筋力維持のためのプログラムを配付、膀胱直腸障害や作業活動や脳トレを促すようにプログラムを実施しています。また、退院後の転倒予防の知識をつけていただくためのKYTや資料の配付、高血圧や糖尿病などの知識に関する情報を提供するなど、POCスタッフが関わっています。

     以上、包括ケア病棟の取組として、抑制廃止、離床促進のため院内デイを実施したこと、POC非対象者の現状として、基本動作に着目した短時間リハの実施や自立度の高い患者には自主トレを提供したことを上げました。

     ここからは、新型コロナウイルス流行下での対応についてです。

     当院での感染対策として、スライドに上げた内容を実施しています。集団リハビリ中止と集団での離床禁止、ここが包括病棟ではかなり影響が出たところです。

     対策は実施していたんですが、当院でもクラスターが発生してしまいました。現在、集団体操は実施できておりませんが、離床作業活動等は感染対策を実施して行っております。右側が現在の風景です。アクリル板を設置し、全患者マスク装着の徹底をして、離床時間の延長や作業活動の提供を行っております。

     新型コロナウイルス流行下で、当院の地域包括で実施していた院内デイは現在実施できておりません。集団リハビリの中止や、限定した患者のみの離床しかできていない状況です。また、POCスタッフも現在は重症患者の連続離床評価を中心に実施しております。個別リハビリとして介入していますので、現状はPOCができていない状況です。

     まとめに入らせていただきます。

     院内デイとして離床促進や集団リハビリを実施しました。入院患者にPOCが実施できない時期もあるため、患者の状態に合ったPOCを提供していく。新型コロナウイルスの影響で院内デイの中止が決定しました。今後の状況を見ながら再開を検討していきたいと考えております。

     以上で発表を終わらせていただきます。

     御清聴ありがとうございました。

     

    【講演4】
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    ICT 活用とロボットリハビリテーションで新しい多職種協働を創る

    藤川 智広(社会医療法人 石川記念会 HITO 病院 リハビリテーション部)

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    ○藤川智広 

    よろしくお願いします。

     HITO病院は、生きるを支えるをコンセプトに、地域の二次救急を担い、超急性期から回復期、緩和ケア病棟を持つ、ケアミックス型の病院です。その中でも、地域包括ケア病棟の位置づけとしては、急性期で血行動態の安定化により安静臥床を来したり、ADLや歩行能力の低下を来した患者の受け皿としてのポストアキュート、そして加齢などの筋力低下、身体機能の低下、急性増悪、レスパイト入院患者等の受け皿としてのサブアキュートの役割を担っており、その割合はスライドに示すとおりになっています。中でも、リハビリテーションを必要とする患者は、運動器疾患が半数を有するものの、多疾患の患者が入棟し、その年齢層は80歳以上が6割を占めています。以上の点を踏まえると、いわゆる廃用症候群を来している高齢患者が入棟していることがわかり、いかに日常生活の自立度を高めることができるかが求められています。

     しかし、地域包括ケア病棟の在棟期間は、皆さん御存じのとおり60日と限られています。その中でうまく退院支援につなげていくには、ケアの質を上げること、生活場面への介入、活動時間を増加させることが鍵となります。その実現には、介助方法を統一し、各職種の専門性を発揮できるような体制を、また、退院後の生活を見据えたリハビリテーションの実施、さらには身体機能の改善と生活リズムの構築が必要不可欠ですが、各職種がバラバラな動きをしてしまうと効率も悪く、患者を中心とした医療を展開することができません。そこでキーワードになるのが、情報共有と多職種協働です。

     これから、当院で多職種と自立支援に向けて実践してきた様々な取り組みを紹介していきたいと思います。

     2014年に地域包括ケア病棟を開設し、約2年間は個別リハのみの実施としていましたが、2016年度より集団リハビリを取り入れました。高齢者における集団リハビリには、精神機能の賦活や健康管理QOLの改善、社会的孤独感の解消など、様々な効果が報告されていますが、当院では、課題志向型アプローチを念頭に、運動意欲の向上を図ってきました。

     ここでいう課題というのは、患者に対して身体機能を最大限に引き出しながら安定した起立動作を獲得すること、他の患者の模倣や動作を見て自分もやってみようという意欲を引き出し、自己効力感につなげることを意識して実施しました。また、多職種に対しては、患者の能力を引き出すことを実際の場面で説明しながら、病棟ADL改善に向けた実践につなげていく関わりを行いました。

     集団リハビリでも十分な効果を得ることができましたが、介助量が多い患者に対しセラピストが多職種に介助方法を伝えますが、転倒の可能性や介助の難しさから、介助の質の変化が少ないという課題が見つかりました。そこで、2017年度より、個別リハ時間以外に、患者のADL場面に多職種が集まり、より具体的な介助方法を直接アドバイスし、患者も多職種も安全に安心して実施できる方法を伝えるようにしました。また、その方法を病棟全体で統一し介助を提供できるように、動画撮影を行い、介助量の共有だけでなく、介助の質、いわゆるセラピストの視点を共有することを重視した協働リハビリを開始していきました。

     次に、モーニング・イブニングケアの実施です。今までセラピストは日勤勤務が当たり前で、セラピスト中心の時間軸での業務でした。しかし、協働リハビリを実施したことで、患者の1日のスケジュールに合わせた時間軸での支援を考えると、朝・夜の身体機能を評価・介入しないと本当の支援ではないのではないかと考え、朝は7時から、夜は就寝時間である21時まで患者に介入できるように、働き方を変化させました。特にモーニングケアは、転倒しやすい時間帯でもあるので、日中の歩行状態の差を評価したり、トイレ誘導を行い、ADLの状態を確認するようにしました。イブニングケアでは、集団体操を取り組み、生活リズムや睡眠リズムを作る目的で実施するようにしました。また、家族が仕事終わりに面会に来ることも多かったため、歩行場面やADL場面を直接見ていただき、身体機能の回復過程を実感していただく機会を設け、退院支援の一助として関わりを増やしていきました。

     これまでいろいろな取り組みを行ってきましたが、ここで大きな転機を迎えました。それが、サイバーダイン社製のHAL腰Ⓡタイプ自立支援用の導入です。皆さん、患者さんが長期間の安静臥位により筋力低下や立つ機会が減少してしまうために、立つことの恐怖心や立ち方がわからなくなることを臨床上経験したことはないでしょうか。自分で重心を思うように移動することができず、どこに力を入れてよいかわからず、離殿のタイミングがうまくいかない悪循環に陥ってしまうケースが多いと思います。上記の問題点を解決してくれるのが腰HALです。腰HALは、体幹動作や立ち上がり動作の際に発生する生体電位信号に基づき、繰り返しの運動によって身体そのものの機能向上を促す装着型のロボットです。腰HALの最大の特徴は、本人の意思を読み取り、立ち上がりに必要な動きや力を同時にサポートできることにあります。もう1つは、職種に関係なく講習を受ければ使用可能で、装着と操作が容易で、装着は慣れると1分30秒程度、アシスト設定は5段階とシンプルな構造になっています。つまり、一連の動きで複数の効果を引き出せ、さらにセラピストの介入時間以外に、多職種が身体機能の改善に携わることができます。

     実際の運用の流れです。まず、セラピストが腰HALの適用者を選定し、担当医と協議を行います。そして、同意を得次第、まずはセラピストが介入を行い、運動項目や回数、ポイントなどを評価していきます。患者も腰HALの要領を理解してきたところで、多職種に患者の情報提供や使用時の工夫点などを伝えバトンタッチします。そして、多職種が個別リハビリ以外の時間に実施し、定期的にセラピストが介入し、進捗を確認するようにしました。この中でも特に注力したことは、多職種との情報共有と多職種が機能回復に関与している実感を持ってもらうことでした。

     そのために、どうすれば多職種にわかりやすく、かつ効率的に患者に使用することができるかを考えた結果、セラピストの考えを「見える化」することとしました。それぞれの運動におけるポイント、評価内容だけではなく、離殿時のタイミング、重心移動の方法、動作時の患者への口頭指示などを列挙し、腰HALの特徴を最大限に活かせるように進めていきました。また、自己装着してもらい実際の動きを理解してもらいながら、知識と技術を深めていきました。

     ここで一例を提示したいと思います。運動頻度、実施時間は、スライドに示すとおりです。運動内容は、体を起こす骨盤の前後傾トレーニング、前屈トレーニング、起立トレーニング、スクワットトレーニングとしました。この方はうっ血性心不全で入院された91歳の患者で、急性期の段階から早期離床を進めていましたが、運動耐容能も低く、立ち上がり動作も不安定な状況でした。腰HALを実施する前の立ち上がり動作では、立ち上がり動作はスムーズでも、着座の際にいわゆる「どっすん座り」になってしまい、うまく体をコントロールできていません。しかし、HALを使用して3日目になると着座もスムーズになり、同日のあるトレーニング後においても、HALを装着している動きとほぼ同様の動きを学習することができました。

     もともと立ち上がり動作の促進を目的に腰HALを使用していましたが、歩行能力に対しても効果が出ていることがわかってきました。腰HAL実施前の動画ですが、前傾姿勢で目線もやや下方を向いており、ゆっくりとした歩行になっています。しかし、腰HAL実施後3日目になると前傾姿勢も改善され、歩行スピードが向上したのがわかると思います。ここまではセラピストが介入しているのですが、ここからさらに3日間は看護師が腰HALを使用しました。看護師のみ介入した後でも、さらに歩行スピードの改善が行われ、歩行姿勢もよくなっているのがわかるかと思います。

     先ほどの症例1のように14例に実施し、多職種で腰HALを運用した結果では、5回立ち上がりテストでは、初回に比べ約45%、TUGでは約30%のスピードアップを図ることができました。患者の声としても、今まで立てなかったのが不思議なくらい、トイレや歩行が楽になり動くことに自信がついた、今後も腰HALを使用して動ける体を維持したいと、前向きな意見が多かったです。この結果から、90歳近くの高齢者においても効果を発揮できたということは、腰HALは廃用症候群や超高齢患者に対して多職種協働で機能改善を図る一助として活用できる機器であることがわかりました。

     しかし、多職種が切れ目なく患者の退院支援を進める上で、各職種における情報共有に課題もありました。セラピストは切れ目なく退院支援を進めるために疾患別チームで急性期から退院まで担当し、他フロアで業務を行うため、看護師とのすれ違いが生じ、リアルタイムな情報交換に難渋しました。また、看護師はプライマリー制をとっていますが、日々受け持ち患者が異なるため、異なるセラピストと情報共有を行い、同職種に引き継ぐ際、伝達内容にずれが生じていました。加えて、介護職は非担当制で全患者を支援しますが、入浴介助や食堂誘導、日中の集団リハなどの日々の業務内容が異なるため、患者の日常生活にうまく反映し切れないことも課題でした。

     そこで、情報共有における問題を解決するために、病棟リハビリ専属担当看護師を1名配置し、リハビリ病棟リーダーと連携を図ることで、身体機能の改善に向けた取り組みを実施できる体制を構築しました。病棟リーダーが看護師に口頭指示で病棟リハビリとして実施する内容を伝え、看護師はエクセルでその情報を管理しました。一見非効率な管理方法ですが、専属看護師のすばらしい献身的な関わりで一定の効果を認めることができました。しかし、病棟リハビリを実施していくには時間が足りない状況で、退院支援における病棟リハビリの質や向上と病棟生活の支援を考慮した見直しが必要でした。

     そこで、2020年6月より多職種連携セルケアシステム(以下;セルケア)を導入しました。セルケアとは、病棟を区分し、各セルごとにセラピスト、看護師を配置することで小チーム化し、同一メンバーが患者の退院支援における同じ「目的」・「目標」を持ち、多職種協働で質の高いケアを行う体制です。この体制で看護師が病室近くで業務を行うことで患者のケアを迅速に提供し、セラピストも、各セルかつ病棟で個別リハビリを実施することで患者の身体機能改善を多職種に示すことができ、病棟生活の中で「できるADL」を「しているADL」に汎化させやすいメリットがあります。また、各セルメンバーは患者の身体的変化や退院支援に必要な情報をセルカンファレンスで共有し、問題解決に向けて目標設定を行います。この体制に、従来行っていた病棟リハビリを各セルで実施することで量と質の改善につながるのではないかと考え、病棟リハビリの運用を変更しました。

     さらに、ICTを用いた情報共有を強化しました。当院は、2018年度からiPhoneの導入を段階的に進めており、2020年度には、一部介護士は除きますが、出勤者1人1台保有できる体制となりました。そのため、業務用SNSアプリであるCisco Webex Teamsを使用し、統一した病棟リハビリを実施できるための病棟リハビリのグループを作り、各セルごとに看護師が理解しやすいように訓練内容と注意点を記載したエクセルデータを週に1回セラピストが更新し、病棟リハビリが実施できるように進めていきました。また、トレーニングの実施を、ToDoリストを用いて、実施の有無や実施内容がすぐにわかるようにしました。そうすることで継続性を維持し、いつどこにいても確認できる環境が実現し、医師に確認にいく動線も減少し、効率化することができました。

     さらに、文章で説明するには難しい装具の装着方法、褥瘡予防に向けたポジショニングの統一方法、安全な食事姿勢や食事方法、説明が難しい介助方法や環境設定などを写真や動画を用いて可視化し、随時Teamsに配信することで1対多の情報共有を実現させ、ケアの質向上を図りました。

     このような取り組みを行うことで、職員間の意識も変化しました。これはセルケア導入後の看護師、セラピストのアンケートですが、地域包括ケア病棟のみの結果ではないのですが、どの項目においても概ねよい結果です。特に多職種との情報共有に関する項目は、約8割以上でよい回答を得られました。そして、その内容は、リハビリの進捗やADL状況、退院目標や患者・家族のニーズ、転倒リスクなど、退院支援に関する内容が共有されており、まさに退院後の生活を見据えたリハビリテーションの実現に向け協働できた結果ではないかと考えています。このことから、ケアのあり方や働き方によい変化をもたらしたと考えます。

     以上のように、約5年かけて様々な個別リハビリ以外の補完代替リハビリテーションへの取り組みを行ってきました。どの取り組みにおいても、目的を持って多職種との情報共有と協働の気持ちを忘れず、患者の自立支援に向けたケアを行ってきました。その結果、平均年齢が80歳を超える患者にも機能回復を図れることができ、自立支援に向けた関わりができたのではないかと考えています。

     まとめです。

     今回、課題志向型の集団リハビリ、自主トレ、運動療法指導などを含めた協働リハビリは、病棟生活直結型のトレーニング方法であり、情報共有と多職種協働の強化にはICTを活用するとより効果的であることがわかりました。また、3つの共通点は、個別リハビリテーションと同様に、身体機能の改善と患者の自立支援を行うにはとても有効的であるということです。多職種間の連携が強化され、ICTにより1対多の情報共有が実現し、同じ目的、目標でケアができたことがよい結果を生んだのではないかと考えます。今後、重複障害かつ高齢患者に対する支援には、多様性、個別性が求められますが、地域包括ケア病棟で果たすべき退院支援に必要な身体機能改善のためのケアと環境が実現できるように、これからも患者中心の医療を展開していきたいと考えます。今回の取り組みの一部が明日からの臨床、ケアの一助になれば幸いです。

     御清聴ありがとうございました。

     

    【討論】
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    地域包括ケア病棟における補完代替リハビリテーションへの取り組み

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    〇仲井培雄 それでは、討論したいと思いますので、皆さん画面に入っていただけますでしょうか。

     ありがとうございます。

     今回、補完代替リハビリテーションということで、皆さん、どの病院でもポイント・オブ・ケアリハビリテーションはもうされているんですよね。(全員うなずく)

     はい。ありがとうございます。

     そして、ほかに集団リハとか院内デイとか、そういうのも皆さん取り組まれていますよね。自主トレとか。(全員うなずく)

     ありがとうございます。

     そうしたら、やっていることとか考え方とかは非常に似ていると思います。まずやっぱり廃用症候群を中心とした方々に特に補完代替リハはいいんじゃないかというところがメインにあって、そのほか、軽い人には自主トレも有効だと。それも結局補完代替リハになるんですけれども、そんな形で考え方としては統一しておいてよろしいですかね。(全員うなずく)

     もう1つは、代替リハと補完リハとちょっと違うんですけれども、補完リハは疾患別リハ、がん患者リハをやりながらやる。代替リハは、疾患別・がん患者にはしないという場合ですけれども、皆さんのところではそれぞれどうですかね、ほとんどが補完リハになっていますか。代替リハも結構多い。代替リハも多いという病院ありますかね。

     皆さん補完がメインですね。ありがとうございます。代替リハはないということはないと思いますけれども、ほとんどが補完リハがメインということですね。

     ほとんどが情報共有、多職種協働と皆さんうたっていましたけれども、やっぱりちょっとずつ違うと思うんですね。内田病院さんは認知症をメインに据えていますし、HITO病院さんは完全にICT、ロボット、多摩川病院さんは人と人との関係性の中でやっていて、芳珠記念病院と似たような感じだと思うんですけれども、それぞれ何か、お互いにここは聞いておきたいということはございますか、演者間で。

    ○藤川智広 内田病院の春原先生にちょっとお聞きしたいんですが。

     車椅子のところにいろんなカードを置いて情報共有されていたと思います。セラピストから見た情報と実際の日常生活における注意点というところで、各職種の視点は違うのかなと思うんですが、そのあたりのうめ合わせっていうのはどういう機会をもって行われているのでしょうか。

    ○春原正志 基本的に、最初にリハビリが評価をしてカードを作っていきます。その後、看護師さんとかケアコンシェルの方、介護士さんが関わっていく中でいろいろ情報が得られますので、うちはフロア制をとっていますので、各職種がフロアに滞在しているので、その都度情報は共有しています。定期的なカンファレンスも行いますので、そこでまた詰めていくという形で対応しています。

    ○藤川智広 取り組んだ時期も比較的長くなってきていると思うんですけれども、質的なところの変化っていうのはどのように感じられていますか。

    ○春原正志 あのカードがあることで、過介助というのは大分少なくなってきたかなと思うんですけれども、まだまだやっぱり不十分なところもあるので、ADLの視点というところでは、看護師さんに対してもFIMの勉強会みたいな形もとりながら、今また広めていっているところになります。

    ○藤川智広 ありがとうございます。

    ○仲井培雄 ほか、どうですか。

    ○小林昴将 藤川先生に御質問させていただきたいです。

     ICTの活用をされていたかなと思いまして、いいなってシンプルに思っているんですけれども、あれは病院で何台か購入してやっているということですよね。

    ○藤川智広 そうですね、全て病院が支給してくださっています。

    ○小林昴将 何台ぐらい、スタッフに対して購入されたんでしょうか。

    ○藤川智広 HITO病院の中でいきますと約500台ありまして、各部署ごとに、スタッフ数に合わせて分割している状況になります。

    ○小林昴将 すごいいいなって思う。

     地ケアとはまた違う話になるかもしれないですけれども、リハ間の申し送りとかも、そこで使えたらすごいいいなって思って。そういった活用とかもされていますでしょうか。

    ○藤川智広 そうですね。普段はカルテ記載で情報の記録は行っていますが、それだけではなかなか伝え切れないものであったりとか、あと、難渋しているポイントですね、当院に関しても若手が比較的多いものですから、教育的な観点も踏まえて、動画であったりとか写真というものを、各階のグループを作りまして、その中で情報共有する形をとっています。その中で、若手の疑問に対して先輩が的確に答えを示したり、フォロー介入をした際にどうだったかというところをフィードバックするようなシステムを今現在取っております。

    ○小林昴将 ありがとうございます。

     最後1点、導入をして、何か問題点じゃないですけれども。例えばアイフォンを落としちゃったとか紛失してしまったとか、そういった問題ってありましたか。

    ○藤川智広 故障に関してはほとんどないというのが現状です。はじめは、私も故障とかそういったものがあるのかなと思ったんですが、皆さん大事に使ってくれていますので、そのあたりは大丈夫です。なにか不具合が生じれば、DX推進課・情報システム課のスタッフが対応してくださるので、とても安心です。

     ただ、やはり機械に慣れてしまうと、逆に、ないと困ってしまうというのが起きている状況ではあります。今までは業務のはじめに、朝礼であったりとか、全体が集まって情報共有していたんですけれども、そういったものがなくなったので、全体のスタッフの顔を見るという、まとまってディスカッションできる機会が少なくなったというのはデメリットではあります。それに代わるような形で今行っているところもありますので、何とかそこに関しても補填はできているのかなと考えています。

    ○小林昴将 ありがとうございます。

     ぜひ参考にさせていただこうと思います。ありがとうございました。

    ○仲井培雄 よく石川先生とお話しするんですけれども、電話をかける頻度がめちゃくちゃ減ったと。1対多のSNSで文章で思いを共有できるし、動画とか写真がものすごく役立つんだと伺いまして。しかも、リハビリの方の記録の時間が減って、すごいリハの単位数も増えたんですよね、提供できる単位数も。

    ○藤川智広 そうですね。iPhoneを使ってカルテを音声入力することによって、移動中に、ながらスマホにはなりますが音声入力することによって、タイピングする時間がかなり少なくなったというのが大きいと思います。その分、やはり患者さんへの介入というのが増える状況でもありますので、一石二鳥三鳥というところにはなっていると思います。

    ○仲井培雄 ありがとうございます。

     私、ICTの話をし出すと止まらないんですけれども、もうあと10分しかないので。

     次、ちょっと別の観点で。

     認知症ですね。内田病院さん、認知症のリハということでPOCリハを一生懸命使われていますけれども、手応え的にはやっぱり相当ありますか。

    ○春原正志 POCリハの効果はかなり大きく感じています。長時間続けてできない患者さんが多くいますので、細切れで介入してADLにつなげていくというところでは、かなり効果を感じています。

    ○仲井培雄 内田病院さんも、私何度も行ったことあるんですけれども、リハビリの方だけじゃなくて、どの職種も皆さん、認知症ケアがばっちりですよね。私が認知症になったら入院させてくれと言っているんですが、皆さん、認知症の患者さんに優しいというか、5原則をよく守っていらっしゃる。本当にそんな感じですね。すごいことだと思います。

     小林さんのところは、抑制をしない。内田病院もそうですけれども。ところが、我々のところは、芳珠も、それからHITO病院も抑制ゼロには多分できないと思うんですよね。決定的な違いは、我々のところは急性期ケアミックス型で、小林さんと春原さんのところは地域密着型とかポストアキュート連携型じゃないですか。なので、本当のばりばりの急性期がいると、命を守るために拘束せざるを得ない場合もあるんですよね。その辺は、病院の機能によって拘束ゼロは完全にはできないというところがあると思いますので、ちょっと悩ましいところでありますけれども。その辺どうですか、合歓垣さん、何か言うことありますか。

    ○合歓垣洸一 抑制に関しては、やっぱりゼロにというのは難しいなと思っていますが、POCリハは当院では常駐していますので、認知症の対応はその都度細かくできるというのが強みかなと思っています。

    ○仲井培雄 ありがとうございます。

     続きまして、多職種協働の中でもう1個、またHITO病院の話になっちゃうんですけれども、腰HALがすごい気になってですね。たしか内田病院さんも腰HAL使っておいでですよね。

    ○春原正志 はい。うちも腰HALと両下肢タイプを。まだまだリハから出ていないので、すごく参考になりました。

    ○仲井培雄 というと、使い方がちょっと違うわけですね。

    ○春原正志 そうですね。今は本当にリハの中でという状況なので、今はまだ導入ができていないかなというところです。

    ○仲井培雄 リハの中でというと、どんなリハをされているんですか。

    ○春原正志 疾患別の中で。ただ、うちに関しては、認知症があっても使っています。サイバーダインさんと話をして、簡単なうちの中での評価項目を作って、簡単な指示動作ができる方に関しては積極的に導入をしているところです。

    ○仲井培雄 似たような感じですか。廃用症候群の起居動作とか立位とか、そういうところで使われているんですか。

    ○春原正志 そうですね。腰HALに関しては本当に立ち上がり中心でやったりとか。あと、両下肢タイプであれば歩行または立ち上がりというところで活用して、効果としては見られているかなと思います。

    ○仲井培雄 すごいことになってきたなというのが私の思いでして。これもやっぱりPOCリハの一つというふうに位置づけられると思うんですよね。ロボットを使ったPOCリハ。

     あとは、デイケアについては、皆さんのところでは何か統計を取ったりされたことありますかね、アンケート調査とか。

    ○小林昴将 多摩川では、全員には取れていないんですけれども、参加された患者様が退院した後に来てくださって、それで結構広報じゃないですがしてくださって、新たに入院された方が院内デイの内容を楽しみにして来ましたみたいな形の効果は、何件かありました。

    ○仲井培雄 ほかにないですか。例えば、患者さんの状態が、デイケアをすることですぐ眠れるようになったとか夜間の睡眠がよくなったとか、職員の働き方に改善があったとか、そういうことはなかったですかね。

     ありがとうございます。

     集団リハはどうですかね。集団リハは恐らく効率化できると思うんですけれども、何かデータを持っておられる方はいらっしゃいますか。

    ○合歓垣洸一 当院で、まだデータは手元にないんですけれども、集団リハを導入することで1人当たりの患者さんに提供する時間数が増えたというデータは少し出ています。

    ○仲井培雄 疾患別リハが減るということはないですか。

    ○合歓垣洸一 患者さんに提供する疾患別リハはあまり減らないです。

    (実際は疾患別リハは減っていますが、集団リハの時間で補完し、効率化を図っています。)

    ○仲井培雄 わかりました。

     最後ですけれども、コロナになっていろいろ大変になったと思うんですけれども、補完代替リハをもしコロナに活かすとしたら、さっき私がちょっと提供したような、ICTを使って動画を見せるとか、あるいはアニメーションを見せることで指導するということをやっている病院はあるんですが、皆さんのところでは、そういうことをされている方はいらっしゃいますか。

     まだ。じゃあ、その辺はこれから皆さん一緒にまた取り組んでいくことがあるかもしれませんね。あんまり状態の悪い人は当然できるわけないですけれども、軽い肺炎であっても藤田医科大学のほうではやれたということでありましたので、また参考にしていただければと思います。

     補完代替リハとしてまとめをするとなると、地域包括ケア病棟に入院されてくるのは、回リハとやっぱり違って、本当の脳血管障害のリハビリテーションというよりは、むしろ廃用症候群であるとか整形外科的疾患のリハビリが多いということが地域包括ケア病棟協会のアンケートでもわかっていますので、その辺を中心にした方々のリハビリ、疾患別・がん患者リハを補う、そういうリハビリであるということが言えるかなと思います。

     本当に様々な工夫がされていて、皆様の情熱もすごく感じますし、多職種協働、それから情報の共有、標準化ですね、そういったところで非常に役に立つものであるということを新たに認識できました。

     もう1つ、これを聞かなきゃいけなかったんだけれども、専従医師のいない地ケア病棟において専従リハの役割というのは皆さんどう思われますか、何か御意見のある方。

    ○合歓垣洸一 専従の役割についてですけれども、入棟したときにリハの必要性をしっかり判断できるというところですとか、平均2単位以上提供できるという病棟全体のマネジメントがすごく大事かなと思います。仲井先生もおっしゃられた、ADL維持向上等体制加算に類似した関わりっていう、そういう役割が重要になってくるんじゃないかなと考えています。

    ○仲井培雄 ほかの皆さんどうですか。

    ○藤川智広 日常生活の中に我々も含めて多職種介入するわけですので、各職種が持っている知識も共有しておく必要性があるかなと思います。そういった意味では、教育的な視点がリハの専従者には結構求められることなのかなと日々感じるところではあります。

    ○仲井培雄 ありがとうございます。

     医師と一緒にリハマネをやったり、教育という視点で物を見るのが専従者に求められているということでよろしいでしょうか。

     最後に、この補完代替リハが現場で制度・文化として発展できるようにするためには、私は一生懸命やって成果の出ている補完代替リハに点数がつけば一番いいと思っているので、その辺、ちょっと今回の診療報酬改定で何とかできないかということを探っていきたいと思います。今日はいろいろなヒントをもらいましたので、皆様方の努力に報いるように我々も頑張っていきたいと思います。

     ちょっと時間過ぎましたけれども、皆さんどうもありがとうございました。これで終わりたいと思います。

     

    (了)

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