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【開会式】
【開会式】
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喜びの反面、気持ちが引き締まる思い
今大会が新しい発展に結びつくように期待
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仲井培雄 会長(芳珠記念病院 理事長)
中井修 大会長(国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 病院長)
開会式で仲井培雄会長は、当協会の設立から今日までを振り返り、「たくさんの皆さまにお力添えをいただいた」と謝意を示した。その上で、「今年4月1日に一般社団法人として、新たなスタートを切った。法の下に人として認められる。事務所も独立した。喜びの反面、気持ちが引き締まる思い」と語った。
続いて、第5回研究大会を指揮する中井修大会長があいさつ。自院における地域包括ケア病棟の運営方法を紹介した上で、「これからの地域包括ケア病棟の役割はすごく大きいと感じている。今大会が、地域包括ケア病棟の機能向上と、新しい発展に結び付くように期待している」と述べた。
■ 喜びの反面、気持ちが引き締まる思い ── 仲井会長
〇仲井培雄会長(芳珠記念病院理事長)
あいにくの雨模様で、どうなることかと思ったが、こんなにたくさんの方々にお集まりいただき、本当に感謝する。第5回研究大会を盛り上げていきたい。
2014年5月15日、日本慢性期医療協会の武久洋三会長が代表発起人となり、地域包括ケア病棟協会を任意団体として設立した。これまでたくさんの皆さまにお力添えをいただいたことを、この場をお借りして、感謝申し上げる。
満5歳になる直前の今年4月1日に一般社団法人として、新たなスタートを切った。法の下に人として認められる。事務所も独立した。喜びの反面、気持ちが引き締まる思いである。
昨日、総会後に設立記念パーティーを開催した。日本医師会の横倉会長、厚生労働省の鈴木医務技監をはじめ、たくさんの方々に祝福していただき、本当に感謝している。現在、会員数は487名だが、より多くの皆さまに、地域包括ケア病棟を育てていただきたいと思っているので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げる。
さて、昨年の役員会で、研究大会の開催地は、偶数年は地方、奇数年は首都圏と決めたのだが、一般演題発表の場を希望する声が非常に多く聞こえたため、改めて研究大会は毎年大都市圏で行い、視察・研修については地方都市でも行うこととした。
今大会は、大会長の九段坂病院の中井先生をはじめ、スタッフの皆さまの素晴らしい取組で、800名の参加者と100題を超える演題発表に恵まれた。中井先生が掲げられた研究大会のテーマは、「地域に寄り添う医療・介護連携のあり方 -福祉・介護行政との関わりを考える-」という非常に大きなテーマである。令和2年度の改定を控える中、地域包括ケア病棟を有する病院の皆さまと、それにどう取り組むか。それを伺うよい機会でもあるというふうに思っている。
本日は、皆さんと一緒に勉強できることが、本当に楽しみだ。皆さんの熱気で雨雲を吹き飛ばしてしまおう。(拍手)
■ 今大会が新しい発展に結び付くように期待 ── 中井大会長
〇中井修大会長(国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 病院長)
私ども九段坂病院がどのように地域包括ケア病棟と関わってきたか、この機会にお話ししたい。
当院はここ大手町から地下鉄で2駅ほどの九段下という武道館に近い所にある。病院の5キロ半径周囲には東大、医科歯科、順天、慈恵、慶応、日本医大、日大病院の7大学病院、それに加えて国際国立医療センター、国立がんセンター、聖路加、虎ノ門、三井記念、逓信と、高機能病院がひしめいている。その中で、私ども、257床の中小病院は、どのようにしていけばいいのか、大変な難題であった。
九段坂病院は国家公務員共済組合連合会の病院である。前身は私立病院で、大正15年から九段上にあった。東京でいう山手の人たちには、地域の病院として馴染まれていたが、いわゆる平成初期のバブルの時代に都心の人が地上げにあって、住民がいなくなった。
九段坂病院は総合病院で、産科や小児科などがあったが、これを廃止して整形外科に特化していくことになった。整形外科でも特に脊椎外科を専門にしており、現在でもそうだが、医業収入の4分の3は整形外科が占めている。脊椎手術は1000件を超える。2018年度に1046件の整形外科の手術があった。脊椎以外の手術は大腿骨骨折などが5件という極めて特殊な病院である。
脊椎外科の問題は在院日数が長いことである。古くから看護師数は多いが、15対1という看護基準でせざるを得なかった。ところが、亜急性期病床という制度ができて、そこを使うことで7対1まで持っていけた。2014年、亜急性期病床が廃止されて地域包括ケア病棟になった。
九段坂病院は好む、好まざるとにかかわらず、地域包括ケア病棟をスタートさせることになった。当時は、ポストアキュート専門で、本来の使い方とちょっと違っていた。
病院の老朽化があり、2015年11月に、千代田区の区役所跡地に新築移転することができた。その条件として、千代田区の高齢者サポートセンターと併設することになった。いわゆる地域包括ケアシステムの実動部隊と私どもの病院とが、同じ建物の中で協働していくことになった。そこで、本来の地域包括ケア病棟の使い方である在宅医療の後方支援などに取り組み、行政からの依頼に応えるなどして、本来の地域包括ケア病棟の使い方が、だんだんできてきている状況になっている。
2025年に向けて、地域医療構想が動き出している。人口の変化や疾病構造が変わる。社会構造は相当変化していく。まず老人独居所帯が増える。老人の世帯の低所得化。2000万円用意できない世帯はたくさんあるだろう。認知症も多くなる。
こういった社会構造の中で、保健福祉行政にはかなり大きな役割が期待されている。住み慣れた地域に、長く生活を維持していけるようにしようという地域包括ケアシステムを病院サイドが、地域包括ケア病棟により担っていく。これからの社会で地域包括ケア病棟の役割はすごく大きいと感じている。今大会が、地域包括ケア病棟の機能向上と、新しい発展に結び付くように期待している。
(了)
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