地域包括ケア病棟協会

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  • 【シンポジウム2】第8回研究大会

【シンポジウム2】第8回研究大会

 

    【シンポジウム2】

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    これからの制度改革の先をいく~地域包括ケア病棟の挑戦~

    【座長】
    加藤 章信(地域包括ケア病棟協会 副会長/盛岡市立病院 院長)

    【シンポジスト】
    仲井 培雄(地域包括ケア病棟協会 会長/医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院 理事長)
    武久 洋三(日本慢性期医療協会 名誉会長)
    小山 信彌(東邦大学医学部 名誉教授)
    小山 秀夫(兵庫県立大学大学院 社会科学研究科 特任教授)

    【討論】

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    【座長】

    加藤 章信(地域包括ケア病棟協会 副会長/盛岡市立病院 院長)

    • 加藤章信先生1
    • 加藤章信先生2

     時間となりましたので、シンポジウム2「これからの制度改革の先をいく~地域包括ケア病棟の挑戦~」を開催いたします。

     私は、このシンポジウムの司会を担当いたします、地域包括ケア病棟協会の副会長で、盛岡市立病院院長の加藤章信です。どうぞよろしくお願いいたします。

     我が国は急速に少子高齢化が進行しておりまして、地域の医療は地域で守るという地域包括ケアシステムが推進されております。その要として地域包括ケア病棟や病床がございます。地域包括ケア病棟協会では、仲井会長を中心として、懐の深い病棟として様々な機能を示してまいりました。

     今後、地域包括ケアシステム推進の役割を担う地ケア病棟が、制度改革に振り回されることなく、確固たる方向性を国に対しても示す必要があるのではとの思いで、田中志子研究大会長からこのシンポジウムのテーマがお示しされたものと思います。

     本日は4名のシンポジストに御登壇いただきますが、いずれも各界でのトップランナーで、これからの時代の方向を見据えることができるオピニオンリーダーであられますことから、実践的で、かつチャレンジングなお話を伺えるものと期待しております。

     会の進行ですが、初めに各演者の先生方から御発表いただき、その後、相互討論ができればと考えております。

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    【講演 1 】

    最大で最強の地域包括ケア病棟ver2.0

    仲井 培雄(地域包括ケア病棟協会 会長/医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院 理事長)

    • 仲井培雄先生1
    • 仲井培雄先生2

     皆さん、こんにちは。 先ほどからも御挨拶しておりますが、改めてよろしくお願いいたします。

     それでは、始めたいと思います。

     タイトルは、抄録どおりに変更いたしましたので、「最大で最強の地域包括ケア病棟ver2.0」でお願いいたします。

     最初に、こういった機能評価を、調査を行いましたので、その結果をところどころに出したいと思います。2,751病院全てに送りまして、回収は17.8%でした。会員のほうは33.1%でした。御協力ありがとうございました。

     これまでの地域包括ケア病棟ですけれども、急性期治療を経過した患者の受入れ、在宅で療養を行っている患者の受入れ、在宅復帰支援、この3つで地域包括ケアシステムを支えるということです。

     ①はポストアキュート、これは自院と他院に亜分類されますし、②はいわゆるサブアキュートで、緊急と予定に亜分類されます。そして③は在宅復帰支援で、院内・地域内の多職種協働があります。現在も変わらない条件はこの矢印のとおりでございます。

     先ほどのシンポジウムで志田先生が出されていましたけれども、この地域包括ケア病棟を有する病院の機能を3つに分けました。

     これは2021年度末の状況で、先ほどの調査で出してきたものでありますが、急性期ケアミックス型は、急性期一般病棟以上を持っていて、急性期対応が強みと、自院ポストアキュートが中心で、200床以上が4.5割ある。ポストアキュート連携型は、施設全体として実患者数のおおむね半分以上が他院からのポストアキュート患者。いろんな後方病床や施設があって、200床未満が9割。地域密着型は、どちらでもないという定義ですけれども、これはいわゆる日常生活圏域のサブアキュートを中心に診ていると、在宅医療も積極的に取り組んでいる病院が多いです。

     その内訳は、今回の調査でわかったのは、2021年度末ですね、急性期ケアミックス型が5.5割、ポストアキュート連携型が1割、地域密着型が3.5割となっております。地域包括ケア病院、これは全部が地域包括ケア病棟ですけれども、70施設あります。

     Before 2022というところでは、いろんなニーズに応えた上で、在宅復帰支援機能を基軸に、自院が御当地ニーズに寄り添えるように、自院の他病棟の機能が活きるようにカスタマイズできるということで、カメレオンのように変幻自在で、懐の深い病棟と言っておりました。

     患者像ですけれども、これは中医協で出てきた令和2年度の調査結果で、地ケア病棟は、高齢で要介護が多くて自立が少ないという特徴がございます。そもそも地域包括ケア時代の患者像がそうなっておりまして、高齢で複数疾患を持っていて、ADLと栄養状態、認知機能が低下して、ポリファーマシーになりやすい。入院前から生活支援を必要とする患者が多くなって、しかも、リハビリは社会復帰を目指す脳卒中モデルよりも生活復帰を目指す廃用症候群・認知症モデルが主となります。QOL、QODの価値観は人それぞれ異なる上に、介入のエビデンスは乏しいので、ACPや多職種協働によるカンファレンスは必須となります。

     実はこういった患者像は、multimorbidity患者の患者像と非常に重なります。multimorbidityがこれからのキーワードになると思うんですけれども、複数の慢性疾患が一個人に併存している状態であり、中心となる疾患を特定できない状態であります。トップ20のリストですが、トップ5を挙げるとCOPD、DM、高血圧、悪性疾患、脳血管障害、普通に見られる疾患ばかりです。こういう疾患が重なるとmultimorbidityになる。高齢化とともにこういう患者が増えます。フレイルとか、死亡率が増えたり、健康アウトカムが落ちたり、ケアが分断したり、そしてポリドクターやポリファーマシーですね、救急受診が増えるといったことが起こりまして、疾患別ガイドラインをいっぱい用意して使っても、介入はエビデンスによる裏づけがないわけです。アウトカムは結局患者のQOLの向上にするしかないというところであります。

     では、中小病院におけるこういった患者は一体どうなっているんだと。日本では病院をかかりつけ医としている患者がやっぱり多いです。多くの通院患者がmultimorbidity・ポリファーマシー・ポリドクターの状態でケアが分断されるが、ある程度の重症度を持った患者の診療が病院中心にならざるを得ない。これらを解決できる総合診療や老年医学のマインドを持った医師、特にextensivist、特定行為研修修了看護師を含む多職種協働に期待がかかるところであります。

     こちらはPerson Flow Managementという概念でして、当協会が提言しておりますが、患者・利用者を生活者の視点で捉え、病院と在宅を一体とした切れ目ない地域医療介護福祉を提供するというものです。在宅で暮らしている方が地域内の多職種の力を借りていて、例えば肺炎になって入院してきましたら、在宅の多職種がいろんなアセスメントをするわけです。どういった慢性疾患にかかっているのか、寝たきりなのか車椅子なのか歩いているのか、そのほか多数のアセスメントをして、きちんと病院内の多職種に伝える。そうすると、ゴール設定をして治療して、在宅復帰支援をしていく。退院してからのケアを行う、再入院を予防するということが重要になってくるわけです。本当に高齢のmultimorbidity患者を地域包括ケア病棟を有する病院がしっかり支えるというイメージです。「ときどき入院、ほぼ在宅」が重要になってきます。

     そして、これを診る総合診療医として、extensivistに期待がかかっています。病棟・外来・在宅のケアをつなぐ、分断をなくすわけですね。サブアキュートで入院する、ポストアキュートで診る、そしてポストディスチャージケア、帰ってから見守る。さらに、プレアキュートということで再入院を予防するということであります。これは南砺市民病院の大浦先生からいただいたスライドです。

     After 2022になりますけれども、いろんなニーズとか人口ビジョンをちゃんと捉えた上で、やるべき医療の実践として、総合診療や老年医学のマインドを持つ医師とともに急性期後や在宅療養中のmultimorbidity患者を病棟で受け入れる、在宅で診る、そういった地域診療拠点になってはどうかというところであります。

     急性期でも回復期でもない、地域包括ケア病棟というアイデンティティをしっかり持つことが大事だと思います。アイコンはなぜコウモリかといいますと、コウモリは陸上歩行の哺乳類でもないし鳥類でもない、唯一の空飛ぶ哺乳類という強力なアイデンティティです。

     そのほか、やりたい医療の院内・地域内サポートは、やりたいところで付加していけばいいと思います。

     コロナ禍の地域包括ケア病棟ですが、地域包括ケア病棟の入院料だけではとてもとてもコロナは診られませんので、しっかりいろいろなところから要望いたしまして、こういう点数がつきました。回復患者にもつきました。

     コロナへの対応ですけれども、重点・協力・その他・回復のみ・受入なしのところは、一つの病院で複数の機能を持っている場合がありますので、一番重い機能をつけました。そして、回復患者だけを受けている病院は回復のみ、受入れなしは受入れなしですね。全部足すと100%という体裁になっております。そうすると、重点型が一番多くて3割、その次が、回復のみが2割5分ちょっと、そして協力が2割程度となっております。

     地ケア病棟の使い方ですけれども、重点も協力もその他も、全て半分以上は使っていないということでありました。これは何かというと、要するに急性期、一般病棟以上の機能で受けているということになります。それから、回復のみは7割5分弱が地ケア病棟で受けているということでありました。

     進化する地域包括ケア病棟ですけれども、コロナ禍でいろんなことが問われたと思います。今日も、太田先生が特別講演でお話しいただきましたけれども、救急と感染のバランスが取れなくなっている。それから、疾患別診療ガイドラインのEBMと患者価値観によるQOL向上のバランスはどうなんだろう。かかりつけは病院なのか医院なのか、このバランスはどうなんだろう。そして、高齢multimorbidity患者の医療・介護・福祉という点が加わって、結局高度急性期はより高度に、そして感染対策もより高度なものに、それから地域包括ケア病棟はそれなりに、そして訪問看護の見直しや在支病・在支診の見直しなどがありまして、感染対策向上加算、外来感染対策向上加算の新設があって、何しろ感染対策と急性期、回復期、慢性期の連携をリンクさせたような形になっております。

     地域包括ケア病棟に係る施設基準。これを説明すると多分30分必要になりますので、ここは簡単にお話ししたいと思います。

     とにかくバランス重視の進化であります。

     救急・在宅医療実施体制のうち、救急の実施等が要件化されました。自院一般病棟からの転棟割合が適正化されました。在宅患者の受入れ、在宅医療等の実績が変わりました。入退院支援加算の要件化や在宅復帰強化がされました。重症患者の割合が変わりました。

     こういったものは5つの減算要件と1つの要件緩和に見直されまして、一般病床と療養病床、入院料・管理料1~4、許可病床数の組み合わせによって、減算率が最大4種類掛け合わされることになります。

     実際にこの調査で見てみますと、令和2年基準、22年の3月1日現在のクリア率と令和4年基準、今年の10月1日にクリアできるであろうと予定されているところの率を見ますと、まず重症患者割合のクリア率が下がっています。これは変更によりまして低下しております。また、自宅等から入棟と緊急患者は基準が厳格化されましたが、クリア率は向上しております。在宅医療等の実績もクリア率は向上しております。これはコンビネーションでクリアされることになります。在宅復帰率は厳格化によってクリア率が低下しております。そして、入退院支援はまだまだ不十分というところであります。

     特に、救急・在宅のところですけれども、2022年度までは救急医療提供体制の二次救急、救急告示、在宅医療提供体制の在支病、在後病、そして訪看ステーションを同一敷地内に設置、この5つのうち、どれか1つを満たせばよかったんです。

     ところが今年度からは、まず救急医療に関しては、200床以上の一般病床は、二次救急か救急告示、かつ在宅医療を提供する体制の3つのうちの1つを満たす。それから、199床以下の一般病床は、救急外来または24時間救急医療提供に要件が緩和されていますが、在宅医療はやはりどれか1つ取らないといけません。療養病床は、救急のところは救急告示または二次救急医療機関、それから、いわゆるサブアキュートのところは自宅等からの受入れ患者6割以上、自宅等からの緊急の受入れ3か月で30人以上、このいずれかを1つだけ満たせば療養病床の5%減算が回避できる。(診療報酬の解釈を誤っており、以下に訂正)ただ、療養病床は救急医療と在宅医療を提供する体制要件は5つの条件の1つを満たせば良いので、救急で届け出れば療養病床の減算も回避できますが、在宅で届け出ると療養病床の減算は自宅等からの受入れを届け出る必要があります。

     この結果、まず、一般病床の200床以上のところは9.5割強がクリアできる、病院機能間の差はあまりないです。200床未満については8.5割弱の予定ですが、これは病院機能間でばらつきがありまして、急性期ケアミックス型は9.5割超えていますが、地域密着型は8割、PA連携型は7割というように、徐々に下がっていっています。

     一方、療養病床のほうですが、55病院13%にございまして、クリア率はほぼどの病院機能も一緒です、3割ちょっとから4割弱です。

     それから、自院一般病棟からの転棟割合の適正化です。入院料2、4の自院一般病棟のポストアキュート受入れは、6割未満制限が200床以上と減算率1.5割に拡大しております。それまでは400床以上で1割でした。在宅患者の受入れ、在宅医療等の実績も変わりました。

     2022年度までは、入院料・管理料1、3は、いわゆるサブアキュートの在宅には要件がありました。それから、入院料2、4の400床以上には自院ポストアキュートの減算要件がありました。しかし、399床以下の入院料・管理料2、4については全く要件がなかったんです。これが今年からは、入院料・管理料1、3はサブアキュートがちょっと高度になりまして、入院料・管理料の2、4の199床以下はサブアキュートの標準要件、そして入院料2、4は、これまで200床以上は全く要件がなかったんですが、いわゆるサブアキュートの要件と、いきなり自院ポストアキュートの減算要件が厳格化されて出てきたということで、ここが一番厳しくなっております。

     令和2年基準と令和4年基準、どうなるんだろうということで伺ってみますと、400床以上の要件である令和2年基準は8割5分がクリアしておりました。また、200床以上の要件では令和4年基準を8割強がクリアする予定ということでありますので、2割ぐらいは頑張らないといけないということであります。

     外来感染対策向上加算と感染防止対策加算の見直しが行われまして、1、2の防止加算が、新しい向上加算では1、2、3となっております。連携をもっともっと進めてくださいということで、様々な連携のための制約がついております。

     今回、病院機能とコロナの入院診療を見ますと、重点機関指定と旧防止加算1の大部分を占める急性期ケアミックス型が新向上加算1のほとんどを占めておりました。そして、コロナ協力・その他機関は各病院機能がそれぞれ一定の施設数を占めておりまして、旧防止加算2と新向上加算2と3の多くを占めておりました。おおむね厚労省の想定どおり、医療機能と感染対策向上機能は連携していると思われました。

     現在、2,746病院、5月届け出までで届けられています。病床数は9万8,105であります。入院料・管理料1は49.9%と、やがて50%に迫っています。

     今後の方向性についてですけれども、23年度末までに実施予定の施策ですけれども、許可病床数の見直しは、維持が8割弱、未定が1.5割弱、増やすが0.5割弱、減らすが0.1割強と続いております。地ケア病棟の見直しも、維持、増やす、減らすが今と同等でありましたが、種類変更は8施設に認め、取り下げはありませんでした。地ケア病棟の変更は下位から上への更新がほとんどでした。

     2025年から2040年への布石となります。

     まず社会保障の大流の鳥瞰ですけれども、1984年、残念ながら亡くなられました公立みつぎ総合病院の山口先生が打ち上げた寝たきりゼロ作戦から始まって、回リハ病棟、介護保険、亜急性期。地域包括ケアシステムは2005年に初めて介護保険のところで言葉が出てきて、社会保障国民会議、社会保障改革国民会議。このあたりは、ワイングラスから砲弾型、乳酸菌飲料型という話のところですね。それから2014年、地域医療構想、病床機能報告、地域包括ケア病棟ができた。2018 年は惑星直列、三位一体、入院医療の質評価、2020年はコロナ禍とコロナ対応。今年は地域包括ケア病棟ver2.0。2024年はトリプル改定に第8次医療計画、医師の働き方改革といったもの、2025年はいよいよ地域医療構想ですね。2040年には地域共生社会の実現というところであります。こんな中で我々は一体何をすればいいのかというところであります。

     第8次医療計画には、医師の働き方改革以外のことは全部載っております。

     地域医療構想で一番言われているのは、要するに急性期を減らして回復期を増やすというところでありますが、今回の改定で一般病棟用の心電図モニター管理が削除されて、DPC/PDPSの点数はさらにDRG/PPSに近づいています。急性期の診療密度が増えるんですが、ここはどうしても内科系高齢multimorbidity患者の重症度、医療・看護必要度に引っかかりにくくなってくると思います。受入れ先をいわゆるサブアキュートで地域包括ケア病棟ということになると思われます。

     今回の診療報酬改定、いろいろありましたけれども、高度急性期・急性期病院や地域包括ケア病棟の大幅改定から、地域包括ケアシステムや二次医療圏の中における自院の立ち位置をしっかり決めないといけないというところであります。

     地域包括ケア病棟は、いわゆるサブアキュートについていいますと、在宅医療はコロナで随分進化しました。それから、介護施設からの医療の入院が随分減る可能性があります。それは介護施設で診られるようになるからです。

     もう1つは、高度急性期の病院がすごくしっかりしてくると、入院しなくてもよい。外来でできるような治療がどんどん増える可能性があります。例えば大昔のケモと今のケモは全然違いますよね。

     そして、ポストアキュートに関していえば、やはり初発脳卒中は回復期リハ病棟が王道ですし、いわゆる急性期に入院した方がポストアキュートを経ずにそのまま介護施設や在宅に帰る、例えば肺炎とか誤嚥性肺炎、そういった方が増えているというデータもあります。そして自院ポストアキュートの制限、こういったところから地域包括ケア病棟の立ち位置をしっかりしていかないといけないということで、multimorbidityの話が出てきているわけでございます。

     それは地域包括ケアシステムの中でということでありますが、一方、地域医療構想の中では、先ほどの話ですけれども、急性期一般病床1をいわゆるサブアキュートに転換する受皿という点で非常に大事になってくると思われます。平成の転換先は自院ポストアキュートでしたけれども、令和の7対1の受皿の転換先はいわゆるサブアキュートだと思います。

     このようにいろんなものを見据えて、extensivistや老年医学医、特定行為研修修了ナースとか地ケア病棟を届け出る病院の組み合わせは、生活者としてのmultimorbidityのQOLだけでなくて、医師などの働き方改革や病院経営にも好影響をもたらすと予想しておりまして、その際、DXは必須だろうと思っています。さらに、ここにextensivistがくっつくといいと思います。

     2040年の地域共生社会ですけれども、この中で地域包括ケア病棟がまた活躍できるようなことになることを目指していきたいと思います。そのために今回の改定で地域包括ケア病棟が大きく変わったんだろうと思います。それが地域包括ケア病棟ver2.0だと私は思っております。

     以上でございます。

     御清聴、ありがとうございました。

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    【講演 2 】

    療養病床の地域包括ケア病棟を有する慢性期多機能病院の役割

    武久 洋三(日本慢性期医療協会 名誉会長)

    • 武久洋三先生1
    • 武久洋三先生2

     療養病床から地域包括ケア病棟を申請している病院ですね。ケアミックス病院とかいう言い方はもう古い、終わっています。ケアっていうのは介護ですから、病院はもう介護を基本的に入れない、すなわち介護医療院というのがあるだけですので、やっぱり多機能病院という言い方になってくるでしょうね。

     療養病床から地域包括ケア病棟にもなれるし、一般病床からもなれると。ここで差が出てくるわけですけれども、いわゆる高度急性期病院の持つべき機能を明確に示した。すなわち、皆さんもわかっていると思いますけれども、急性期病院というのは、7対1とか5対1とか10対1とか、要するに看護師さんの数だけで病棟の医療機能が評価されて点数が高いと。これに何とも思わない医者がいっぱいいるというのが不思議です。

     今回、急性期充実体制加算で、手術が2,000件とか、何が何とか、要するにこの病棟ではどんな医療を行うのかと、こういうレベルの高い医療を行うところを急性期充実体制加算にしようと、はっきりとその病棟に医療機能を入れた。要するに、看護師さんの数は関係ないじゃないの、何で看護師さんの数。80歳でもいいんだからね、それで医療機能は何なのか、看護機能じゃないのということです。

     「なんちゃって急性期」という言葉が結構はやっていましたけれども、今回の改定で、今までうちは急性期病院だと、仮に7対1が1病棟しかなくても、うちは急性期病院と言い張る病院が結構今まで多くて、これを厚労省の医系技監はなんちゃって急性期と言って差別していたのかな。

     今回の改定で厚労省が言っていることは、この①か②、すなわち①急性期充実体制加算か②総合入院体制加算のどちらかを取っている病院以外は急性期病院とは呼ばせないということがはっきりしました。今は総合入院体制加算から急性期充実体制加算にシフトする病院がほとんどですけれども、これが全部で大体500病院、それにあと1~2年で100病院増えると仮定して、全部で600病院を急性期と言う。それぞれの病院が500ベッドとすると、30万床。要するに、30万床が急性期病院ですよということを厚労省の医系技監がはっきりと示しました。ということは、それ以外は急性期病院とは呼ばれないということであります。

     皆さん御存じと思いますが、急性期充実体制加算は、地域包括ケア病棟を持っていたらなれないんですよね。そこで、厚労省の医系技監がこの地域包括ケア病棟をどのようにしたいのか、どう思っているのかということが大体わかると思います。そういうことで、回復期リハ病棟は持っていてもいいということになっています。

     今回の報酬改定の目玉ですけれども、最初に2014年に宇都宮・一戸コンビがやったときにはつくったんだから、急性期病院の中にあって7対1からの患者を紹介されて、あと1か月余分に入院してもいいという使い方をされましたけれども、明らかに今回それはなしやということですから、ここではっきりしたことは、急性期充実体制加算が取れそうな、もう一息なところは、地域包括ケア病棟があったら返上します、間違いなく。そして、急性期充実体制加算の病院を取るために必死になります。

     ここで、地域包括ケア病棟というのは大体日本の中でどういう機能を発揮する病棟かということをこの協会としてはっきりと打ち出さないといけません。要するに、急性期の病院の一つの病棟というのはほとんどなくなっていく可能性がある。患者さんは、この病院は地域包括ケア病棟がある病院か7対1の病棟がある病院かって知りません、病院の説明を見ても、何のことかわかりませんからね。要するに、ちゃんと整形の手術もしている、ある程度の救急も取っている、急性期の患者がいるということで、これは地域急性期という言葉になるわけですね。ということは、200床以下の地域の中でいろんな多機能な病棟を持つ病院のトップを地域包括ケア病棟にしたいという明らかな考え方です。

     その中には、在宅医療の実績要件。要するに在宅医療は、日本医師会には何ぼ言うたって、平均年齢が60歳前後の開業医が夜中にあちこち行けるわけないんですから。お願いしますと言っても現実にはできないんです。だから、地方にある病院が中心なんです。そこに開業医が一緒に連携してその地域の在宅を守る。その中心病棟が地域包括ケア病棟ですという認識をしていかないと。

     今回の改定で見たらわかるように、国は地域包括ケア病棟をこういうふうに持っていく。そのとおりしないんだったらバカバカ引くぞと。5%引かれたって赤字になりますよ。要するに、15%、20%引くことは、もうやめよということですよ、それ以外はもうやめなさいと。というと、やっぱり厚労省がこんな態度ではけしからんということになりますので、ああいうふうな何十%引きということですね。

     それから、救急医療は県立中央病院みたいなところに全部行かなくてもいいわけですよね。

     2014年に地域包括ケア病棟ができました。一般病床の地域包括ケア病棟と療養病床の地域包括ケア病棟、まるでスタンスが違います。一般病床の場合は、病院を守るための消極的な対応として地域包括ケア病棟を取る。療養病床は、病院全体のレベルアップを図るために、前向きな積極対応として地域包括ケア病棟を取る。これはマインドが全く違うんですね。国はどっちを見ているかというと、療養病床のほうですよ、どっちかといえば。一般病床でも、療養病床よりレベルが低い一般病床いっぱいありますから、現実問題としては、地域の中でそういうふうにやってくれということです。

     結局、急性期は地域包括に持っていったら駄目だよと。全体から言ったら9割を急性期に出さないといけないから、回リハも多分持たないよね、ほとんど。県立中央病院とか日赤病院のような大きな病院がやると。現実には、総合入院体制加算の病院から急性期充実体制加算の病院へどんどんシフトしている。総合入院体制加算の病院から行ってないところはほんのちょっとです、20病院ぐらいでしょうね。

     このような動きになっていくということで、一方で、療養病床は今までの体制のままいきたいところと、こんな状態ではいけないから、地域包括ケアを取ってどんどん地域の中で高齢者の慢性期救急をちゃんと診るんだという2つの流れがあって、日慢協の中でもはっきりと分かれています。日慢協に入会したいなと思うような病院の中でも、自分のところの療養病床に対するスタンスが全く分かれています。今までどおりのスタンスでいくんだったら、もうあなた方は地域医療には参加してくれなくていい、地域介護の分野でやってくださいということになります。

     救急も、本当に救急で緊急手術しないといけないような患者も1割ぐらいはいますけれども、大抵は軽度、中度で、しかも高齢者が圧倒的に多い。そうすると、本当に県立中央病院でないと診られない患者ばかりでない。それ以外の軽症な高齢者は地域の療養病床を持つところの地域包括ケア病棟で診てください。そういう患者を救急指定としてやってくださいという気持ちですよね。

     どんなことを慢性期救急としてはやってほしいかというと、こういうことをやってほしいわけですね。

     今までの療養病床というイメージが全く変わってしまって、要するに慢性期重症者治療病棟しか今療養病床で残っていないんですよ。あと残っているのは、医療区分の算定をいいかげんにごまかしながら、必死になって8割取っているところだけですよ。本当の意味では無理ですね。

     救急指定でなくても、病院というところは正当な理由なく急患が来たときに拒んではならないとなっているんですよ、これは医療法でなっている。

     実際に、この救急の流れがどうなったかというと、ここ20年で若い人が20%減って、高齢者が25%増えた。ますますこれからも高齢者の救急患者が増える。これを慢性期の病院にやってほしい。だから、今回の改定で最後のほうにもう一回追加になって、慢性期病床からの地域包括ケア病棟を持っている病棟は二次救急を取れと。取らないと5%引くぞというぐらいの気持ち。ということは、こういう人をぜひ地域で診てくれませんかということですね。

     65歳以上の世帯が実は61~62%です、もう既に。家でもなかなか診られないんですよ、おじいさんとおばあさんのいる家庭では。これの割合が40年間で倍増しているんですよ。日本はまるで変わりました。江角君とかうちの息子ぐらいの年齢の若い先生はこの変わり方がわからないと思いますけれども、私は80年生きていますから非常によくわかります。変わったなと。

     したがって、こういうふうに救急を2つに分けないとしようがないなということで、高度急性期病院に全部、軽い人をみんな入れたら、救急で行ったら夜中に県立中央病院の待合で30人も40人も待っているような状況になります。そうじゃなしに、軽い人を診てくださいよというのが今回の改定の主なことです。療養病床がかつての老人収容所的な療養病床ではなく、慢性期重症治療病床に変わったことを世間の人はあまり知らないから、いまだに療養病床の病院が地域の救急患者に対応できるのかな、いけるんか?と思っていますけれども、やる気があるところは十分いけます。

     療養病床は地域の高齢者医療にとって非常に重要です。療養病床の病院も地域の救急指定を取るように、取れるように地域の自治体に申し入れてほしい。県によっては、「えっ、療養病床が救急取るって。ほんまか」というような遅れた公務員がいますから、消防署の署長も「えっ」て言うのがいまだにいます。そこは意図が違うんです。

     今回の地域包括ケア病棟の6項目というのは在宅医療の実績です。今回は厳密に行われなかったけれども、これをちゃんとやっておかないと減算するぞということは、ちゃんとやれよということですよね。これは地域のクリニックの医師による在宅機能が十分でないことを踏まえて、在宅機能の拡充が急務であることから取った措置。

     今、地域の何とか医院、山田医院、田中医院がどうなっているか知っていますか。軒並み患者が減って、1日20人ぐらいしか来ないところが山ほどある、周りでばかばかやめている。往診なんて、70前後の先生が行けるわけがない、昼間元気なときに1日1か所なら行けるけれども、夜中に電話がかかってきたって行けませんよ。

     やっぱり最大の悪いところは、高齢者がめちゃくちゃ増えて医療と介護の間を行ったり来たりしているにもかかわらず、診療報酬は保険局医療課、介護報酬は老健局、ここで今回のこの6項目を医療保険対応者に限定しているんです。こんなばかなことないですよ。介護保険しか使えない人もいますし、医療保険しか使えない人もいますから。これは次回のときには両方にするべきで、むしろ6つのうちの3つとか4つにして医療と介護を一緒にしたら、患者さんは一人で介護保険を使ったり医療保険を使ったりしているわけですから、要するに家にいる人、在宅の人は全部、あなた方の地域包括ケア病棟で診てくださいよ、急性期の患者も診てくださいよというお願いです。したがって、地域包括ケア病棟は地域医療と在宅医療の中心とする位置づけを、厚労省の医系技官は思っている。要するに、在宅支援診療所だけではもう不十分だと認識しております。

     一人の患者が医療保険と介護保険を行ったり来たりしている。現状から、保険によって在宅サービスを使い分ける仕組みから、より効率的に使えるシステムに変えるべきです。また、地域包括ケア病棟における6項目の在宅医療の実績要件について介護保険も含める。

     あと1回、2回目、2026年の改定ぐらいにはこの6項目全てクリアしないと駄目というふうにしてくるだろうな。

     特に慢性期の地域多機能病院では、在宅サービスを提供していなければ、地域から直接患者が入院してきません。救急車等で地域の公立公的救急病院へ搬送されてしまいます。慢性期の地域多機能病院に患者が来るとしても、急性期病院からリハビリテーション目的で回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟へ来る患者さんに限られます。しかしながら厚労省はそういうことを考えていない。「最初からこの地域包括ケア病棟へ入れ」と。だから自院内転棟が6割以上あったら、「やめよ」と言っているわけです。要するに、自分のところの患者を囲うな、外から入ってくる患者を診ろということです。

     今は、この高度急性期、急性期、回復期、慢性期と病期別に機能がクリアカットになっている病院ってほとんどありませんからね、結局これはなくなるわけですよ。

     これは林先生が奈良に行ったときに示されたんですけれども、高度急性期と急性期、回復期、慢性期という制度があるからこうしたんだと思うのですけれども、下の慢性期のところを見てください。長期にわたり治療よりも療養が必要な患者。こんな患者、今の療養病床に一人もいませんよ。全体の8割以上が医療区分2、3ですから、10%ぐらいはひょっとしたらおるかもわからん。

     今回の改定では、この高度急性期病院というところが「急性期」になったわけです。つまり急性期病院というのは総合入院体制加算と急性期充実体制加算のどちらかを取っている病院です。それ以外は、急性期型の地域多機能病院か慢性期型の地域多機能病院なのです。この分類に全部入ります。要するに、療養病床だけの200床未満の慢性期病院はやがてなくなります。ということで、この600病院×500床の30万床の急性期病院に重症患者を集めるつもりです。

     したがって、今精神科を除く病院病床は120万床を切りましたが、療養病床と一般病床がやがて100万床を切ることは間違いない。2040年には100万床切ります。そうすると、急性期病院が30万床で、あとの60万床が地域多機能病院になる。私が死んだら、「先生の言うとおりになった」とお墓まで報告に来てください。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

     さて、急性期型の地域多機能病院はこうなるだろう、慢性期型の地域多機能病院はこうなるだろうと予想していますが、地域の住民はどの病院が急性期一般病棟か地域一般病棟か、誰も知りません。

     うちの堺市にある病院は296床です。救急指定を取っています。だけど、一般病床は一つもありません。地域包括ケア病棟で多くの救急患者を受け入れていますが、金土日になると100件以上の救急車が来ます。これらの患者をできるだけ受け入れております。コロナも、11床指定を受けていますが、関係ないですよ。地域の住民は、「あの病院は救急病院だ」と思ってくれているけれども、大阪府は一般病床を許可してくれないんですよ。大阪府は一般病床を増やしたくない、減らしたい。要するに、そんなのは地域の住民は知っていませんから。皆さん方が実際にどんな病棟でもいいからどういう患者を診るか、ではなく、どんな患者でも診ないといけないんです。

     したがって、ここの(急性期型)地域多機能病院の急性期一般病棟は要らないんですよ、地域一般病棟だけでいいんですということになってきます。慢性期の地域多機能病院は、回リハ、地域包括ケア、障害者、慢性期治療病棟、介護医療院、こういう病院が、多機能の病院が多くなりますし、皆さん方の病院はこれのどれかをきちっと決めて、今までも慢性期多機能病院だけれども、急性期多機能病院になるように努力する、それもいいじゃないですか。結局、療養病床ベースの地域包括ケア病棟と一般病床ベースの地域包括ケア病棟をどうするか。

     一例を出します。これは徳島の私の病院です。210床の病院で、周りに老健や特養やいっぱいありますけれども、このような状態下でこの8項目がクリアできるかどうか、減点なしに。

     救急告示していますから、まずは救急告示ありですね。自宅から入院した患者さんの割合が60%以上。これは実は明らかにポストアキュートですので、県立中央病院や日赤から来るので、自分の家から来るのは17.1%。自宅からの緊急入院が今現在30人以上が、35人以上ということになっていますが、これは特養とか老健とか、熱がぱかっと出ますから、それは緊急入院です。

     それから、この6項目、A、B、Cの①②③④⑤⑥、これも結局⑤の分がありということと、在宅復帰率が73.3%、入退院支援加算が取れているということで、ここの地域包括ケア病棟は減点なしということです。

     先ほど私の息子が発表した世田谷記念病院ですけれども、自宅等から入院した患者の占める割合が全体として62.4%で、自宅からの緊急患者の受入れも14人いる、訪問診療料算定もクリアしています。併設事業所の介護サービス提供もクリアして、入退院支援加算もクリアして、在宅復帰率も81%あり、ここも減点されない。

     今度は横浜の平成横浜病院ですけれども、これも救急指定であります。自宅から入院した患者の割合も38%、訪問診療も61回、併設もクリアしているということで、在宅復帰率が75%で、入退院支援加算1も届け出がある。

     要するに、病院だけではなしに、地域医療、地域介護に今までもずっとやってきたような病院は、今回の基準はめっちゃ楽。これに対して、この6項目を全てクリアできるようにやっていこうと私は思っています。

     療養病床が主体の慢性期多機能病院は、今後、地域包括ケア病棟をまともに運営できるかどうかが勝負になる。ゆっくり治療すればいいという昔の習慣が抜けない病院はちょっと厳しい。

     地域多機能病院の役割を明確にしていきましょう。医療サービスだけに特化していては厳しい時代、関連施設として介護保険施設の設置、在宅(訪問・通所)サービス提供は必須であります。病院は、地域包括ケア病棟などでリハビリテーションを実施し、短期間で在宅復帰してもらう。2単位包括なんて言ったって、33%の病院は0単位だったんですからね、3~4年前に調べたら。これが原因でやっぱり20分間1単位としてしないんだったら、1単位ずつやったら点数やるよとしなかったら、病院というのは言うことを聞かないんだなと、患者のためにええと思うことはしたくないんだなと厚労省のお医者さんは思いました。したがって、2014年に宇都宮・一戸さんがリハビリを包括性にしようと思って必死になってしたことが、この8年間、何の意味もなくなったということが問題です。

     要するに、急性期病院からの紹介患者を増やして自宅等からの入院患者を増やす。自宅からの入院患者を増やすためには、地域連携部門の拡充が要る。外来患者・往診患者を増やす。往診も要るんですが、周りの診療所と連携をして、うちの病院から訪問看護、訪問リハビリ、訪問介護、協力します。緊急入院もオーケーです。その代わり、往診は行ってくださいねという連携をしないと、今全国では診療所の先生は地域の慢性期の病院には絶対紹介してきません。どうしてかというと、紹介したら長く入院させられて、場合によっては取られちゃうんです。県立中央病院に紹介したら1週間でもとのとおり帰ってくる。だから、我々の病院は、診療所の先生が診ていらっしゃる在宅患者さんを、熱が出てきたら入院1週間以内で治療して返さないといけません。そうすることによって地域連携が成り立っていくんです。

     役割分担ですね。診療所のフォローだけでは、その日のうちに血液検査結果は出ません。今の時代にそれは無理です。病院医師と診療所医師の連携が必要です。毎月のフォローは診療所、年に2~3回は病院でフォローする。また、病院は往診されている近所の診療所と連携することで機能を分ける。さらに、病院では地域連携部に優秀なスタッフを配置して、自院に有利な運営をせず、患者の希望を優先し、かつ紹介元の意向を尊重してください。

     地域に選ばれる病院とは。日本は皆保険によって、どこの病院でもあまり変わらない負担金で医療を受けられるので、よりよく治してくれる病院が選ばれます。よりよく看取るってくれる病院が、家族の言うとおりにするから、そのほうが地域で信頼されるだろうと思ったら大きな間違いです。ちゃんと治してくれる病院。患者が来なければ病院は継続できません。外来も入院も地域の他の病院より少しでもよいサービスを提供するべきであります。患者が病院に望むのは「よい結果」です。

     リハビリテーションの革命が必要です。今の日本のリハビリテーション提供体制は、患者のためのリハビリテーションではなく、病院やリハビリテーション療法士にとって都合のよいシステムになっています。リハビリテーションは変わらないといけません。おむつをして、鼻から経管栄養のチューブを挿入したまま歩行訓練に力を入れているPT・OTがいます。優先順位が違うんじゃないですか。患者本人にどの機能の回復を望むかを確認するべきです。

     厚労省が地域包括ケア病棟に望んでいること。よく見ておいてください。

     地域の救急患者を受入れてほしい、地域一般病棟機能を担ってほしい、急性期一般機能じゃなしに地域一般病棟機能を担ってほしい。地域急性期から亜急性期の医療を担ってほしい、リハビリテーションを充実させてほしい。在宅復帰機能を充実させてほしい、在宅医療との連携をしてほしい、6項目の在宅医療等の実績全てを満たせるようにしてほしい、急性期病院との連携をしてほしい、慢性期病院との連携をしてほしいというようなことを厚労省のお医者さんは期待していますので、この方向に地域包括ケア病棟の機能が動いていくことは間違いありません。急性期病院で300床ぐらいの病院で、何とか7対1もあるし、そこへ地域包括が来て6割までだったら移していいから、59%で必死になって地域包括に移す、そんなことをやっている病院に明日はありません。

     御清聴、ありがとうございました。

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    【講演 3 】

    地域包括ケア病棟の役割と今後の課題

    小山 信彌(東邦大学医学部 名誉教授)

    • 小山信彌先生1
    • 小山信彌先生2

     皆さん、こんにちは。加藤先生、過分な御紹介ありがとうございます。

     過分な御紹介をいただいたんですけれども、武久先生の後の講演はつらいですね、大変つらいです。ある意味、僕は急性期でずっと生きてきましたので、地域包括ケアはもちろん、慢性期の病棟医療に携わったことがほぼないです。その状況の中で、何でおまえがここに立っているんだというのは、田中先生の御指名で、今まで、確かに急性期医療の診療報酬改定に10年以上、20年近く携わってきたということで、その視点からこの地域包括ケアのことについて述べろと言われて来ましたけれども、せっかく皆さん気持ちよく武久先生の話が終わった後、申し訳ありませんけれども、しばらくお付き合い願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

     今日私は、立場とすると、平成26年から始まった地域包括ケア病棟がどのような変遷をたどってきたかをお話しさせていただきまして、この評価がどのようにして行われているのか、そしてこの病棟の課題は何なのかということについて、ざっくりした話でありますけれども、話させていただきます。

     これは、先ほどの仲井先生のスライドでもありましたけれども、地域包括ケアシステムというものを平成26年に考え出したわけですね。団塊の世代、我々が2025年をめどに、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現するという形でもって、地域包括ケアシステムがこの年に提案されました。そして、その中心となるのが、恐らく急性期病院、亜急性期・回復期、そしてリハビリ病院という形になるんだと私は理解しております。

     平成26年度の診療報酬改定の重点課題として何が上げられたかというと、社会保障審議会の「基本方針」として、医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実ということをうたっております。そして、この重点課題への対応として入院医療が述べられております。高度急性期は高度急性期として別ですけれども、入院医療の3つの部分、長期療養患者の受皿の確保、急性期病床と長期療養を担う病床の機能分化。そして急性期後・回復期の病床の充実と機能に応じた評価。地域の実情に配慮した評価という形でもってこの病棟がつくられるということであります。

     真ん中に地域包括ケア病棟というものを置いておりますけれども、先ほどもお話があったとおり、病床の機能分化の促進の中で、7対1の超急性期で地域包括ケア、そして有床診療所の機能に応じた評価、これが病床の機能分化をしますよといって、この地域包括ケアの真ん中的な立場に入るのが地域包括ケア病床で、地域に密着した病床であるという位置づけであります。

     先ほど来お話があるように、ここには3つのミッションが出ました。在宅復帰困難な患者の受入れ、それから緊急患者の受入れ、在宅であります。26年に、それこそ先ほどお話にありました宇都宮先生が鳴り物入りでこれをつくったという形であります。

     地域包括ケアのイメージと要件というスライドです。真ん中に地域包括ケアがありますよということですけれども、私が一番目をつけたのは、地域包括ケア病棟の役割、特に入院患者データの提出というところであります。ここがすごく大事なところだと私は考えています。なぜなら、約20年近く診療をやっておりますけれども、何しろDPCの場合は全てのデータがいわゆるEFファイルに蓄積されて、そのデータをもとに全ての診療報酬改定が行われております。このことによって、いろいろ点数のつけ方等々に文句を言いたくても、もう数字が出ているものですから、これに対してはどうもあらがうことができない。そういう意味で、僕はこれはやっぱり2匹目のドジョウを狙ったんじゃないかと。つまり、データを全部出してもらいますよ、そのデータをベースにこの地域包括ケアは評価していきますよというので、ここのスライドの中で一番重要なのは、赤で囲んであります入院患者データの提出ということであります。

     つまり、我々DPCでは自分のデータが常に評価されるので、そこが一番大事なんだ。そういう意味では、一番いい医療を提供する。武久先生がおっしゃったとおり、患者さんにとって最もいい医療を提供すればそれが評価されることになる。逆に、病院の収益を考えて、特にDPCは包括ですからなるべく余計なことはやるなというような話でもって縮小してくると、どんどんその評価は小さくなっていくということをさんざん我々急性期病院では知ってきたんですけれども、それがまたここでもやられる、そんな方法で考えているなというように感じました。

     この急性期病床の充実と機能に応じた評価ということでもって、当時、この点数が大変高い点数というふうに考えられております。いろいろなものをつけると約3,000点ぐらいになるわけですから非常に高い点数で、一気にこの病床にみんな手を挙げたわけですけれども、今お話ししたようなことがこれから起こってくるということであります。施設基準は12までありますけれども、こういう施設基準を目指して、2,558点に配置加算だの補助者配置加算等々を足していくと3,000点に近くなるということであります。

     地域包括ケア病棟の役割。

     もう一度言いますけれども、急性期医療後の受皿、ポストアキュートというところと、在宅患者の亜急性期の受入れ。先ほどから言っている亜急性期の受入れのところですね。在宅復帰支援ということで、この普及の目的に大変高い評価をつけたんですけれども、注意しなければならないことが、全ての診療データの提出が求められているということであります。そして、そのデータに基づく再評価が行われてまいりました。

     次の改正の28年度のときには、データがまだ蓄積されておりません。基本的に、2年前の10月から昨年の9月までのデータをもとにして評価するというのがDPCのやり方ですけれども、データとすると約2年前からのデータの蓄積をやっていきますので、28年度のときにはあまり大きな改定がなされなくて、退院支援というところに重きが置かれた改定であります。

     30年度の改定、これは急性期のところで非常に大きな、ドラスティックな改定がありました。それは、7対1のところを急性期の1、2、3として、1が別格だったのを、2と3に行きやすい方策を取るというのが、迫井先生がやったところですけれども、ここのところでもって私が目をつけるのは、はっきりここで急性期医療~長期療養というふうな、これはメッセージだと思うんですね。

     厚労省のつくるスライドは、本当に気をつけていかないととんでもないところにとんでもないものが入っていて、それが前面に出てくるということが多々あります。ここでは急性期医療と書いてあるんですけれども、急性期医療~長期療養のところに評価しますよと言ったのが30年度改定の一番大きなところかなと思っております。

     その次が令和2年度の診療報酬改定です。ここから今お話ししたようなことがだんだん起きてまいります。医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価という形になったわけです。

     地域包括ケア病棟入院料のところでは、地域包括ケア病棟の主な3つの機能をバランスよく発揮することができるよう、地域包括ケアに係る実績や入退院支援等に係る施設基準を見直す。また、同一医療機関内で転棟した場合の算定方法を見直すという形でもって、ここでようやくいわゆるデータに基づく改定を行おうとしているわけですね。

     ここのところでもって、まず1つ目が実績要件の見直しというところでありますけれども、同一医療機関内の一般病棟から転棟した患者の割合が一定以上である場合には入院料を見直す。

     どうしてこういうことになったかというと、全てデータなんですね。自院の一般病棟から地域包括ケアに移った患者さんのコストと、他院から地域包括ケアに入院した患者さんのコストを全部詳細に並べられて中医協に出されて、これだけ差がありますということでもって、ここの評価は考える必要がありますよねという議論の中でこういう形になったわけです。

     さらに、実績のところでは、入院患者に占める、自宅からの話が武久先生のところでありましたけれども、1割だったものを、全体の流れを見るとこれは15%まで上げていいだろうと、今まで20回だった前3か月における在宅患者訪問診療料の算定回数を30回に上げてどのぐらいの影響があるかが、全部見えているわけですね。

     先ほども令和2年と令和4年の比較が出ておりましたけれども、全てのデータが、こういう改定をするときには、こうしたらどのくらいの病院が引っかかって、どのくらいの病院がクリアするかというのを厚労省の人たちは全部わかっていて、こういう数値を出す。極めて際どい数字を出してくるんですけれども。そういった意味で、このデータ提出というのはすごい大きな意味を持ってくると御理解していただきたいと思います。

     一番下のところでさらっと書いてあるのは、許可病床数が400床以上はもう駄目ですよということをはっきり言っています。つまり、どちらかというと200から300前後の病床を中心としたのが地域包括ケアですよ。大きな、例えば500床ぐらいの、公的な病院が多かったと思うんですけれども、自分の病棟が空きがあるときには、そこの100床ぐらいを移してしまって、それでもっておいしいところを取ろうとしたんですけれども、これが全部見透かされて、駄目になったという話であります。

     令和2年度の診療報酬改定のところで幾つかいじられてはいるんですけれども、ここで一番問題になったのは、満たせないものとして届け出た場合には入院料の所定点数の100分の90、10%減算しますよというんです。

     実は、厚生労働省の今までの改定とずっと付き合った中で、減算という言葉にものすごく敏感に反応して、少なくとも急性期で減算というのはほとんどないんじゃないかと思うんですけれども、ここでもって減算というのが出てきた。待てよ、何で減算が出てきたのかなという目でこの令和2年度の改定のところを見てまいりました。満たせないものとして届け出た場合は入院料の100分の90に相当する点数を算定するということになりました。

     ここでもってもう一回言いますと、地域包括ケア病棟の評価は、普及目的で高い評価を受けておりますけれども、全ての診療データの提出をさせられて、DPCと同じ手法が取られています。データに基づく再評価が行われ、詳細なデータが全て集積されて分析されて、今回減算という、伝家の宝刀と言っていいのかわかりませんけれども、評価の導入が本格的に始まったなというイメージでこれを読みました。

     ここのところでもって令和4年度です。今回いろいろな減算がいっぱい出ましたけれども、地域包括ケア病棟入院料の施設基準のイメージのところでもってこういうような点数が導き出されたわけです。例えば、自宅等からの緊急患者の受入れ9人以上。9人って微妙な数字ですけれども、これも全病棟のデータが全部あります。そうすると、大体ここら辺で切るとこのくらいだなというのをわかってやっているんですよね。なかなか際どいところを切ってくるな。こういう数字が出てくるのは、鉛筆をなめながら、9人ぐらいでいいやじゃなくて、全ての地域包括ケアの病院から出されたデータをもとにして分析した結果、この9という数字が出てきたんだと思っております。

     もう1つ、今回の令和4年度の改定で目についたのが、先ほどから武久先生もおっしゃっているとおり、救急の実施が全面的に出てまいりました。一般病床において届け出る場合には、二次救急あるいは救急の指定であるということでもって、ここで一番目につくところが救急の実施であります。ここは、一番最初からやってくださいねというふうにずっと言い続けてきたところが数字として出されてきたわけですね。どのぐらい必要なのかというパーセンテージについては全部わかってやっているということであります。

     さらに、自院の一般病棟から転棟した割合、自宅から入棟した患者割合、自宅等からの緊急患者の受入れ、在宅医療等の実績、在宅復帰率、これ全部、全国の平均値が出され、しかも、地域包括ケア病棟の1番から2,000何番まで全部並んでいて、どこで線を引くかというのを全部見ているわけです。

     一般病棟から入院した場合には60という数字を持ってきたわけです。これが今後どういうふうになってくるのか。あるいは、自宅からの受入れが2割になっていますけれども、ここら辺のところも、次の令和6年の改定に向けては、今回のこの改定がどのような方向に動いてくるかによってかじを切ろうとしているのではないかと思います。

     実績要件の見直しのところは、今お話ししたとおり、救急病院であることが要件化されたということであります。実績要件のところでは、医療・看護必要度が見直されて、心電図が外されたという話が出ておりましたけれども、ちゃんとその分は引くような形でもって評価をされていますので妥当なのかなと。しかも、1割2分になったらどのぐらいの病院が引っかかるかというのを全部わかって、切っているんですね。

     もう1つは、自院からの転棟の割合が、許可病床数が200床以上400床未満の医療機関についても要件化するという形でもって、しかも15%引きと。15%ってどういう計算で持ってきたかというと、比較しているわけですね。つまり、ダイレクトに外から入った患者さんの医療費と自分のところから入ってきた患者さんの医療費が数値として出ているわけです。これを比較した場合にはどのくらいのパーセンテージを引いたらいいだろうかということが全部緻密に計算されて、その上で出てきたものです。15%というのはすごいなと思うんですけれども、この制度をつくった人に言わせれば、その分、収益上がっていますよという話でもあるわけですよね。そういう意味では、このデータをベースにした改定はすごく怖いなと思っております。

     さらに、ここも先ほど武久先生が話されましたけれども、療養病床のところでも、95のところが、この3つの要件を満たせば全部、100%でいいですよという話になったわけです。

     こうなってくると、療養病床が救急に手を出してくると、今まで地域包括ケアで救急をやっていたところにとっては非常に脅威になるんじゃないかと、僕は今回の改定の中で見ております。

     地域包括ケア病棟入院料の初期加算の見直しがこのように全部なされたわけです。結構細かい数字が出ておりますけれども、今お話ししたように全てのことがデータに基づいて行われたと理解しております。

     地域包括ケア病棟の入院料の施設基準については、救急医療の実施がより明確になって、自院からの転棟割合の制限を受け、自宅からの入院割合を上げ、自宅からの救急車の受入れを増やし、在宅復帰率を見直した。こうなったときにどうなるかというのを全部シミュレーションしながら全部計算して、今年の予算はこのくらいだから、このぐらいまで計算が出来上っているということであります。大雑把でありますが、こういうお話であります。

     まとめでは、令和4年度改定は大変厳しいものになったと私は見ました。ただ、武久先生のお話のとおり、まともに地域包括ケアを本当に正面から捉えている病院にとっては、なるほどな、そうだよねという感じだと思います。

     何がメッセージかというと、やっぱり13対1の急性期病院化だと思うんですよね。慢性期だろうと地域包括ケアだろうと、いわゆる先ほどあった、在宅をしている患者さんが、ちょっと熱が出ました、ちょっとおなかを下しましたという患者さんは全部、超急性期に行くんじゃなくて慢性期で診てくださいねという強いメッセージが今回のあれだと思います。慢性期病棟にも急性期の対応を求めているというのが今回の大きな目玉だと思います。

     地域包括ケア病棟は本来の役割を果たさないと消滅すると言ってもいいと思います。もう要らないよと、急性期は慢性期が診てくれるよということになります。先ほど武久先生のところで「なんちゃって急性期」と言われたので、仕返しするわけじゃないですけれども、「なんちゃって地ケア」は不要だというような思いをしながら、今回の改定を見てまいりました。

     以上、雑駁ではありますけれども、私のお話を終わります。

     どうもありがとうございました。

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    【講演 4 】

    コスト・センターからプロフィット・センターへの転換

    小山 秀夫(兵庫県立大学大学院 社会科学研究科 特任教授)

    • 小山秀夫先生1
    • 小山秀夫先生2

     加藤先生、ありがとうございます。

     田中大会長から何を話してもいいというので、すみません、あまり大した話ではないんですけれども。

     これが略歴で、COI開示。セルソースという会社の監査役をやって、サイトカインの会社ですが、ずっと再生医療関係の話をしています。とてもおもしろいなと思っています。

     COVID-19です。こんなことになって2年以上過ぎたんですけれども、病院関係者とか介護保険関係の方も本当に御尽力されて、頭が下がるばかりです。

     もう1つ、Putin’s Warといって、やっぱりかなりきついな。私、LINEもやっていますし、メールも発信していろいろ連携を取っているのと、かなりいろんな各県の看護とかリハビリテーションの方々の現任教育とかもやっていますのでいろんな話を聞いていますが、やっぱりかなり皆さんお疲れだということです。

     今日は、全く別のことで、ムーアの法則の絵を持ってきました。半導体の集積率が18か月で2倍になるってゴードン・ムーアが言ったんですが、今続いているのかどうかって大議論です。多分2年に2倍ぐらいになっているという形で。今私たちが持っている携帯電話は、1973年のときの大型コンピュータ。大型コンピュータというとこの体育館の半分ぐらいの大きさだったものと同じ能力を持っている。これがどうなるのかということです。20年もするとウェアラブルになると言われています。このことに関してちょっと最後に何か言いたい。

     日本の病院は、ほんの一部を除いて大丈夫なのかなと。何を言ってもいいというから、はっきり言いますが。もう少し真剣にやらないと置いていかれますよと言っているんですが、まあ様子を見て大丈夫なんじゃないかと。そんなことないですよ、あとで、最後にびっくりすることを言いますから。本当に日本の医療そのものが、日本のヘルスケアシステム全部が情報産業に乗っ取られるという想定をしています。

     Amazonが21日に、遠隔診療の会社を5,300億ドルで買収しているわけですよね。日本にその会社の子会社もあるんですよね。一気に行かれないように。別にムーアの法則はどうでもいいですけれども、このことに関してあまりにも無防備だと思います。

     コスト・センターからプロフィット・センターっていうのは、もうやけになって言っているんですが、一般企業ではプロフィット・センターとコスト・センターというのがあって、営業部隊とか何とかで稼いでいる部門と、総務とか人事とか労務とかやっている、いてもいなくてもいいんだけれどもコストばっかり食いやがってと言われている人たちがいるんですね。

     産業界の人たちと話していると、かなりいろんな人と話していると、実は、企業の人は医療費をコストだと思っているんですよ、間違いない。これを変えないと、日本は潰れちゃうんじゃないかという話なんです。私が言ってもしようがないですけれどもね。社会保障はコストだからなるべく安いほうがいいと言ったって、社会保障をしっかりしておかなきゃ、子供は産れないし、年寄りはぐちゃぐちゃになっちゃうし、認知症の症状が出た親を持った家族は介護離職で働き手もいなくなっちゃうわけですよね。もうちょっと真面目に議論しないと駄目かなと。ヘルスケアは技術革新も雇用も生み出して経済成長に寄与していることは間違いないので。

     経済学がどうのというよりも、あまり付き合うことがなかったんですけれども、最近付き合っている人は一部上場の人ばかりなんですよ。一緒にいてずっと違和感があるんですけれども、医療の話とか介護の話とかされるんです、向こうが。私は別ににこにこ笑っているだけで、何か食べさせてもらえるのかなと思っている。でも、完全に彼らは単なるコストだと思っているんですよ。だから、安ければ安いほどいい。悪くても安いほうがいいと思っているんです。これが日本の医療をとっても悪くしているんじゃないかと。このことにちゃんと応えていかないと駄目なんだと。

     財務省の事務次官が文藝春秋に書くとみんなで大騒ぎしていますが、そんなこと言わせておいていいんですか。だって、社会保障がなかったら国民生活が守れないじゃないですか。その一部で一番寄与しているのは医療なんじゃないですか。私は本当に何か変な国だなと。経済が駄目になったのは経済界の人間たちが悪いんでしょ。それを、結局うまくいかなかったからって、今度は社会保障はコスト・センターだから少なくしろと言われるのはすごい嫌だ。このことをちゃんと知ってほしいんですよ。目先利益みたいな議論ばかりしないで。診療報酬が何点上がろうが、関係ないじゃないですか。医療費を払いたくないと言っている人たちが大部分で、自分が病気になったら一番最高の医療が欲しいって、何を言っているんだかよくわからないですね。社会保障が平和と国民連帯のシステムだということを忘れて、単なるプロフィット・センターとコスト・センターに分ける議論をやってみると上下が逆さまで、ヘルスケアのパワーをしっかり認識してもらわないと困るということが私が言いたいことです。私が言っても、誰も聞いてくれないんでしょうけれども、みんなちょっとは応援して、小山が言っているのは本当だとか言ってもらわないとまずいですよ。本当に根本的にまずい。

     今回、一番よくわかったじゃないですか。COVID-19で医療の話で、日本の病院は病床がいっぱいあるんだってさとかって、おまえ何で今頃出てきたこのばかがと。昼のワイドショーとかたまに見ちゃうんですけれども、本当に殴りたくなりますね。そんなことも知らないで今まで生きてたのかと。すみません、これ以上言うと血圧に悪いから。

     ヘルスケアをどのような側面で考えているかというと、医療費が高くなり国が潰れるかもしれないとか、医療はコストが高くて無駄ではないか、もっと医療に投資すれば世の中がよくなるんじゃないか、デジタルトランスフォーメーションが進めば人間はもっと健康になるかもしれない、病気も医療も変わり健康になり社会も変わるとか、いろんなことを言っているやつがいるんですが、病院の経営者は、病院の中の経営問題には熱心なのかもしれませんけれども、ただただ医は仁だとか、世のため人のためとか、訳のわからないことを言っているんですよね。でも、上の5つと下の2つは全く、よくわからないですけれども、宇宙人と地球人の交信みたいな感じになっているんですよ。どうしてそれをきちっと説明していけないのかというので、説明する役ぐらいは私かなと思っています。

     さっき武久先生がおっしゃっていました急性期充実加算ですけれども、総合診療体制加算はともかく、これ、めちゃくちゃな点数で、460点なんですよね。ということは、急性期病院は7日間で仕上げろっていうことなんですよね、結局。そうしたら4,600円げたを履いてやるって。そうすると、10%と見ても、日当点で給食料を除いて4万6,000円以上の急性期病床って急性期じゃないよね。そういうことになるんですよ。だって、これ10%足したに決まっているんですから。だから、4万6,000円、4,600点以上の病院しか急性期と考えていなかったと言ってしまえばすごくわかるんですね。

     高度急性期専門病院というのはこれで決まりなんですが、急性期充実体制加算は後で教えてもらわないといけない。大学病院は算定できないんですよね。だから、大学病院は先にげたを履いているという。こんなことを言うとまた後で引っぱたかれるからやめておきますが。

     高度急性期専門病院には地ケア病棟は要らないんですよ。地域多機能病院って武久先生がおっしゃっているのはせいぜい300床ぐらいのもので、600床の地域多機能病院なんて考えられないですよね。なぜ考えられないか言いますが、地方都市にはケアミックス型地域多機能病院。これなくしては日本の医療は崩壊してしまうということです。

     釈迦に説法かもしれませんけれども、日本には1,741の市町村があるんですよ、御存じですか。1,741番目が双葉町で、人口がゼロなんです。その上は青ヶ島村で。

     大好きな話をしちゃうんですけれども、実は、1,741のうち、市は815市あるんですよ、この国には。町は743、村は183あるんです。市が大きくて、町がすごく小さくて、村はもっと小さい、それが間違いなんですよね。1万人を下回っている市が日本には4つあるんです、全部北海道なんですけれども。それと、はっきり言いますが、人口の多い市町村別に並べると、これも余計なことばっかり言っているんですけれども、760番目、半分より上が、南陽市っていう山形県の市ですけれども、これは2万9,956人の人口しかないんですよ。

     言いたいことをもうちょっとはっきり言いますと、もっとはっきり言ってしまっていいのかどうかわかりませんけれども、日本の139の市は人口3万以下なんですよ。志田先生の話は、私はそうだと思っているんですよ。3万人を切ったら、一般の市立病院で200床は維持できないんです、病床利用率6割ぐらいしかいないんですよ、計算したらわかるんですよ。ということは、人口3万人以下の市では病院が急性期でスタンドアローンできないんですよ。どうしてこんな簡単なことを厚生省の頭のいいやつらが理解できないのか。みんな都会育ちだからですよ。

     私言えますよ、悪いですけれども。一昨日、和歌山県に2日間行っていましたから、和歌山県の下まで行ったから、太地町、新宮市、那智勝浦町、市町村言えます、順番に言えますよ、どこに病院があるかも言えますが、大変なことになっている。南紀はもう医療はがたがたですよね。ちょうど真ん中ぐらいに有田市っていうのがありますけれども、有田市立市民病院はもう経営できなくて、自治医科大学の地域医療が4月1日からやってくれることになりましたけれども、そこに産婦人科一人が頑張っている。車で右も左も1時間ぐらいかかるところだから、半径2時間ぐらいのところで産婦人科一人が頑張っている。本当に頭が下がるというか、大変なことになっているんですよ。

     高齢者の話はもうちょっと薄まるんですけれども、産婦人科医療とか小児の医療とか、例えばですけれども、総合周産期医療センターがどうかとかいうことをやってくると、もう真っ暗。病院で産婦人科をちゃんと24時間対応できるようにするには、少なくとも3人ぐらい要るかもしれませんね、お医者さんね。20人ぐらいの助産師さんも要るかもしれませんけれども、それだけの人を支えられる市立病院って幾つあるんですか。大問題なんですよ。私はそう思っているというだけ。余計なことを言いましたけれども。

     だから、地方都市にはケアミックスの地域多機能病院しかもう無理なの、特に人口3万人。今日はいろんなことを言っていいっていうから、本当のことを言いますけれども、人口3万人以下の市で、医療法人であろうが、病院の入院だけやっていて、経営なんかできないじゃないですか。だから、みんな一生懸命介護やったり在宅やったり終末期やったり介護と組んだり、老健施設やったり特養やったり、訪問看護、在宅介護やっているんじゃないですか。つまり、もう人口3万人以下の150床以下の病院は病院じゃない。病院から見るからわからなくなるんですよ。だから、何かよくわからないんですけれども、医療も介護も、何だったら教育も福祉も、全部に医療が持っているパワーを費やしていくということなんじゃないかということです。

     もうちょっとはっきり言うと、地域包括ケア病棟じゃないんですよ、もう3万人以下は全部。はっきり言っているじゃないですか、地域包括ケア病院だって。それしかもうないの、選択が。大都市部とか、世田谷区でこんな話をしたら笑われちゃうでしょ。でも、もう一回言いますが、人口3万人以上の市町村って半分もないということです。そこに住んでいるわけですよ、みんな。人口の比率では3万人以上の市が多いですけれども、なぜ人口3万人以下の市町村のことを考えて医療とか何とかを考えてくれないんでしょうかね。高度医療とか大学病院とか総合周産期とか救命救急センターとか、そんな話ばっかりしていて、地域住民の生活はぐちゃぐちゃになっているじゃないですか。

     その中で、ハイパフォーマンスをやっている人とローパフォーマンスやっている人がいて、人口3万人以下の市でも一生懸命ハイパフォーマンスやっている先生たちがいるということを認めて、それをシステム化していかなきゃ駄目だよ。ねっ、志田先生、そう思われません。間違っているんだって、病院だけ見るから。

     ついでに、すみません。会長の能美市は4万9,000人の人口で、田中大会長のところは4万人ちょっとですよね、人口。もうすぐですから、3万人割るの。そう思いませんか。そう思っていないから、まだ急性期やれる市立病院がある。私、人口3万人以下の市立病院なんて、急性期だけなんてどうにもならないと思っています。

     ヘルスケアは社会を支える大きな力。いろんなこと書いてありますけれども、入院患者の74.6%が65歳以上になってきているんですから、人口が少ない、3万人以下ぐらいの市町村の医療体制から地域包括ケアを考えるべきだということです。

     これは看護職です。2010年と2020年の間に看護師は21.2%増えたけれども、准看が43.7%減って、看護師全体では3.6%しか増えなかったって知っていますか。日本の看護は全く力を落としているんですよ。そうでしょ、だってお年寄りばっかり増えているのに、生活介護みたいなものには全く手が回らなくなってきているわけですから。今どき、人口3万人の市で自分たちは急性期だと言っている人がいたら、かなり精神的な急性疾患ですね。私はおかしいと思います。すみません。

     病院の寿命は30年、組織の寿命は3年。やっぱり医療組織の合理性とコミュニケーションアビリティとか、本当にもう少しリアリティを追求して日本の社会とか医療のことを考えてほしいなと思っています。

     事業環境が急激に変化する。今回の社会医療ニュースに書きましたけれども、入院受療率も外来受療率も下がっているんですよ、さらに人口も減っているんですよ。行くのは地獄ですよ。私たちは地獄に向かっているという認識がないわけでしょ。どうにかなるっていったって、お客さんがいなくなっちゃっているのに、ベッドだけあったってしようがないんじゃないかと思っています。

     デジタルトランスフォーメーションはぜひお取り組みください。これなくしては、人口が少なくて戦っていけない。アメリカでは、遠隔診療がコロナ前と後では16倍ぐらいになっていると言っているんです。よろしいですか、遠隔診療が当たり前になる、ドローンが飛ぶのも当たり前になる時代に行っているわけですから、もう少しデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいただけないかと。

     あとは私の宣伝が入って、すみません。

     田中先生、ありがとう。久しぶりに勝手なことを言わせていただいて、楽しかったです。

     ありがとうございます。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    【討論】

    • シンポジウム2_討論

    ○加藤章信 あと5分ぐらいしかないんですけれども。すみません、司会進行が不手際で。限られた時間ですけれども、せっかく各領域のスーパースターの先生が結集されましたので、1つ2つだけ私からお伺いしたいと思います。

     まず1つは、今日の御発表で、在宅医療というのは非常に大事になるんだというお話でしたし、在宅医療と地ケア病棟との関わりはどういうふうに進めるべきなのかといったことは一つ大事だろう。

     先生方、触れられてまいりましたけれども、まず仲井先生。

     

    ○仲井培雄 在宅医療は取り組まなければいけないと思います。

     今日のプログラム全体でいうと、地域によって全然違う。特にシンポジウム1、全然違いました。そこがポイントでして。

     私は地域包括ケア病棟を語るときに、いつもmultimorbidityという言い方をしています。それはなぜかというと、公式的な基準とかそういうことは言えても、そこから先に何かモデル的なことを言うと全て消えるんです。どうしてかというと、それは地域によって全然違うからです。地域包括ケアシステムも、こんなモデルがあるよ、あんなモデルがあるよと言えますけれども、それはそこの地域のことでしょ、そこにあるストラクチャーとか民意とか文化とか、そういうものが全て重なってできたものであって、何かモデルを出すと全て泡のように消えるイメージが自分の中ではあります。私は一切それは言わないでおこうと思っています。それがmultimorbidityを中心とした地域診療拠点という言葉に集約してあります。

     ですので、在宅医療は必要です。必要ですけれども、それは小さいところと大きなところと、いろいろあると思います。

     以上でございます。

     

    ○加藤章信 ありがとうございます。

     武久先生も在宅のことを触れられておられました。何か追加するというと失礼ですけれども、何か御意見いただければありがたいと思います。

     

    ○武久洋三 私の講演は一風変わっておりまして、御迷惑をおかけしております。

     私は、厚生労働省の中におるお医者さんは評価しています。厚生労働省へ行ったら、給料めちゃくちゃ安いんです。ほかの病院に勤めたらいいんですよ、特に若いうちは。それにもかかわらず、日本の医療をよくしたい、国民に対していい医療を提供してほしいと。トップクラスになったらまた別ですよ。だから、やっぱりこういう人たちがこうなってほしいなと思うことを診療報酬に反映させてくれておりますので、彼らが考えるいろんな政策については、まずは肯定してから吟味して、やっぱりこれがいいなと。

     今回の改定は、現場の地域包括ケア病棟を持っている病院にしたら、何だこれはというところだけれども、日本全体の医療から考えると、何もかもが大体90万床が一般病床で急性期で、30万床が慢性期、そんなばかな話ないじゃないかと。ここで本物の急性期をきちっとして、それ以外は地域だけの病院でやってもらうほうがいいんじゃないか。

     私も地方におりますが、地方の医療を考えたら、地方の県でも、特に周辺部の郡部はめちゃくちゃなんですよ、とにかく人がいないんですよ。こういう時代に、東京とか大阪とかまだ一部、少し人口が増えているところはありますけれども、日本全国が同じ状況じゃ全くないときに、それぞれの地域別の医療、適切な医療というのを吟味しないと、厚生労働省のお医者さんはやっていけないと思います。

     江角先生のいる志摩市なんて、めっちゃ田舎だよね。徳島にもいっぱい田舎はありますけれども、だけど、そこにもちゃんと国民がいるんですよね。彼らに対してやっぱり、日本という文化国家であればちゃんとした医療を提供するべきですよね。そういうことができるようにする。

     都会の人だけが便利なようにするわけじゃないですから、全体的なことを考えながら、厚生労働省のお医者さんはよくやってくれていると思います。だから私は、心情的にも彼らの言う方向についていきたいと思っております。それが日本の医療をよくする第一のポイントじゃないかと思っております。

     以上です。

     

    ○加藤章信 ありがとうございました。

     もう1つ、別の話ですけれども、今日4人の先生方、皆さん、地ケア病棟頑張れということで、いろいろな切り口からお話しいただいていると思います。

     私たちの協会がさらに頑張っていくためには、やっぱり会員数を増やしていかなくちゃいけないと思うんです。会員数を増やすためにはどんな広報活動が必要なのかなといつも考えるんですけれども、そういった点について小山先生。

     お二人とも小山先生ですけれども、東邦大学病院で頑張ってこられました信彌先生、大学病院でもいろいろ広報活動をされたりすることがあったんじゃないかと思うんですけれども、急に変な質問で申し訳ないんですけれども、もっと広報活動をしっかりしろとかいうことを御意見としていただければありがたいと思います。

     

    ○小山信彌 ここ20年ぐらいで大きく変わってきたと思うんですね。かつての大学病院って、自宅へは帰れないんだけれども入院していくにはという患者さんが多数いたんですけれども、それがここ10年ぐらいの間に非常にドレナージュがスムーズにいくようになって、もう一息かなというところまで来ていると思います。

     やはりひもつきというんですか、いわゆる点滴が入ったり胃にチューブが入ったりすると、今までは転棟できなかったんですけれども、そういう患者さんも非常に積極的に受け入れていただける病院ができたことは、我々とすればすごく助かっております。

     超急性期の平均在日数は、間もなく全国平均で10日を切ってきております。下手すると7日という話になってくる。そうすると、ますますその後、家に帰れない人たちを受け入れる病院機能が非常に重要視されてきますので、その意味ではこれからまだまだ伸びてくると思うんです。

     ただ、武久先生がおっしゃったように、厚労省はすごくよく見ているんですよね。何もしないで収益が上がっていることに対してはどうしても譲れないんですよね。一生懸命汗をかいているところにはちゃんと評価しようとしておりますので、そういった観点から地域包括ケアをもう一回考え直しながら普及していくといいんじゃないかなと思っております。

     あまり直接的な話になりませんけれども、以上になります。

     

    ○加藤章信 ありがとうございます。とても大事なポイントを指摘していただきました。

     小山秀夫先生にも、とても刺激的なお話をいただきました。うちの協会として、もっと宣伝もしないといけないんじゃないのという、エールというか、檄を飛ばしていただければありがたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

     

    ○小山秀夫 すみません、今日は久しぶりに言いたいことを言わせていただきまして、加藤先生にも田中大会長にもお礼を言いたいと思います。

     みんなで頑張っていきたいと思います。

     

    ○加藤章信 ありがとうございました。

     司会の不手際で、せっかくそうそうたる先生方がお越しの中で十分なディスカッションができませんでしたけれども、4人の先生方、それぞれのお立場から、インパクトがあって示唆に富む御発表をいただきました。

     それぞれ切り口が違うわけでありまして、まとめるのはなかなか難しいですけれども、世の中のニーズは何なのか、地域では何が求められているのかということをしっかり考えろということもありましたし、地ケア病棟協会として地ケア病棟の有用性といったものを、国で政策を立てている方たちにデータを示して、そしてこの有用性をさらに支援していただけるようなことを進めていかなければならないんじゃないかというところでは共通していたのではないかなと考えております。

     最後まで熱心に参加していただきました先生方にもお礼申し上げますし、お忙しい中、4名の先生方には大変すばらしいお話をいただいたことに感謝申し上げまして、このセッションを閉じさせていただきます。

     今日はどうもありがとうございました。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    <<シンポジウム1 閉会式>>

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