- TOP
- 活動
- イベント(活動報告)
- 開会挨拶
開会挨拶
開会挨拶
地域の社会保障に貢献していく──仲井会長
エビデンスの構築等も目標に──加藤大会長
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
〇総合司会:安藤高朗(永生病院理事長)
ただいまより第1回の地域包括ケア病棟研究大会を開催する。開催にあたり地域包括ケア病棟協会会長の仲井培雄より大会のあいさつをさせていただく。
〇仲井培雄(地域包括ケア病棟協会会長)
当初の予定250名を超える300名以上の熱心な方々と一緒に勉強できることを嬉しく思う。地域包括ケア病棟ができて1年7ヵ月、また地域包括ケア病棟協会が設立され1年半が経った。会員数は現在331会員となっている。10月末で地域包括ケア病棟を届け出た病院は1317病院。この間、協会では講習会や講座を11回開催。座談会や記者会見を3回執り行い、アンケート調査も2回実施。いずれもたくさんの方々にご参加いただいた。特に、11月6日に行った会員への地域包括ケア病棟の機能調査では、短期間の急なお願いにも関わらず回答率が3割を超え、本当に助かった。本日のシンポジウム時にその結果をご報告する。
また、全国各地の関係団体から講演依頼を賜り、さまざまな地域における地域包括ケア病棟に関連する取り組みを見聞でき、大変よい経験になった。皆さんのご支援ご協力のもと、地域包括ケア病棟の機能と本協会の役割は少しずつ認知されてきたように思う。
さて、来年度の診療報酬改定に向けて中医協をはじめとするさまざまな場で多くの課題が議論されているが、地域包括ケア病棟の役割というのはおおむね達成していると言われている。ただ、緊急時の受け入れが若干予想を下回っていることや、ポストアキュートの連携が自院の中で完結しているケースがあるということで、それなりに課題もある。手術を含めた高額な処置など出来高にするのか、そういうことも含めて現在審議が進んでいる。
当協会としては、診療報酬改定というのは全国一律で、地域の事は地域医療構想会議や協議の場で、というスタンスをしっかり守りたいと思っている。地域格差を解決することを主眼においた王道を歩んでいただきたいと考えている。そのために地域包括ケア病棟のことを皆さまに知っていただきたく、今回の緊急のアンケート調査を行った。
本日は栄えある地域包括ケア病棟協会主催の第1回の研究大会である。来年度の診療報酬改定、都道府県地域医療構想の協議の場、そして医療介護の現場である市町村単位の地域包括ケアシステムなど難しい舵取りを要求される時期に、当協会として最もふさわしい大会長を選任した。
当協会副会長で、盛岡市立病院長の加藤章信先生である。選ばれたシンポジウムのテーマは「ときどき入院、ほぼ在宅」。厚労省から地域医療計画課長迫井正深先生、LTAC研究会から国立大阪医療センター救命救急センター診療部長の定光大海先生をお招きし、特別講演にはリハビリ栄養で著名な横浜市立大学附属市民総合医療センターの若林先生をお招きした。「ときどき入院、ほぼ在宅」を具現化する指定演題発表もあり、協会の多彩な顔ぶれが揃い、今から楽しみにしている。
これから地域包括ケア病棟は、第7次医療計画、第7期介護保険事業計画、医療費適正化計画、それから「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などさまざまな制度の整合性を図る要として、地域の社会保障に貢献していくべきだと思っている。地域包括ケア病棟がこれらすべてを懐深く受け入れ、かつ急性期、慢性期、公的、民間の「急・慢・公・民」の多方面のパートナーと共に発展すべく研鑽を積みたい。今後ともご指導ご鞭撻のほどお願いしたい。これをもって開会のあいさつとする。
〇加藤章信大会長(盛岡市立病院病院長)
多数ご出席いただきありがとうございます。少子高齢化が進む2025年問題に対応すべく、昨年から地域包括ケア病棟というものが運用されている。地域包括ケア病棟協会というものを立ち上げた仲井会長を中心に、全国に地域包括ケア病棟をさらに拡大させ、そして既に取り入れている施設がさらに充実することを目的に活動している。
ただいまの仲井会長のあいさつのとおり、協会のホームページをご覧いただくと多くのセミナーが開催されている。このセミナーによって地域包括ケア病棟にさらに関心を持っていただき、これから地域包括ケア病棟を導入する病院や、既に運用している施設のさらなる向上をお助けできる活動を続けてまいりたいと思っている。
本日の研究大会もその一環であり、行政あるいは病院等でこの地域包括ケアシステム、地域包括ケア病棟についてのエキスパートである先生方にお越しいただいた。地域包括ケア病棟の現状、問題点、アウトカムに対するエビデンスの構築も今大会の目標として考えている。どうぞ1日、よろしくお願いいたします。
(了)