「地域包括ケア病棟の持つ役割が増えていく」────

 

    地域包括ケア病棟協会 記者会見のご報告(2015年11月23日分)
    地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果の資料

     地域包括ケア病棟協会は11月23日、第1回研究大会を盛大に終了した後に記者会見を開きました。会見で仲井培雄会長は、「地域医療構想の中で地域包括ケア病棟の持つ役割が増えていくのではないか」との感想を述べた上で、地域包括ケア病棟の機能等に関する調査結果を紹介し、同機能に求められる役割に迫りました。次期改定に向けた提言では「手術等を一律に出来高払いで評価していただきたい」と要望。DPCの機能評価係数のようなデータ提出に基づく機能評価を創設し、早期の在宅復帰を診療報酬で評価することも提案しました。

    会見で仲井会長は、病床機能と地域医療構想にも言及し、地域包括ケア病棟を「最強の病棟」と考える理由を説明。「ご当地ごとの人口構成やそれに起因する疾病構造の変化、医療・介護の需要と供給の変化、同一時期の地域格差、同一地域の現状と未来とのギャップなどの要因に順応しやすく懐が深い上に、地域包括ケアシステムと地域医療構想の整合性をご当地ごとに図る要にもなる」と述べました。最後に、公立みつぎ病院名誉院長の山口昇先生が提唱された「地域包括ケアシステムにとって大切なこと」を紹介。「連携、在宅、地域」「まちづくり」「QOLとQOD」「市町村と都道府県の役割」「人をみる医療・介護」「総合診療専門医」──を挙げました。

    以下、会見の模様をお伝えいたします。

    〇仲井培雄会長
    ご出席、感謝申し上げる。本日は初めて研究大会を開き、無事に終了した。役員を含む約300名に参加していただき、大盛況であったと思う。たくさんの新しい知見を学ぶことができ、中でも多職種協働がいかに大事かを再認識した。院内でも地域でもそれをますますパワーアップすることが、これからの地域包括ケアシステムや、地域医療構想の中で地域包括ケア病棟の持つ役割が磨かれていくのではないかと感じた。
     本日、ご紹介する資料は私の発表の中にもあったが、いろいろ織り交ぜているので資料に沿って順に話をしたいと思う。


     地域包括ケア病棟の活動だが、資料の2ページ目にはこれまでの活動が全部記してある。シンボルマークについても、この四つの矢印の意味も含めて3ページ目に書いてあるのでご覧になっていただきたい。


    ■ 平成27年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査

     地域包括ケア病棟の機能等に関する調査を行ったので、その結果をシンポジウムの中でお伝えした。
      今回、機能等に関する調査項目のアンケートを採るにあたり、今まで「三つの受け入れ機能」と「2段階の在宅生活復帰支援」を地域包括ケア病棟の四つの機能としていたが、実際にいろんな症例を記入するにあたってこの分け方だとわかりにくいことが判明したので、「三つの受け入れ経路・機能」と「2段階の在宅生活復帰支援」に再分類した。その解説が5から8ページとなっている。


     7ページ目の上段に表があり、緊急と予定の入院経路、緊急と予定、3つの受け入れ経路として、緊急時の受け入れ、急性期からの受け入れ、その他の受け入れ。3つの受入れ機能として中核機能のサブアキュート、ポストアキュートと周辺機能に分類した。


     アンケート回答の際は緊急時の受け入れか急性期からの受け入れか、その他の受け入れか、そして今回の入院契機となった疾患が発症する前の日常的な生活支援の必要性が多いか少ないかに答えると、中核機能と周辺機能かがわかる形になっている。このような形でようやく機能を定義し、調査可能になったと思っている。

    これらを基にアンケートをとったのでその結果を今回発表した。現在、地域包括ケア病棟協会の会員は331会員だが、そのうち地域包括ケア病棟を持つ病院は220件で、そのうちの75件に回答していただいた。3割を超える会員が回答したことになる。

     公的、民間の割合は、それぞれ2割、8割である。病床数は300床以上、300床未満、200床未満、100床未満でご覧のような数字となっている。200床未満が一番多い。平均が193.2床である。

     高度急性期の病床を持つ病院では、7対1、次いで10対1を持つところが一番多い。地域包括ケア病棟は2722病床で18.8%を占めている。10対1以上の病床の有無でサブ解析をすると、10対1以上を持つ病院が57で76%である。

     併設する関連施設があるのが8割を超えており、それだけ地域包括ケアシステムに対する親和性が高いと言うか、地域包括ケア病棟を持つ病院は、そういう(関連施設のある)病院が多いことがわかる。

     診療報酬改定に向けた重症度、医療・看護必要度が厳格化された場合、7対1を転換する可能性は高いかという問いに対し、「はい」と答えたのは20分の11であった。半分以上はいるが、そのあとの質問に対してはあまりにもn(サンプル数)が少ないので解釈は行わなかった。

     「ときどき入院ほぼ在宅」の実現にあたり、下記、C、D、E、F、Gの項目を実践する上で重要な院内・地域内多職種協働について医療の質を調査した。


     その結果、医療介護に関する様々な連携やベッドコントロールについては、どの病院も非常に充実していることが分かった。管理部門の有無の設問では、病病連携、病診、医介連携、院内ベッドコントロールについてはかなりの率で行われているが、行政・社会福祉協議会等の関連団体との連携になると、「あり」が少しだけ劣る90.7%となっている。組織形態としては一部門で統括しているところが半分弱ある。院内と地域内で統一アセスメントツールの有無は「なし」が6割ということで、そこはこれからまた取り組む必要があるかと思われる。今日は最後の発表で統一アセスメントをうまく使った発表もあったので、そういった病院群との情報共有を進めたいと思っている。

     認知症患者については「専門外来がない、専門医・サポート医がいない、認定看護師がいない、サポートチームがない、院内デイサービスがない」全てで過半数を占めており、認知症に対応する力が全体に足りない段階である。精神科を標榜しない場合でも認知症に対する対応は新オレンジプランに求められているので、あまりにも精神科が必要になるような、せん妄状態やBPSDがひどくなる場合は別にして、通常の認知症の対応についてはできるようにしておいたほうが良い。このへんについては今後対応していかなければいけないと思っている。



    NSTについては活動している施設が7割以上あり、その内容については言うことはないと思われるが、ただ今日、若林先生の特別講演でも言われていたが、リハビリと栄養が別々になっている可能性があったので、「リハビリ栄養について活動をしているか」と質問したところ、していない施設が58.8%あり、ぜひ留意して今後取り組んでいただきたい。



      ポリファーマシー対策も「している」というのは43.1%で、ここをしっかりとやっていただくと、今後いい結果が出るのではないかと。ポリファーマシーはあらゆる患者に良い影響を与えないことがわかっている。したがって、NSTの場ではその対策は薬剤師が中心となっている。自由記載で目立った苦労している点は、「他院からの処方の変更の難しさ」であった。医師会だけではなく、薬剤師会や訪問看護師、ケアマネジャーなどいろんな方々を巻き込んで、地域レベルで取り組まないと解決は難しいかもしれない。


     リハビリテーションについては、リハビリの常勤換算は50床あたり8.3人くらいである。充足している施設は多いが、まだ足りない施設は増員予定のところが多い。疾患別、がん患者リハビリテーションはone day調査であったが、平均単位数が若干低いものもあるが、おおむね2単位となっている。



     疾患別・がん患者リハビリとして定義されている「1単位20分」の関わり以外のリハビリの実施であるが、こちらは「あり」というのが6割弱あり、これを提唱している協会としてはうれしかった。これまでにない概念の包括的な生活回復リハビリであるので、積極的に実施していただくのは大変いいことだと思う。もっとこれから増えていくよう、また取り組んでいきたいと思う。

     個別のリハビリ、集団のリハビリ、多職種や介護者への指導の実施は大体行われているが、集団は「ない」という回答が過半数を占めている。このあたりはこれからの取り組みである。

     「1単位20分」の関わり以外のリハビリについて「あり」と答えた43施設についてさらに詳しく聞いた。個別の20分未満のリハビリについては37件、86%が実施していると答えていた。

    POSTの合計で50床あたり2.4人の療法士が、6.1人の患者に関わっており、内容も多様であった。回復期リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)の併設は「あり」が過半数で36施設。「1単位20分」の関わり以外のリハビリについては回リハ病棟でも取り組まれており、若干、地域包括ケア病棟より多かった。ただ、このリハビリはリハビリが出来高算定である。回リハ病棟では、診療報酬上の評価はされていない。地域包括ケア病棟では、リハビリ包括算定の中で評価されていると考える。こういった生活回復リハビリは、回リハ病棟のほうが先駆者であるので、われわれが見習わないといけないところもたくさんあると思っている。

     「地域包括ケア病棟でのリハビリテーションと回復期病棟でのリハビリテーションの違いはどうか」ということを、ポリシーベースで聞いてみた。七つの選択基準項目を挙げ、その選択基準項目を使うかどうかについて「あり」「なし」「選択基準がない」で答えるというアンケート調査を行った。回リハと地域包括で7項目であるので、全部で14の回答項目があるが、そのうち11項目で「選択基準なし」が最多の回答であった。

     回復期リハビリ病棟で最多の答えは、回復期リハを要する状態の要件に対して、「あり」と答えたのは36病院のうち35病院。ほとんどの病院がそれらを大事にしているということである。もう一つは「予測リハビリ提供量が1日5単位以上」が36分の21で最多であった。そして予測ADL改善率の高い方を2番目に多く選んでいた。一方、地域包括ケア病棟では60日以下の予想在院日数が最多であり、予測リハビリ提供量1日4単位以下を2番目に多く選んでいた。これは当たり前のことなのだが、診療報酬上、回復期リハビリテーション病棟の要件があるし、地域包括ケア病棟は60日を超えると診療報酬が下がることもあるので、両病棟で診療報酬上の要件を大事にしていることがわかる。

     入院患者については、10月27日から11月5日の10日間調査を行った。1205症例で、平均年齢77.6歳、女性が700人で58.8%と若干多い。入院元は院内53.3%、自宅26.6%、院外は9.2%であった。疾患は整形外科的疾患が4割を占め、消化器、呼吸器、神経と続いた。





     受け入れ機能別症例数であるが、先ほど説明をした緊急時の受け入れ、急性期からの受け入れ、その他の受け入れと中核機能であるサブアキュート、ポストアキュートと周辺機能と、この三つの受け入れ機能と三つの受け入れ経路について聞いたところ、サブアキュート、ポストアキュートという中核機能を見ると、サブアキュートは9.9%、ポストアキュートは68.8%となった。周辺機能は合わせると21.3%。亜分類し、緊急時の周辺機能を見ると8.0%。その他の受け入れの周辺機能は13.3%となった。緊急時の受け入れ経路、つまりサブアキュートと緊急時の周辺機能を合わせると、17.9%と一定数の緊急症例数に対応していることがわかる。



     いろいろなサブ解析を実施した。受け入れ機能別と病床数で見ると、サブアキュート、ポストアキュート、周辺機能は病床数に関係のないことがわかる。10対1以上の病床の「あり」と「なし」で比べると、「なし」は民間が圧倒的に多く、公的が少ない。平均病床数は146.5で、回リハ病棟の保有率が61.1%と若干高めであった。「あり」のほうは平均病床が208床と若干多く、公的が若干多かった。総病床数に占める地域包括ケア病棟の割合は、両者とも2割前後であった。

     病院機能と10対1以上の受け入れ機能で見ると、10対1以上が「あり」のところはサブアキュートの割合は7.3%と少なく、ポストアキュートの内訳は院内からのほうが多く、ポストアキュート全体の90%を占めている。10対1以上「なし」は、サブアキュートの割合が26.4%と高く、ポストアキュートは院外からのほうが全体の73%を占めている。こういった違いが見られる。

     もう一つ、受け入れ経路別で見ると、緊急時の受け入れ経路の割合は、特に「なし」の場合は35.9%とさらに多いのであるが、両者とも14%以上と一定の数に対応している。



     他院高度急性期・急性期から、一旦自院の一般病床15対1以上を経由して地域包括ケア病棟に転棟した症例は61病院のうち「ある」と答えたのが26病院で43.3%であった。人数を調べると、50床あたり10日間で実人数2.2人であった。計算をすると、地域包括ケア病棟に直入院すれば他院からのポストアキュートの件数を数%は押し上げると予想される。

     退院患者については、退院先は自宅68.5%、居住系施設・特養とあわせた在宅復帰は79.6%とおおむね良好な結果となっている。疾患は入院患者と大差はない。

     退院患者における日常的な生活支援の変化は、発症前が「不要」で退院後も「不要」、発症前から「要」で退院後も「要」というのは合わせて9割ほどある。「不要」だった人が「要」になる症例が7%、「要」だった人が「不要」になった症例が3.4%あった。「要」が「不要」になるというのは非常に好ましいことであり、こういう方もいるということである。在宅・生活復帰支援の重要性はこれを見ても十分認識できる。

     入院調整中の患者は、11月6日の時点で緊急時の受け入れは50床あたり0.5人。急性期からの受け入れは7.2人、その他の受け入れは0.9人であった。退院支援中の入院患者数は11月6日現在で50床あたり25.4人いる。また、Patient Flow Managementについて「知らない」という方が3割近くいた。



    以上がこの(アンケート)結果である。

    ■ 2016年度改定とそれに関わる地域包括ケア病棟協会の提言

     引き続き、診療報酬改定とそれに関わる提言を提出する。一番目は地域包括ケア病棟における、急性期の対応、すなわち手術、麻酔、輸血、高度な処置等の評価であるが、これに関しては病棟入院料、入院医療管理料の1と2、200床以上・未満、一般病床・療養病床のいずれの場合においても、一律に出来高払いで評価していただきたいと思っている。



     次に地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション等の評価。いろんな院内チーム医療を活性化して、多職種協働を推進すると、一生懸命やればやるほど患者は早く退院して、実患者が同じであれば稼働率は減る。やればやるほど医療の質は上がるが経営の質は下がるので、現在提出しているデータをもとに、DPCのような機能評価係数を創設していただき、早期に退院できた場合にはそうした機能評価係数で評価していただければと思っている。

     もう一つは、認知症患者への対応である。これもまだ取り組みが浅いので、この点を考慮して診療報酬で評価していただくと新オレンジプランに準拠した認知症対応が進む可能性がある。一般病床と同様に重症度、医療・看護必要度のB項目で評価をしていただき、一定の割合を超えた場合に加算をつけて評価をしていただきたい。

     最後に薬物多剤併用療法である。ポリファーマシーの減薬については転倒予防、活動性向上、リハビリテーション促進の全てに効果が期待できる。特に入院中、5剤以下に減らした場合には退院時減薬指導加算、あるいは調剤薬局や地域の医師会、訪問看護、ケアマネージャー等と共に取り組んだ場合には地域連携減薬加算をつけて評価していただきたい。

     以上四項目のうち、この一つだけと言っていいくらい、一番やっていただきたいのは一番目の急性期の対応の評価である。そうすれば、今後随分と地域包括ケア病棟の機能は向上し、さらに柔軟性が増すと思う。

    関連した提言であるが、診療報酬改定と地域医療構想の協議の場や、医療介護総合確保基金をどう活用するか。基本的には医療介護の提供体制は地域格差があまりにも大きいため、全国一律とは言えない。診療報酬というのはそもそも全国一律であるので、ご当地ごとの対応はできない仕組みである。


    そこで、ご当地の問題は、地域医療構想の協議の場や、医療介護総合確保基金を利用して解決すべきだと考える。イコールフッティングについても地域ごとに公民格差の量と質は異なるので、是正することは難しい。診療報酬で誘導するのではなく、あくまでも協議の場で話し合って決めていくというのが王道であり基本と思っている。

     高機能病院と中小病院の役割分担だが、地域医療構想で機能分化・連携の推進は、真の高度急性期医療を担うべく、大学附属や都道府県立の特定機能病院、基幹病院等の大病院の施設と病床規模にも影響がおよぶことが予想される。その中で地域包括ケアシステムの要となる医療機関は、ご当地ごとに地域包括ケア病棟の必要病床数を確保し、いろんな所と連携して地域医療を学ぶべき医師を受け入れて、医学教育の環境整備に貢献すべきだということを提言したい。

     手術には緊急手術と予定手術の2通りあり、手術の出来高化には、地域包括ケア病棟の緊急時の受け入れ、急性期からの受け入れ、その他の受け入れの3つの経路ごとの意味がある。




    緊急時の受け入れ、その他の受け入れ経路では本来ポストアキュートとして受けていた疾患群を手術実施時から診ることになる。ただ、急性期からの受け入れで行われる輸血・PEGなどの手術は、地域包括ケア病棟に直接入院するポストアキュート連携を促進すると思われる。

    この意味は、他院からのポストアキュートの紹介患者は通常だと地域包括ケア病棟にダイレクトに入院すると思われるであろうが、先ほどのアンケート調査結果からも必ずしも全員がこうではない。急性期病床に入ってから地域包括ケア病床に入るケースから、地域包括ケア病棟にダイレクトに入れるようにするにはどうすればよいか。その一つとして高額な手術・処置を出来高にすることである程度解決すると思っている。

     リハ包括算定で評価される「1単位20分」の関わり以外の生活回復リハビリテーションについては、6割を超える施設が提供している。中医協で評価されているリハビリは全て疾患別、がんリハである。生活回復リハビリも実態把握し情報を精緻化することが大事だと思い、今回のアンケートを行った。その結果、会員の医療機関でいろいろと取り組んでいることがわかったので、ここで報告した。

     リハビリ栄養・認知症対応もいろいろ調べたが、リハビリ栄養・認知症に関わるエビデンスはそこまで強くなく、数も多くない。ガイドラインには、脳卒中治療ガイドラインや認知症疾患治療ガイドライン、日本静脈経腸栄養ガイドライン、日本老年医学会の高齢者薬物療法マニュアル2015などいろいろある。認知症を直接よくするリハビリはなく、結局は廃用を防ぎ残存機能を高めADLを改善する目的のリハビリが推奨されており、二次的に認知機能も向上することが期待されている。これらガイドラインを俯瞰して、高齢者のリハビリの質を高く効率よく実施するには、栄養や薬剤管理の知識と認知症への対応力が不可欠だということが再認識できた。

     認知症を有し、その重症度が高くなるにつれ、多くの医療行為の有用性が薄れ、種々の効果が限定的になる。認知症患者に提供する医療行為には、高度な倫理的・社会的判断、介護者への支援等を要求される上、尊厳を重視した高度な対応が求められるので、一人の患者にかかる労力が非常に大きい。

     現状では、経験則をかなり大きな拠り所にしている。ここから何らかの法則性を導き出し、エビデンスにしていくことが要求されると考えるが、その中でも最もエビデンスがあると思われるのはこの多剤処方のリスクである。

     この多剤処方の有害事象により、認知症が起こっていたり、PTSDが出たり、あるいは転倒・転落になることがある。治しているつもりが悪くしていることもあり得るわけである。リハビリ栄養だけではなく、認知症の対応もこれからは重要になっていくと思う。特に地域包括ケア病棟では要求されてくる。


    ■ 病床機能と地域医療構想について

    病床機能と地域医療構想であるが、これについては病床機能報告制度でこの病棟は急性期だと思った病棟を急性期、回復期だと思った病棟を回復期のように病院のほうから報告を上げるわけであるから、松田晋哉先生が2025年の医療機能別必要病床数の推計方法として提案した、医療資源投入量の点数によって病床を配分するやり方とは根本的に比較するものが違うわけである。それがどこまで精緻化できるかはまだよくわかっていないが、病床機能報告制度の報告結果を基本に、いかに松田先生たちの研究班が作ったものを活用し機能分化・連携を進めていくかということになると思うが、やり方を自分なりに少し整理してみた。

     まず、国や都道府県、市町村の医療計画の中で、どうやって整合性を確保するのか。一つは慢性期はやり方が違うので、一番川下の慢性期は別のルートで決まっていくことになる。

     回復期については充実させることになっているが、これは回リハ病棟や本病棟のポストアキュートの病床数を積み上げて確保することになる。サブアキュートやそれ以上の高度急性期はどうなるのか。サブアキュートについては在宅医療・介護連携推進、つまり地域包括ケアシステムの中で、必要な病床の量はある程度予測できないかと思っている。こことポストアキュートを積み上げていけば、ほぼ回リハ病棟と地域包括ケア病棟の積み上げた数に、もちろん13対1、15対1、10対1という病床の中の似たような機能を積み上げていくと、それよりも川上が中・高度急性期になるのではないかと思っている。

     そういう意味で、地域医療構想や地域包括ケアシステムの整合性を図るという点で、地域包括ケア病棟が要になるのではないかと思っている。

     最後にまとめである。大村市民病院の福田行弘氏作成の資料によると、10月までに地域包括ケア病棟1・2を算定した医療機関は、1317病院となった。10月の段階で「最大の病棟」はいよいよ1300を超えた。

    さらに「最強の病棟」が持つ筋の良さは、これはいつも話をしているが、とにかく施設基準さえ順守すれば急性期よりから回復期よりまで、裁量は自由である。ご当地ごとの人口構成やそれに起因する疾病構造の変化、医療・介護の需要と供給の変化、同一時期の地域格差、同一地域の現状と未来とのギャップなど、要因に順応しやすく懐が深いので、さらに地域包括ケアシステムと地域医療構想の整合性をご当地ごとに図る要にもなるので、こういう点が「最強の病棟」のゆえんである。



     公立みつぎ病院名誉院長、山口昇先生が「地域包括ケアシステムの重要点で大切なこと」を述べている。この通りだと思い、何回見ても心が動かされる。




    地域包括ケア病棟協会を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。以上で記者会見を終わります。



    (了)

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